セルゲイ・ヴォロノフ ベテランは挑み続ける ― ロシアンカップファイナル


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4CCで沸き返る中、ロシアではロシアンカップファイナルが行われました。これはシーズン総決算、とも言える国内戦です。選手権に出る選手の調整であったり、来期シニアにあがる選手がシニアプロに挑戦したり、新構成を試したりと、選手によって様々な意義を持った大会でもあります。

ロシアンカップファイナルリザルトページが⇒こちら

ナショナル7位となってユーロ、ワールドへの道が絶たれたセリョージャにとっては、来期を見据えての試合であったことだろうと思います。
ここのところ、SNSなどに上がってくる写真がなんとなく暗い表情に感じられたので、ちょっと不安もあったのですが、それは杞憂でした。

何となくからだが重そうで、好調、とは言えない様子ではありましたが、「俺はまだ終わらない」というのをしっかりと見せてくれました。順位こそは、サマリン、ペトロフに次ぐ3位ではありましたが、彼にとっては実りのある試合であったことと思います。

まずはSP。
4T<-3T,/3A 2Lz

なんと、単独ジャンプをLzにしてきました!不慣れなためか、入りに気を使いすぎたのかダブルになってしまい、要素抜けとなってしまいました。結果的にはこれが響いた印象ですが、セリョージャにとっては大きな転機です。
彼にとってルッツはいわば天敵とも言えるジャンプで、古傷(ジュニアの時の疲労骨折による偽関節)から、しばらく跳べない時期が続いたこともあって、どちらかといえば苦手としているジャンプです。それを失敗の許されないSPに組み込んできた、ということは来期を見据えてのことなのでしょう。

そして、FS。
4T< 3A-2T 3T-1Lo-3S< 3A / 3Lz-2T 3Lz 3Lo 2A

大幅に構成を変えて、ルッツを2本に、そしてハーフループ(-1Lo-)からの3連を試合で初めて入れてきました。ルッツ2本は前回の国別対抗戦でもありましたが、あの時、「セリョージャが3Lzコンボ跳んだぁぁぁ!」と大泣きしてしまったのを覚えています。
そして、初めてとなったハーフループコンボ、残念ながらサードの3SがURとなりましたが、ハーフループ部分が軽々としていてすごく綺麗で、きちんとサードジャンプが決まれば、大きな加点が予想できます。
SP,FSとも4TにURがついたことで、衰え?とも思いましたが、他の選手も見てみますと、かなりエッジや回転、レベル、といった技術的な面を厳しく見ている傾向があるようなので、ここは頑張ってもらいたい、と思います。女子でも技術的なジャッジングは厳しくなっているな、と思いましたが、全体的に選手たちの技術レベルが上がってきたことで、そうしないと差がつかない、という面もあるのでしょう。
そんな中、URとなった4Tと3連コンボ以外は全て加点付きでエレメンツをこなしている、ということは、まだまだ地力はある、と言えると思います。
そして、来期を見据えて入れてきたジャンプがほぼ成功したことで、彼的には実りのある試合であったのではないでしょうか。
正直、ナショナルの成績で・・・・ひょっとして・・・・と思ってしまっていた自分が恥ずかしいです。
ええ、セリョージャはやっぱりセリョージャでした!

ナショナルでこのプログラムを演じる彼に、Jスポーツの解説の方が、
「スケートが本当に好きだ、と言う気持ちが伝わってきますね」
というようなことをおっしゃってくださっていましたが(ボロボロ、といっても良い演技だったのにも関わらず・・・)本当にこのプログラムからは、セリョージャのスケートへの愛と、アスリートとしての思い、のようなものが伝わってきて、いつもグッときてしまいます。

現在コーチをしている彼とほぼ同期だったアレクサンドル・ウスペンスキーがインタビューでセリョージャのことを
「彼は根っからのアスリート気質」
と言っていましたが、まさにその通りなのでしょう。
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これは表彰式の写真ですが(ミハイルさん撮影)、サマリン、ペトロフといった10代の選手たちと伍して戦い、脇を固める名俳優のようにしっかり安定して台乗りしてくるセリョージャ。(いや、中央に来てくれてもいいのよ!)
ベテランの頼もしさと力強さを感じさせてくれた試合でした。

今年は選手権の出場がないことで、WSがかなり下がってしまうことが予想されます。来期のGPS出場がどうなるかはわかりませんが、いつまでもベテランらしい厚みのある演技を見せてもらいたいものです。
2006年のジュニアワールドで彼を見つけて以来、こんなに長く応援してこれるとは夢にも思いませんでした。何度このままFOしてしまうのではないか、と思ったことか!

彼を見つめ続けることができて本当に幸せです。来期も楽しみにしています。




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セルゲイ・ヴォロノフ ベテランへの試練 ―ロシア選手権男子総括(1)


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(ライブストリーミングより)


さて、今回からは私個人の推しに焦点を当てて振り返ってゆきます。
まずはセリョージャ。
今回は、セリョージャ、アリョンカ、リーザと、男女ともにベテランには厳しい大会となりました。
特に今年のセリョージャは、インタ等読んでも公私等充実しているのが感じられ、GPSではロシア男子唯一の台乗りを果たし(CoC3位)、海外の解説者からも「やっと彼は自分の居場所を見つけた気がするね」とその充実ぶりを評価されていただけに…。
本当に、なんというか今年のセリョージャは「やってくれる感」が半端なくて(ファンの欲目かもしれませんが)台乗りは間違いないだろう、と思っていたのです。が・・・

ただ、セリョージャにとってナショナルの鍵はSPの3AとFSの2本目のクワドだろう、と思っていました。なぜなら、今までセリョージャはSPの3Aが抜けた年(2010-11シーズン、昨シーズン)、表彰台を逃しているからです。

しかしまさかこういう結果が待っているとは。まあでもそれがセリョージャだよなぁ、と長年応援してきたファンとしては思います(苦笑
でも、そんなジェットコースターみたいなアスリート人生送ってるセリョージャが、そんな中を生き抜いている彼が、好きで好きでたまらなくて、ここまで来たのですから。

