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帰ってきたクワドラプル、その理由は

2002年、ソルトレイク五輪直後、セルゲイ・ヴォロノフの元コーチで現在はジャン・ブッシュのコーチであるアレクセイ・ウルマノフはこんなことを言っていました。

「しばらくクワドは停滞期に入るかもしれない。誰もがクワドを跳んでくれば、他の道にも活路を見出し、自らの技術の他者との差別化を図らねばならないから。そういったことは一度には出来ないから、一見技術的な停滞が起こっているようにも見えるかもしれない。しかし同じように高め合ってそのさまざまな技術に他の選手が追いついてきたとき、また高難度のジャンプが必須となる。そうやって全体の技術が高まってゆく」

そして、「これから伸びてくるであろう若手(当時のですよ)は?」と聞かれ、

「ステファン・ランビエール、ジェフリー・バトル、ブライアン・ジュベール」

と答えていました。奇しくも、「スピンのランビ」「スケーティングのバトル」「ジャンプのジュベール」と、明確な特徴、というか具体的に自らの技術にこだわりをもっていた選手たちであったことに驚きます。そして、彼らが揃ってフィギュアスケート史に名を刻むであろう選手となった事にも。

現在を見てみると、あまりの先見性に驚かされます。

当時の彼らです

ステファン・ランビエール ソルトレイク五輪 FS




ジェフリー・バトル 2001年 NHK杯 FS



ブライアン・ジュベール ソルトレイク五輪 FS




確かに、新採点システムが4回転ジャンプの減少に拍車を掛けた面もあります。

特に、2006年~2009年位は、クワドジャンパーに逆風が吹いている、と言ってもいい時代でした。

それは、こちらにも少し触れてあります。

加筆)P・チャンは転倒しても何故PCSが下がらないのか

スケーティング重視の風潮と相まって、クワドの基礎点は難度に比してかなり低く設定され、加点もなかなかされず(GOEの積極加点を、と言われ出したのはバンクーバー前のシーズンくらいから)、そして重要だったのは3Aの基礎点が上がったこと(他の3回転ジャンプはほぼ据え置き)と、2A以上のGOE+の係数が同じだった(現在では回転数に応じてかけられる係数が違う)ということです。

特に、男子においては一流ならばJrからでも跳ぶ3A(最近3AなしでJW優勝したのは2008年のリッポンのみ)で、これだけ高得点を貰えていたということは、クワドをハイリスクローリターン化させ、その分3Aが「お得なジャンプ」になってしまったのです。


そしてまた、クワドはどうしてもある程度の長い助走を必要としますから、TRにも関わってきます。となれば、PCSを鑑みれば複数クワドは入れにくい。そして加点ももらいづらい、となれば「跳び損」ともいえた時代だったのです。特に、SPにおいては、4Tー2Tと3Lz-3Tの基礎点がほとんど差がない上、加点のもらいやすさやミスへのリスクも考えれば、3-3を選択する選手が増えたのは当然です。

ですから、エレメンツの点数の変化やURの導入により、クワドがいれやすくなった、という面も大きいのです。


各エレメンツが点数表示されていますから、現在と比較してみてください。なんと、4Sの基礎点が10点なかった時代もあるのです。

セルゲイ・ドブリン 2006年エリック杯 FP



そして、現在。

高いPCS,そしてクワドを装備したP・チャンの出現により、「クワドを入れなければ勝てない」という時代が再びやってきた。これはリレハンメル五輪~長野五輪当時を思い起こさせます。

アクセルを含む6種のトリプルジャンプを揃え、中でも3Aを二本入れてきっちりとまとめれば勝てる、という時代から、エルヴィス・ストイコ、アレクセイ・ウルマノフ、マイケル・ワイス、アレクセイ・ヤグディン、といったクワドジャンパーが次々出現し、長野の翌シーズンからはSPにもクワドを導入できるようにルールが変わりました。
それが逆にジャンプ偏重を招き、コンパルソリーの廃止もあいまって、基礎技術がしっかりしないまま高難度ジャンプに挑戦したため、負傷などで選手生命を縮めてしまう選手も増えた。

新採点の導入は、ソルトレイク・スキャンダル云々よりも先に、こういった高まった技術の飽和状態に旧採点制が追いつかなくなってきていたことや、選手たちへの基礎技術の見直しを促すためであったと考えます。

そして、どんな競技でも、元となる理念や理想があります。それを理解し高みを目指して選手たちは評価を高めようと努力しているのだと思います。


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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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