還ってきた女王と生き延びた少年の鎮魂の舞

東日本大震災の被災者でもあった羽生君が優勝したNHK杯の会場となったアリーナは一時期被害者の死体安置所となっていた。

自衛隊が撮った2011・03・11


それで思い出したのがヴィットのリレハンメルのFS。

リレハンメル五輪でプロの復帰が条件付きで許され、「ジャンプのヴィット」「芸術性のヴィット」として2つのメダルを持つ彼女は再びリンクに還ってくる。

彼女が初めて五輪に出場し、金メダルをかけてもらったサライェヴォのこのリンクは、無名戦士の墓となっていた。
Katarina Witt (GDR) - 1984 Sarajevo, Figure Skating, Ladies' Long Program

彼女はカルガリー五輪の「カルメン」のイメージが強いせいか、「芸術性の~」と言われがちだが、サライェヴォ当時は2Lz-3Tをコンスタントに降り(練習では3Lz-3Tも成功させていたという)複数のトリプルジャンプを跳ぶ、当時では非常にジャンプを始め技術力に秀で、「ジャンプのヴィット」という評価の方が高かった。


しかし、彼女がカムバックを決めた頃、女子も既にトップは3回転ー3回転のコンビネーションを跳び、5種のトリプルを網羅する選手も出てきていた。そんな中、既に体力的にも技術的にも若い選手には勝てないだろう、と言われた女王が、なぜに再び還ってきたのか。

リレハンメルが行われていた時はあたかもサライェヴォ包囲戦のさなか。


そして、彼女がフリープログラムに選んだ曲は選んだのは
「"Where Have All the Flowers Gone,"−花はどこへ行った−」だった。

サライェヴォの女王でもあった彼女は、歓声が鳴り響いていたあのリンクが、無名戦士の墓となっていることを知らしめたかったのかもしれない。

Katarina Witt (GER) - 1994 Lillehammer, Figure Skating, Ladies' Free Skate



確かに災害と戦争、では大きく違うかもしれないが、たくさんの人々が命を落としたことには変わりはない。
そして、その場に縁を持っていたアスリートがパフォーマンスを行うことによって、その事件を風化させない、または知らない人にも提起する、ということは非常に大切なことだったと思う。

ヴィットも羽生くんも、十分すぎるほどその役目を果たした。


結果として羽生君は優勝を遂げたが、彼がたとえメダルをとることができなかったとしても、「あの災害から生き延びた少年がこうして世界の舞台に立っている」ということだけで被災地からの大きなアピールとなったに違いない。

本来なら、日本スケ連が日本での世界選手権をロシアが代替開催してくれた時点で世界に向けてアッピールしておくべきだったことではあるとも思うが、それ以上に羽生君はじめ選手たちがその役割を果たしてくれた、と思う。

ベガルタ仙台の活躍や、東北楽天イーグルスの存在など、東北からのスポーツを通じての発信は多い。

復興には時間がかかる。一時の沢山の寄付よりも、長く、忘れられずにいることのほうが大切なのだ。


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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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