まずSP。ロシア語解説で。
 4T-3T / 3A 3Lo

あまりジャンプの調子が良くなかったようですが、それでもしっかりと降り、ベテランらしくまとめてきました。終了時点でコリャダー、サマリンについで3位。
このSPプロ、私は正直すごく好きなのです。
けれども、なぜか何かが、そううまく言い表せないのですが、最後の1ピースが足りない、というか上手くはまっていない気がして…。それがはまれば本当にドカーンと人々を落とし込むような凄みのあるプログラムになっていたと思うのですが―。なんとも歯がゆい感じが最後までぬけませんでした。
セリョージャは、自分との戦いだったから、出来については満足している、ただ3Aに入るときは去年のこと(抜けてしまったことだと思います)を思い出してしまった、とコメントしていました。そして、GPSよりもナショナルの方がハードだ、とも述べていました。
確かにそれはわかります。GPSの方がはるかに強敵は多いでしょうが、失うものはあまりない。とにかく挑戦者としていけるでしょうが、ナショナルはISU選手権への道がかかっています。それを失う、ということは自らの将来にも直結してきます。ベテランであるが故に、それは重い。
セリョージャはそれを痛いほどわかっていたはずです。

そしてFS。4T 3A 4T<+REP 1A / 2Lz 3S 3Lo-2T-2Lo 2A-2T

4Tにセカンドをつけなかったのを見て、正直不吉な予感がしました。セカンドをつけられる質のクワドを2本目で跳べるだろうか・・・?
案の定、転倒。
体の痛みか、次のコレオシークエンスもなんとなくキレがいつもよりないように思われました。そして焦りが出たのか、アクセルはシングルに・・・・
もう私はこの時点で見ていられず顔を覆ってしまいました。そして次に画面を見た時には、「全く何をやってるんだ俺は」と言わんばかりに乾いた笑いを残してリンクをはけるセリョージャでした―
クワド1本にして、しっかり演技を固めてゆく、という道はなかったのかとも思われそうですが、ベテランに厳しい状況を知っているセリョージャとしては何としてでも2位を目指したかったでしょうし、3位となれば若手優先、となっていただろうことも否定できません。
そして彼は昨年の国内大会でサマリンに敗れていますから、サマリンの安定した強さをかなり意識していたでしょう。セリョージャとしてはクワド1本、というのは最初から選択肢に入っていなかったと思います。
そして彼はそれを選び、そして敗れ去った。
何度も繰り返し動画を見ていますが、致命傷となったのはクワドの転倒ではなく、それに続く3つのジャンプミスです。まさに「ヌケはコケより…」になってしまいました。そしてサルコウの得意な彼がそれでミスる、ということは相当な動揺、というか葛藤があったのだろうと思います。
クワドの転倒から、焦りを振り切って、萎える気力と必死に闘っているような彼の演技を見ると、涙なしではいられません。
残念ながら、後半はほとんど自分との戦い、という感じで、音楽に気を向ける余裕もなかったのでしょう、PCSの低さがそれを表しているような気もしました。

そして、セリョージャの13年連続のロシア選手権は今までの最低の成績(これまでは初出場、2回目の6位)となる7位という結果に終わりました。が、これだけ長くナショナルに連続して出場してきて、2桁順位が一度もない、というのもすごいことです。ちなみに今大会の最年少であるスキルダくんは13歳、セリョージャは彼が生まれたばかりの頃からずっとナショナルで戦い結果を残し続けている、ということなのですから。

今はとにかく、心身を休めて欲しいと思います。どん底に落ちたらそれは自分でしか這い上がれない、ということは彼が一番よく知っているでしょう。

来期、いや、できることなら2月のロシアンカップファイナルで彼の元気な姿を見たい・・・・。心からそれを願います。


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加筆・修正】セルゲイ・ヴォロノフ:「今日、僕は自らのできる限りのことをした」―スケートアメリカインタビュー

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(スケートアメリカSPより)

スケアメ後のセリョージャのインタビューが上がっていました。聞き手はタチアナ・フレイドさん(前回のネペラ杯のインタと同じ方⇒ネペラ杯インタ)です。
今回も、ロシア語者の友人にお世話になりました。本当にありがとうございます。いくら感謝してもしきれません。m(_ _)m

++++++++++

<セルゲイ・ヴォロノフ:僕は今日、自らのできる限りのことをした>

グランプリシリーズ「スケートアメリカ」において4位に終わったセルゲイ・ヴォロノフは、この大会の自らの演技についてこのようにコメントした。

「“スケートアメリカ”はけして容易い競技会ではありませんでした。しかし、それについてくだくだしく述べるのはやめておきましょう。率直に言えば、強い選手が揃い、彼らは皆すべて、みんな実力に相応しい滑りをしました。 また、完全に崩れてしまった選手たちもいませんでした。
今日、僕は自分が出来ることをやり、良い状態でエレメントを見せることができました。 これは僕が色々と我慢を重ねている練習の結果です。練習では常に全てが上手くできるわけではなく、時によっては難しいことがあります。

そして、皆が頻繁に僕の年齢を思い出させてくれますよ。
けれど、それがなんだというんです!歩を踏み出して、先に進むんです。北京で会いましょう、そしてまた話しましょう。

もちろん僕は今日の演技には満足しています。どうしたら、不満足でいることができるんです?自分のために僕は多くの点数を獲得したというのに。
ええ、僕は4位です。残念ながら、上位3位内には入れませんでした。しかし、僕はそれが困難であることは分かっていました。確かに、SPでとても愚かなミスをしました。それがなければ、(上位3位内に入ることは)可能だったかもしれません。
が、結果として残るのはやったこと、それがあるだけです。

