ジャンプは山葵、だからこそ質の良いものを

キムヨナが次回のショーでGalaプロを発表するんだそうですが、それが「男装に帽子」という衣装なのでジャンプは入っていない、というコメントがつけられていました。

シルクハットにタキシード、ステッキ持ってびしっとポ-ズ決めたヨナ、なんてすっごくかっこよさそう!なんて思っていたんですが・・・なんか不評?

ジャンプがない、ということに対して
「フィギュアスケートを舐めてる」
「お客さんをバカにしてる」
なんていうコメントをちらほら見かけてビックリ。

いくらジャンプ厨の私でも、「ジャンプなし=フィギュア舐めてる」なんて馬鹿なこと考えたこともないですw
フィギュアスケートは文字通り「フィギュア(図形)+スケート」であって、氷の上に図形(パターン)を描くもの。そしてその技術を競うものです。ジャンプはあくまでもその演技の中のアクセントに過ぎない。
だからといって大切じゃない、ということではないんですよ。誤解の無いように申し上げておきますが。


それに、だって、Galaプロですよ?コンペプロじゃないんですから。

ジャンプなしのGalaプロなんていくらでもありますよ。
それに、ジャンプなしなんてフィギュア舐めてる、なんて言ったらアイスダンスは?シンクロは?ということになっちゃいますが。


ジャンプなしのショープロ、と言えばまず真っ先に思い浮かぶのがカート・ブラウニングの「ナイヤ」

Kurt Browning - Nyah


そういえば、トリノ五輪のサーシャ・コーエンのEXもジャンプなしでしたね。
Sasha Cohen 2006 Olympics Exhibition



そしてもうひとつ、カートの1991年のGalaプロ、「ジョニー・ギター」。これはラストに1つだけダブルジャンプが入っていたかな。
Kurt Browning 1991 Worlds Ex, Johnny Guitar


ニコ動版、こちらはアンコール付きです

この年のカートは3A2本、3-32つ、そしてコンボにはTコンボとLoコンボの両方を入れる、という素晴らしいジャンプ構成で優勝したのですが、そんな名ジャンパーでもある彼が敢えて、Galaプロではジャンプをほとんど抜いてきた、ということに大きな意味がある、と思います。

カートの優勝プロ



昔(確か伊藤みどりさんの現役時代)3A、3Aと大騒ぎするマスコミに、
「3Aは単なる演技のハイライトに過ぎない」
といった外国のジャッジの方がいて、大技主義の日本のマスコミからはだいぶ叩かれていたように記憶していますが、まさに「ハイライト」。されど、「ハイライト」なんです。
演技の中にピリッと少量、それも質の良いものを効かせるからこそ、その存在感が生きる。
FS4分30秒(女子は4分ですか)の中で、ジャンプの占める割合は助走を入れても30秒あるかどうか、というところでしょう。コンペプロでも、大多数の時間はスピンやステップ、MIFといったもので占められているわけです。

ジャンプ、それは演技の中にピリッと利かせるスパイスだからこそ、その質が問われるのです。

寿司で言えば山葵、のようなもの。そのジャンプを抜いてのプロを作成する、ということはいわばサビ抜きの寿司、ということですね。でも、サビ抜きで勝負できる、もしくはしようと思った、ということはそれだけネタ(スケーティング)に自信がある、ということですよ。
極論を言えば、eマークつきのジャンプやDGやURのジャンプは、チューブ入りわさび、いや粉ワサビのようなもの。一流の店ではけして使ったりしません。
だからこそ選手たちは皆、ジャンプの質の向上に心をくだいているわけです。

フィギュアスケートはあくまでスケートであって、アクロバットではないんです。

本当に上手いスケーター、というのは氷上で何もせずただ滑っているだけで美しいものです。カートしかり、トッド然り。そしてもう一人、高橋大輔君が「尊敬するスケーター」として名前を上げるシェイ=リーン・ボーン。彼女はもともとアイスダンサーですから、ジャンプはプロに組み込んでいません。それでもショーのたびに大喝采を浴びている素晴らしい選手です。



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う~ん、そうかなぁ

どらさん、お久しぶりです。記事更新が多いのは読者にとっては嬉しいことです!

今回の記事、大筋としてどらさんの仰ることはとてもよく分かるのですが、今ヨナ選手が試合に出場していないという現状を考えると、「ジャンプなしEX」にはファンとして寂しい思いを抱かざるをえません。

ヨナ選手の魅力のひとつは、間違いなくあのダイナミックなジャンプです。昨季は世界選手権のみ、今季は全試合にエントリーなしと、事実上引退状態にある彼女の素晴らしいジャンプは今、ショーでしか見る機会がないのですから、そのショープログラムをジャンプ抜きで作ると宣言されたら、やっぱり残念です。

例にあげてくださったショースケーターたちのジャンプなしプロは素晴らしいものに違いありませんが、カートは常に2~3種類のショープロを滑っていて、今もトリプルジャンプを披露していますし、アイスダンサーがジャンプなしのプログラムを滑るのとシングルスケーターがそうするのでは意味が全く違います。だってシングルスケーターがアイスダンサーと同等のフットワークをショーで披露できますか?

ヨナ選手が試合に復帰してジャンプをばんばん跳ぶようになったら、ジャンプなしのEXも大歓迎です。どらさんがカートについて書かれた、“そんな名ジャンパーでもある彼が敢えて、Galaプロではジャンプをほとんど抜いてきた、ということに大きな意味がある”というのは、そういうことだと思います。「跳べない」んじゃない、「跳ばない」んだ、というプログラムであるためには、どこかで跳んでいないと。

どらさんはもしかしたら、ヨナ選手のアンチとか「スケウヨ」「マヲタ」といわれるような極端なファンの感想へのアンチテーゼとしてこの記事を書かれたのかもしれませんが、私は純粋なフィギュアスケートファンの1人として、やはりジャンプがないヨナ選手のEXプロは残念だと感じます。長々と失礼しました。

はじめまして

初めまして。いつもブログを楽しませて頂いておりますが、今回思い切って書き込ませて頂きます。


ヨナ選手の場合は2008年の妨害騒動から何をしても気にくわない方が多いので
(少なくとも彼女から謝罪の言葉が出るまでは永遠に批判し続けるでしょうね)
言いたい人達には言わせておけばいいのではないでしょうか。

個人的に女子はジャンプよりもドーナツやI字など、柔軟性を駆使したエキシプロを観たいです…。
(コーエンは本当に素晴らしい選手でした…復帰は…厳しいでしょうね。悲しい)



それでは来季のメンショフの更なる進化を祈りつつ失礼させて頂きます。
(国別来てほしいですが、厳しいですかね?)

見てみたい!

日本人選手で言ったら、私は浅田選手、高橋選手、小塚選手のが見てみたい~。


スピンやスパイラルは有りで!!

ジャンプも好きですがステップも大好き!なので。

酔いしれてみたいなー。
浅田選手はトリプルアクセルに注目が集まってますが、最近のスケーティングの美しさ、表現力の高さにも目を引くものがあると思います。

高橋選手、小塚選手は言わずもがな、ですね。
プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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