しかし、僕は数種類のクワドが跳べる世界選手権3位の選手より上に行くことができましたよ?それに関して、僕は誇りに思います。ボーヤンより上位であったことを誇りに思います。ええ、ボーヤンは確かに調子が良くありませんでした。僕も良い滑りをしたわけではありません。それに関しては反論はしません。しかし、これは事実です。

フリープログラムは僕は感情をこめて滑りました。.僕はこの音楽を大変気に入っています。.
僕は、この「ミューズ」の曲で滑ったアシュリー・ワグナーの演技を、わざわざ見に行きました。これだけの滑りができるなんて!(訳注1)
女性はこのように滑らなくてはならない。 感情をこめて、音楽を感じて。
彼女がこのような気合をこめて滑るのを見て、僕は昨日考えたのです。そしてますます興味が沸いてワクワクしてきました。
僕は、この曲の自分のプログラムをどのように感じて滑るんだろうか?とね。
僕が既に述べたように、この曲は「分子に分解する」んです。そしてこの音楽ははとても僕の滑りを助けてくれます。

ブラチスラヴァの後、我々は特に変えることなく、通常通りの練習をしていました。
.僕はすでに経験のあるアスリートで、僕には僕の練習のシステムが確立されています。 .
ええ、インナ・ゲルマーノヴナ(ゴンチャレンコ)と僕は均等化するように、何かを変えようとしたりして努力はしていますが、あるがままになっているのが現状です。 しかし、もしもそれが良い方向に機能しているなら、いいじゃないですか。
良いプログラムを振付し、良い衣装を縫わなくてはなりませんでした。衣装はどれも大変気に入っています、特にSPの衣装が。
僕は衣装に「引っ張られるようにして」滑っています。(訳注2)

それから先は?練習すること。自分を愛すること。ちなみに、これは大変重要なことです。
そして、皆に感謝します。僕を信じてくれている、僕の家族、親しい人々皆に。」

(訳注1)Это уровень.言葉通りに訳せば“これは水準(level)です”ですが、ロシアの方に聞いたところ、ここは「こんなふうに滑ることが出来るなんて!」というような感嘆の表現なのだそうです。
(訳注2)これは凄く気に入ってる、という表現なのだそうです。超気持ちが良い、ということのようです。

=====ロシア語本文=====

+++++++++++

本当に、言葉の端々から充実した日々が過ごせていることが伺えて、ほっとしました。彼自身、スケートアメリカは2度目(一度目はシニアにあがったばかりの2006年)ですが、メンバーを見て、上位進出は困難、という自覚を持っていたようです。ただ、その中で現在の自分の力を出し切れた、それに関しては満足しているようですね。ジャンプ構成(特にエラーのあるフリップを入れている理由など)については語られていませんが、いずれ彼の口から明らかになるでしょう。
シーズンはまだ序盤ですが、良いスタートが切れてよかったです。

そしてプログラム、特にFSは評判が良いようで、PCSでも高い点が出ていました。次の中国杯が本当に楽しみです!


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セルゲイ・ヴォロノフ ベテランの再出発 ―スケートアメリカ


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(スケートアメリカFSより)
グランプリシリーズ第一戦となるスケートアメリカが終わりました。
<リンク>
スケートアメリカリザルトページ
男子SPジャッジスコア
男子FSジャッジスコア

結果は宇野君1位、ブラウン2位、リッポン3位、となりました。そして今年29歳(多分GPSメンバーでは最年長?)今シーズンからコーチを変えて再出発をはかるセリョージャことセルゲイ・ヴォロノフは4位でした。ネペラ杯の優勝といい、今大会の4位といい、シーズン初めとしてはなかなか良い滑り出しだったのではないかと思われます。
また、TV放映では、織田くんが彼の人間性について触れていたそうですが、宜しければ彼のインタを読んでくださると嬉しいです。
セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナの所でも、インナ・ゲルマーノヴナの所でも沢山の練習を積まねばならないことに変わりはない」

SP「私の、生きる肌」サウンドトラック

冒頭の4Tで転倒するも、3Loにしっかりセカンド3Tをつけてリカバリー、最小限の減点にとどめました。スピンも丁寧で美しく、全てレベル4。
ただ、曲が重苦しく難解な感じがするので、一歩間違うとただの地味プロになってしまいそうですが、そこはベテラン、しっかりとした表現力で、PCSも出ました。
衣装も、ストーンの渋い輝きが印象的で、よかったんじゃないかな、と思うのですが、ちょっと下半身のもこもこっとした質感が気になりました。(なんか太く見える・・・・)


FS「エクソジェネシス第3章」

二本目のクワド(コンビネーション)のところ、タイミングが合わなかったのか3T-3Tにしてきましたが、結果としてはこれでよかったのでは、と思います。まだシーズン序盤でもあることですし、プログラムの概観をしっかりジャッジに見せておくためにも、ここはきっちりとまとめておくべきだと思うからです。
そして前年までとの大きな違いはプログラムに3Fを入れてきたこと。テストスケート、ネペラ杯、とずっと変わりありません。ただ、ネペラ杯でも今大会でも、エッジエラーを取られてしまい、今のところ目立った武器、とはなっていません。ただ、得意のサルコウを抜いてまでフリップを入れてきた、というところに彼の並々ならぬ意地、というか執念を感じます。セリョージャは足の古傷のため、ルッツとフリップにはずっと苦労してきました。この動画でも、3Lzを降りた瞬間に「ニヤリッ」という感じの笑みがこぼれたところにそれが現れています。そして、スケーティングもすごく良くなりました。また、その余裕のせいか、腕の動き一つ一つがとても丁寧で魅惑的です。
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(上手くキャプれませんでした・・・)
3Lz、3Fともに1プロで成功させることができたら、(私的にはエッジエラージャンプは成功とはいえません)彼自身シニア初となるのではないでしょうか。29歳にしての挑戦ですね。
この「エクソジェネシス」は今大会でもワグナーさんが使い、男子でも以前コフトゥンやアボットが使っていますが、それらとは全く異なった、「ヴォロノフのエクソジェネシス」となっている気がして、私はとても気に入りました。このまま行けば、私の中で彼のベストFSプロ、であった「シンドラーのリスト」を上回るのではないか、という気もしています。
いくつもの辛酸をなめてきたベテランにしか出せない、重みと重厚さを感じさせる演技でした。
ネペラの時は「渇望」って感じだったけど、スケアメの時は「希望」って感じがした。表情のせいかな。
ただ、この「第三章」の歌詞を考えると、今の彼にとってもあっているプロだと思う。このまま完成させて欲しい。
本当に、「これを滑るために今までの彼のスケート人生はあった」と言えるような名プロになる気がして、正直今からワクワクしています。神プロの予感、半端ないです!ありがとうモロゾフ!

今年はぜひISU選手権(ユーロ、ワールド)に出て、このプロを披露して欲しい、と思いました。



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セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナの所でも、インナ・ゲルマーノヴナの所でも沢山の練習を積まねばならないことに変わりはない」


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(オンドレイ・ネペラ・メモリアル表彰式・男子のみ優勝カップがあるのは、オンドレイ・ネペラ選手の記念大会であるからだと思われます)

セリョージャは、今シーズンの初戦となった、オンドレイ・ネペラ・メモリアルで優勝を飾りました。
シーズン始まったばかりのころのインタで、プログラムについては満足している、特にFSについては。と言っていましたが、まさにその通りでした。
特に腕の動きが柔らかで丁寧で、私は初めて彼の動きから“艶っぽさ”を感じました。
SPからは「静かなる狂気」、FSからは「静かなる渇望」といったものが感じられて、その「静か」さの表現がすごく上手く出来ていたように思います。これはベテランならではのものでしょうか。静かな低音がぐうーっと響き渡り、最後にみなぎり迸るように、とでも言ったらいいかな。

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(Joanna Grams さん撮影、ネペラ杯FS)

衣装は2014シーズンのFSのものを流用していましたが、私はこれでも良い、と思いました。曲に合っていると思いますし・・・・。
これは大会直後のインタビューです。
いつもと同様、ロシア語者の友人にチェックをお願いしました。本当にありがとうございます。m(_ _)m

インタビュアーはタチアナ・フレイドさんです。

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セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナのところと同様にインナ・ゲルマーノヴナのところでもたくさんの練習を積まねばならない」
(訳注:エテリ・ゲオルギーエヴナはトゥトベリーゼ前コーチ、インナ・ゲルマーノヴナはゴンチャレンコ現コーチのこと。2人とも名前+父称(父称は父親の名前から発生した、XXの息子、XXの娘、とういう意味の言葉)呼びで、ロシアでは相手に敬意を払っている際にこの呼び方をします。)


欧州選手権のメダリストであるセルゲイ・ヴォロノフは、今シーズンの初戦となった国際大会である「オンドレイ・ネペラ・メモリアル」において、優勝を飾った。その後彼は、特派員のタチアナ・フレイドの質問に答えた。


F:セリョージャ、おめでとうございます。今シーズン最初のスタートですね。


V:ありがとうございます。しかし僕にとってこれはシーズン初戦ではありません。この前に、ロシアカップのサマーラ大会で既に戦っています。


F:最初の国際大会のスタートですね。


V:国際大会 ― そうですね。
僕は順位には満足しています、けれども出場することは大変でした。2つの国で大会が立て続けでした。僕はサマーラから戻った翌日にはここに飛んできました。そしてその翌日にはショートプログラム・・・
実際には2つの大会の間は1日しか空いていなかったのです。
しかしわかるでしょう、しんどい思いも次に役立ちますよ!おまけにコーチなしでこの大会に参加したんですから。

そしてまず、サーシャ・スミルノフの助けがあったことを強調したいです。彼は僕をとても助けてくれました。
それについて、心の底から彼に感謝しています。そしてなんといっても彼は僕をリンクに送り出してくれました。彼は僕を引っ張り出してくれたんですよ!
僕は、まだ現役の選手が、他の選手にこれほどまでに氷上でやる気を出させることが出来るとは思ってもいませんでした。
これは単なる褒め言葉ではなく、事実です。
もしも全てこのようにうまくいくなら、サーシャの行く末には輝かしいコーチとしてのキャリアが開けているでしょう。


F:では、サーシャは具体的にどんな助けになってくれたのですか?彼はなにか特別なことを言ったのかしら?


V:とても親切に助けてくれました。尊大な態度をとることもなくね。巧みに、男らしく、かつ真剣に。そしてジョークも交えながら。
演技スタート直前に彼が僕に言ってくれた必要なことを、僕はをしっかりと受け止めました。彼が口にした様々の言葉がどのように描き出されたのか、本当にクールでした。
彼は― 偉いです!(訳注1)


F:なぜ、あなたのコーチは来ることができなかったのでしょうか?


V:インナ・ゲルマーノヴナは、既に電話で僕にお祝いを言ってくれましたよ。我々は常に連絡を取り合っています。
彼女がここに来ることができないようにした人は、喜べばいいんですよ。そして何を喜んでいいかわからなくなってがっかりすればいいんです。僕は1位になったんですから。


F:1人きりであるということは、少々大変だったのですか?


V:もちろん、難しかったです。僕は少し前にインナ・ゲルマーノヴナのところに移ったばかりです。我々はサマーラに行ったばかりでしたから。どこに行くのもコーチと共にいました。ソチでのテストスケートでももちろんコーチと一緒でした。

それなのに・・・・何がここで起こったかといえば、僕は誰にも必要とされずにたった一人で放り出されたのです。
ええ、確かに僕は大人のアスリートです。しかし、全てのアスリートは支援、支えを必要としています。誰かが僕の何かを見つめていてくれ、助言を与え、ありふれたことでも言ってもらえる、それは重要なことなのです。決して欠かすことはできません。
しかし、ここに来て頼るべきコーチがいないことが明らかになりました。
1人のコーチは以前門下にいて滑っていた人(男性)でした。2人目も同様です。そして3人目は自分の用事でいっぱいでした。
けれども、結果は素晴らしいものでしたよ!
困難があるときにそれを乗り越えることができたということが、僕にとっては大事なことだったのです。
叩き出したポイントの多寡は問題ではありません。大切なのはいくつもの苦難を克服できたことでした。

僕はもう、だいぶ以前から消し去られようとしています。しかしながら、僕はまだ自分の出来ることをすべてやり尽くした、とは思っていないのです。


F:あなたがサーシャ・スミルノフにリンクサイドにいてくれるよう頼んだのですか?


V:ええ。練習の時に。彼が観客席に座っていたので、僕は行って事情を説明しました。彼は即座に答えて言いました。
「もちろん行くさ!水、ティッシュ、それから何が必要だい?」
僕が試合の時にに氷上に送り出してほしい、と頼むと、彼は愛想よく同意してくれました。
それは馴染みのない、珍しいことでした。 ― 名のある人が、ましてやまだ現役のアスリートが、他の選手を送り出すなんて。


F:それではあなたは、ブラチスラヴァでの演技についてはどう考えていますか?


V:肯定的に評価しています。まず一番には、複数のクワドをクリーンに決められたことですね。二番目は、これだけの困難な状況であったにもかかわらず、二つのプログラムを大禍なく通常のレベルで滑りきることができたことです。もちろん、これが限界であるということはありません。
しかし、緊張を解くことなく練習を続けなければなりません。皆が僕を助けてくれます。僕には素晴らしいコーチとよいグループがあります。


F:あなたは新しいコーチのもとに移籍しましたね。試合や練習に対する備えで何か変わったことはありますか?


V:インナ・ゲルマーノヴナとエテリ・ゲオルギーエヴナは、それぞれ独自のやり方を持っています。
エテリ・ゲオルギーエヴナのところでは、常に手足を絶え間なく動かし、練習に勤しまなければなりませんでした。しかしそれは、インナ・ゲルマーノヴナのところでも同じことです。
おそらく彼女たちは異なるアプローチの方法を持っていますが、実情はなんの秘密があるわけでもなく、いたってシンプルなのです。

一生懸命に練習をするなら、おそらくなんとか形になるでしょう、けれど、もしもコーチを変えて、それが悪かったとか、こんなはずじゃなかったとかいっていたとしたら、うまくいくことはないでしょう。
本当につい最近、僕はこういったことを悟りました。残念ながら、多くのことは年齢とともにわかってくるのです。
何をしなくてはならないのか、どのくらい、どこでどこまで自分を追い込まなくてはならないのか、へとへとになるまで練習しなくてはならないか、悩まなくてはならないか、どこで他の何かをやらなくてはならないのか、切り変えなくてはならないのか、などの理解が生れます・・・これが経験です。
経験は金銭で贖うことのできないものです。しかし、歳月とともに手に入るものです。


F:あなたは、マキシム・コフトゥンと一緒のグループで練習をしていますね。彼の存在はあなたへの刺激になっていますか?


V:僕の存在が彼の励みとなっているかどうかはわかりません。しかし、マックスは僕にとって、今まで夢に見ることしかできなかった、ロシアにおける最高で完璧なスパーリングパートナーです。皮肉抜きでね。
コフトゥンは全ての種類のジャンプが跳べ、練習でそれを見せています。


F:初戦は終わりましたね。次はなにを?


V:とにかく練習です。耐え忍び自分自身に打ち勝つために。次の試合はスケートアメリカになることを期待しています。


F:なぜ“期待”なのです?行かないわけではないですよね?


V:つまり、リオ五輪前に起きた諸々のスキャンダルのことを考えると、ロシアのアスリートたちはまるで道化として扱われていたかのように僕には感じられます。何故このようなことになったのか、僕には理解できません。
政治は政治でしょう。クリミア半島がクリミア半島であり、シリアがシリアであるように。
しかし、それが何故スポーツに(影響があるのでしょうか)?なぜそこに、ホールで、トラックで、あるいはリンクで、またはフィールドで黙々と練習を積んできたアスリートたちが関係があるのですか?
禁じられた薬物を使用していた選手かいるというのなら ― その選手本人を罰すればいいのです。それならばわかります、けれどもそうはなりませんでした。そしてどうなったかといえば、ロシア人であるということだけで、ロシアのパスポートを持っているということで、アスリートたちはリオに行かなかったのです。
まったく、我々はいつの時代に戻ろうとしているのでしょう?どんな連帯保証ですか?
一人が罪を犯したら、全員が罪人になるなんて・・・


F:フィギュアスケート競技においてはしょっちゅう、そしてよくロシアの選手は好意的に取り扱われていましたね。


V:率直に言って、僕はジャーナリストたちがこのテーマについて、何らかの反駁をするかと思ってこの試合にやってきました。結局、これら全てのスキャンダルは、ロシアのスポーツ界に黒い染みを残しました。
僕が言っていることは正しくはないですか?


F:新しいプログラムについて話してください。


V:ショートプログラムは、アントニオ・バンデラス主演の映画『私が、生きる肌』(2011年公開のスペイン映画、内容については⇒こちら)の音楽を使いました。映画は心理的に複雑で、自身を襲った悲劇を乗り越えたある外科医が、その後少しづつ正気をなくしてゆく、というものです。僕はそれを表現しようと努力しています。
フリープログラムは、ミューズの『エクソジェネシス第3章』です。これは、だれかの受け売りなのですが“分子に分解する”音楽です。今のところ、それを最後まで解明するところまではいっていません。しかし、この曲は僕の内面にエネルギーを注ぎ込んでくれます。


F:本当に素晴らしい音楽ですね。


V:ええ、とても。
静かに始まります。ささやき声でここは滑ります。


F:古い衣装でしたが、変えるのですか?


V:ええ。これらの衣装は少々古びていて、擦り切れていましたけれど、よく耐え抜きました。
しかし、スケートアメリカでは晴れ着を着て滑りますよ。


=====ロシア語本文=====


(訳注1)この молодец! (マラジェッツ!)はフィギュアのロシア語中継でもおなじみの言葉。(タラソワさんがよく絶叫してますね)偉い、すごい、よくやった、などの意味です。He is a great! って感じでしょうか。セリョージャのスミルノフに対する最大級の賛辞ではないかと思われます。
また、ここで出ててくる「送り出す」というロシア語は、ただ単に見送る、キスクラで見守る、という意味ではなく、「引っ張り出す、(気が向かないものを)現場に連れ出す」というかなり能動的な意味を持った言葉だそうです。日本語で言うと「やる気を出させ、背中を押してくれた」という感じでしょうか。海外初戦で、コーチもいなくて、セリョージャ自身、どよ~んとした気分だったのかも。そんなところからも、スミルノフに対して強い感謝をしているのだと思われます。

++++++++++

とりあえず、初戦が満足なスタートが切れて、本当に良かったです。だいたいいつもの年は国内戦1試合、CS2試合してGPSに入ることが多いのですが、今年はGPSのスタートが初戦のスケートアメリカからなので、CSはこのネペラ杯1試合となりました。
メンショフが引退した今、GPSメンバーでは最年長の1人となりますが、ベテランらしさを出して頑張って欲しいものです。
引退を示唆する圧力も感じているようですが、「まだやりきっていない」という彼の強い言葉を信じたいです。
いいイメージでGPSに向かえそうで良かった。
衣装は是非とも黒かダークな赤系を希望!


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セルゲイ・ヴォロノフ:「今シーズン、僕は高レベルで戦い競う力を十二分に持っていることを証明したい」


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テストスケートを終えて、セリョージャのインタビューが来ました。上はテストスケートの際の写真ですが、去年と同じセーターですね。どうもこれは彼の勝負服のようで、「ここぞ」という時に着ている感じがします。

テストスケートで披露されたFS。「エクソジェネシス第3章」

振り付けはモロゾフです。とにかく私は気に入りました!何度でもリピしていたい気分にさせてくれます。この憂愁、というか哀愁漂う表現はベテランならではのものではないでしょうか。彼も手応えを感じているようで、インタビューにもそれが現れています。

では、インタビューです。これと、下のシモネンコさんのテストスケートの論評のロシア語訳には、ロシア語者の友人にチェックをお願いしました。いつもながら本当にありがとうございますm(_ _)m

++++++++++

<セルゲイ・ヴォロノフ:今シーズン、僕は高レベルの大会において戦いぬく力を十二分に持っていることを証明したい>

ロシアのフィギュアスケーター、セルゲイ・ヴォロノフは、Sports.ruの アリーナ・ロマノーソワのインタビューを受け、今シーズンの新しいプログラムと、シーズンに向けての目標と新しいコーチとの練習について語った。


R:今シーズンのプログラムを作り上げた過程について教えてもらえますか?


V:プログラムの振り付けはニコライ・モロゾフがしました。彼が僕の振り付けをすることに同意してくれたとき、僕にはほかの選択肢はありませんでしたよ。彼との共同作業は常に興味深く、うまくいったことを嬉しく思っています。
プログラムの作成はノヴォゴルスクで行いました。家の近所の、いわば“お隣”ですね。
僕はフリープログラムにとても満足しています。
音楽は、ミューズのエクソジェネシス第3章で、今までに滑っていないスケーターはいない(ほどポピュラーな)ものなのですけれども、 僕は奮い立たされたのです。
これこそが僕のために選ばれた曲だ、僕は一度だけでもこれを滑らねばならない、とね。


R:今シーズンからあなたは、インナ・ゴンチャレンコのもとに移りましたよね。この指導者とともに活動してゆくことのあなたの印象を教えてください。


V:新しいもの全ては、忘れられた古いよいものの中にあります。(訳注:Все новое – это хорошо забытое старое.マリー・アントワネットのデザイナーであったベルタンの有名なフレーズ)
僕はひとつのことを学びました。どのコーチのもとでも、たくさんの練習を積まねばならない、ということです。そしてそれはインナ・ゲルマーノヴナ(ゴンチャレンココーチのことを親しみと尊敬を込めた呼び方)においても例外ではありません。
練習のプランやトレーニングのプロセスが変わろうとも、それらの根本は変わることはありません。同じくらいの練習量で、同じような練習の日々です。
しかし、僕が言いたいのは、すべてのコーチには皆それぞれの個性がある、ということです。
インナ・ゲルマーノヴナは、特に個性的ですね-これは強調しておきます。



R:現在、成功しているシングルスケーター数人と一緒に練習していることについてどう考えていますか?


V:当然のことですが、気を抜いてはいられません。僕はマキシム・コフトゥンがこのグループに移ってきたことを喜んでいます。良きスパーリングパートナーがいる場合、彼を見つめることで自分が何かを得ることもできます。
僕たちは互いにはっぱをかけ合っているのです。それについて僕はマックスに感謝していますよ。



R:あなたは長いこと現役生活を送ってきていますね。やめてしまいたい、と思ったことはありますか?どのようにしてそれを克服しているのですか?


V:もちろんあります。スポーツにおいても、日常生活と同じように、諦めたい気分になってしまうことがあるものです。
陳腐な言い方になりますが、自分のしていることを愛さなければ。朝起きて、「僕はこれなしではいられないのだ」 と自分に言い聞かせそれを理解しなければなりません。
フィギュアスケート無しの自分の人生を想像することはできない、とは言いません。
けれども、僕はまだ現時点ではキャリアに終止符を打っていません。もっと正確に言えば、ここになくてはならないのは感嘆符なのです!


R:あなたの今シーズンの重要なモチベーションはなんですか?


V:まず今、僕は小刻みな足取りではありますが前進しています。エレメントを積み重ねて、一日一日ね。
大きな目標を持ってはいますが、それについては話したくはありません。そこに到達した時にこそ、それについて議論することができるでしょう。
具体的には、僕はこのシーズンにおいて、高レベルでの戦いにおいて競い勝ち抜く力を十二分に持っている、ということを証明したいのです。


R:あなたには多くの、成功した聡明な指導者がいました。それぞれの指導者から学んだ一番重要なことはなんなのでしょうか?


V:はい、それは本当のことです。
僕は優れたコーチたちのもとにいました。彼ら全員にとても感謝しています。特に、彼らの知識を共有することができたことに。
しかし、重要なのは僕がそれを理解したのはほんの数年前のことだったということです。
スポーツにおいては奇跡は起こりえませんし、勝つために助けてくれる魔法の杖もありません。努力、練習あるのみです。
自分がしていることに全身全霊を捧げること。それが、僕の鉄則です。


と、ヴォロノフは言った。


========ロシア語本文========

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さて、長くなりましたが、もう少々お付き合いください。先日、アンドレイ・シモネンコさんのテストスケートのレポートが上がっていました。

シモネンコさんのテストスケートレポート

テストスケートに参加した選手たちの論評が述べられていますが、とりあえずはセリョージャの部分のみ。

・セルゲイ・ヴォロノフ
フィギュアスケートの世界は大きく変化しているが、セルゲイ・ヴォロノフの演技スタイルは変わっていない。
プログラムは確固たる、本物の男性の演技である。しかし、そのスタイルは10-20年前のものだ。それにもかかわらず、ヴォロノフはクワドを跳んでいる(ソチでは2フットで着氷した)。
この春からゴンチャレンコのところでスタートを切ったセルゲイはやれる、つまり、ロシア選手権のメダル候補に残ることが可能である。
しかし、彼が更に高いコンポーネントの点数を得ることは困難であろう。



うーん、シモネンコさん、相変わらずシビアだなぁー。でも確かにセリョージャのスケーティングスタイルが古いタイプのものである、というのには私も同意です。エフゲニー・ルカヴィツィンコーチも、彼のグループの振付師であるワレンチン・モロトフさん(ジーマの「仮面の男」、アリサの「雨に唄えば」を振りつけた方)もインタビューでそう言っておられました。確かにジーマは古いスタイルの良さを残しながらも、新採点に適応したきっちりと点の取れるプログラムを作ってきていますよね。
しかし、この論評を読んで、上目遣いにニヤリっと笑って
「古い奴だとお思いでしょうが・・・・・・」
と言うセリョージャが浮かんでしまったのは内緒です(笑)

そして、セリョージャの初戦はオンドレイ・ネペラ・メモリアルに決定しました。いつも出ているネーベルホルン杯やフィンランディア杯は、JPSが第1戦のアメリカ大会である、ということで回避したのでしょうね。
頑張って欲しいものです。

さあ、あと心配なのは衣装だけだ!(笑)




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セルゲイ・ヴォロノフ:僕はそう悪くないパパになれると思うんですよ (インタビューⅢ)

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(2014年NHK杯より)

スポルト・エクスプレスのセリョージャのロングインタ、いよいよこれが最後となります。

1)セルゲイ・ヴォロノフ:自らの立ち位置は己の努力で手に入れる
2)セルゲイ・ヴォロノフ:僕は以前からずっと、“もう終わったスケーター”と言われてきた 

インタビュアーは、エレーナ・ヴァイツェホフスカヤ女史です。こうして読んでくると、女史は多分わざとなんでしょうけど、結構キツイ、というか意地悪な質問をしてるなー、とも思います。ただしかし、そのおかげで彼の本音めいたものが垣間見えて、とても興味深いインタビューとなっています。

今回もまたロシア語者の友人にチェックをお願いしました。いつも本当にありがとうございます。m(_ _)m


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<セルゲイ・ヴォロノフ:僕はそう悪くないパパになれると思うんですよ>


E:私は、ゴンチャレンコは練習量や態度においてとても厳しいコーチだと知っています。


S:厳しいのは確かに本当です。そして強い意志と強烈な性格も併せ持っています。これは、僕にとってはむしろチャンスだと感じています。恐れてはいません。我々は相当量の練習をこなします、陸上競技場のトラックで、そしてホールで。特にダンスレッスンはとても素晴らしいものです。言い換えればとても良い練習が出来ていると言えます。引き締まったとか、絞れたとかなどとお世辞を言われ始めるようにさえなりましたよ。
けれど僕は既にトゥトベリーゼのところで、僕の場合は練習こそが結果につながる、それ以外の何ものでもない、ということが身にしみていますからね。
若いうちは、エネルギーや才能を何かで埋め合わせることができます。しかし、年齢とともにその働きは止まります。ですから僕は今は、僕自身の身体を機械のように扱っていますよ。朝起きたら、エンジンをスタートし、暖気運転をしてから燃料を入れ、そして活動し始めるんです。

そして、練習は僕に爽快感と喜びを与えてくれます。15-16歳のアスリート達とともに滑っている時、僕も同じように若く、エネルギーに満ち溢れているような気分になります。自分の可能性に限界を感じることはありません。
毎日何か新しいことを知るとは言いません。けれど僕は、同じ世代の人たちが興味を持たないことに対しても興味を持ち始めています。
だけど時々、僕は自身の家庭をもったら、そう悪くないパパになれるんじゃないかと思うんですよ。ゴムでブレスレットを編んだり、コンピューターゲームについて説明したりできるしね。


E:あなたはコーチのメインの生徒であるエレーナ・ラジオノワからの嫉妬の感情を感じませんか?


S:おそらくないと思います。僕のこのグループへの移籍に関して、レーナがどんな反応をするか、ゴンチャレンコに聞いてみたんですが、それに関しては何も問題はないという答えを受け取りました。僕にとっては誰がそばで滑っていて、僕についてどう考えているかなんて、どうでもいいことなんです。
僕は、自分の立ち位置は、自らの努力でもって手に入れます。


E:あなたは既に次のシーズンの目標を設定していますか?プログラムではどういうことを表現したいと思っていますか?


S:詳しいことを述べるにはまだ早いかと思います。僕は、「自らをさらに向上させる」為には、練習や規律で、さらに強く自分を律しなければならないことを十分にわかっています。そしてその覚悟も出来ています。
残念ながら、チーム・チャレンジ・カップにおいて僕は、パフォーマンスに違いを見せるためには余りにも時間が短かったです。しかしすでに、セルゲイ・ベルビオとともに、スケーティングにおける多くの取り組みを始めています。
僕は今までこんなに「マケット」(訳注)を滑ったことはありませんでした。大雑把に言えば、僕はスケーティングの基礎を一から再び学んでいるのです。


E:まさか、前のグループで、あなたは「マケット」のプログラムを滑らなかったのですか?


S:我々はプログラムを滑る時、全てのジャンプを入れていました。それは異なるものです。
「マケット」―それは滑る事であって、ジャンプはありません。ですから、完全に異なる"滑り"です。
初めてそれをした時、僕は本当に、3回続けて通しでフリープログラムを滑ったような気分になりました。―本当に全身汗だくになりましたよ。
以前は、僕はスピンにはあまり注意を払っていませんでした。今は分かります。それぞれの要素は貯金でプラスか、マイナスだと。ですから、我々は多くの注意をスピンに払います。そのレベルと、レベルの正しさに関して。
僕がフィギュアスケートを始めた当時、とても残念なことに、「シコーラ」(訳注)で滑ることは全く受け入れられていませんでした。これは多大なる損失です。
しかし、どちらにしても、スケーターにとって重要なことはスケート靴で立つことです。ジャンプをする才能があるのなら、ジャンプを跳ぶでしょう。しかし、スケート靴でただしく立つためには自分で技術を習得しなくてはなりません。


E:誰があなたの新しいプログラムを作るのですか?


S:少なくとも1つはニコライ・モロゾフです。


E:予想外でした。


S:2013年に僕がモロゾフグループを離れたのは知っていると思いますが、その際、コーチに別れを告げに行った時に彼は言ったのです。
「セリョーガ(セルゲイの愛称)、人生は長い。君が今こうして私から離れていくことを決めたからといって、今までの私たちの関係を台無しにしてしまうのは馬鹿げている」
僕は、彼がいかに正しかったかがわかっています。今もって、僕はいつでもニコライに電話をして、どんな疑問についても彼と話し合うことができますよ。彼は、僕自身にスケートや音楽への理解、といったたくさんのものを与えてくれたと思っています。
ですから、僕は彼と共に競技活動をする機会ができたことに感謝しています、振付師と選手としてね。


E:男子フィギュアスケートで起こっているすべてのことにおけるあなたの評価はどういったものですか?


S:もちろん僕は盲目ではありません。そして、目隠しをつけられた馬車馬でもありません。ですから、僕は技術がどれだけ早い進歩を遂げているか、ライバルたちがいかに複雑化かつ高難度化しているかよくわかっています。しかし、僕はもっぱら自分自身のことのみに集中していました。
ところで、僕はガブリエラ・パパダキスとギョーム・シゼロンがジュニアからシニアに上がってきた時のことをよく覚えています。
彼らは上位選手たちのことはほとんど知らず、そして知ろうという努力もしませんでした。が、しかし、それは本当に素晴らしかった。
この上ない自分たちへの集中力でどんな結果が出たかというと、稀有な成績でした。


E:確かに。目標となるべき大会が絶えず行われている時、シングルスケーター自身においては、完全に自分自身に集中することは容易ではないですね、絶えず本数と種類の増加する4回転ジャンプ、継続して記録的な点数の出続ける成績・・・。


S:同感です。僕は北京で行われたグランプリシリーズ中国大会で、出場者の中で最も強かった中国人男子のボーヤン・ジンのクワドルッツに、非常に強い感銘を受けました。正確に言えば、ルッツジャンプそれ自体ではなく、こういった天賦の才能が有るために、彼はこれらすべてのジャンプを跳ぶことができるのだ、という事実にです。
しかし、だからなんだというのです?ロッカールームの椅子に腰掛け、肩に手を回して自分がそれをできないことに悲嘆に暮れろとでも?


E:ただ1つの問題は、あなた自身の中にある、技術を進歩させる才能がどれだけの大きさのものであるか、ということだと思います。あなたはこれについてどう感じていますか?


S:とても残念に思っているのは、オリンピックの年の終わりに、4回転ループを習得しなかったことです。僕はそのつもりでいました。しかし、僕の努力にも関わらず、グループ内では誰ひとりサポートしてくれず、「ノー」という答えが返ってきました。
僕はこのことについては既にゴンチャレンコと話をしました。そして我々ははっきりと二種類目のクワドを習得することに挑戦することは意義あることだ、という意見の一致を見ました。
僕にとってそれはとてもワクワクすることで、どっちがどうすごいのかなんて言えませんよ。19歳でクワドルッツを跳んでのけるボーヤン・ジンか、28歳にして新しいジャンプを習得するスケーターか。
今の僕にとって一番大事なことは、本当に競技をしたい、ということなのです。リンクに行きたい、そして演技を見てもらいたいのです。
そして比較するのはリンクサイドに座る9人(のジャッジ)です。

(了)

=====ロシア語本文=====


(訳注)これらは言葉通りの意味でなく、ロシアにおけるスケート用語のようなので、あえてそのままカナ書きをしました。
「マケット」ジャンプ抜きでステップ、スピンを入れてプログラムの確認をすること
「シコーラ」コンパルソリー
のことだと思われます。

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とにかく言いたいことはたくさんありますが・・・・・いやー、ベテラン、燃えてますね!
環境が変わり、いろいろ大変なことも多いでしょうが、頑張ってもらいたいものです。





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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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