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時の女神に抗う者たち ―ソルトレイクのベテラン

 競技者にとって、キャリアを重ねる、ということは、戦わなければならないものがもう一つ増える、ということでもあります。
 
 そう、それは“年齢”
 
時の女神は残酷なまでに公平です。どんな偉大なチャンプも、華やかなスターも、彼女の力には抗いえない。

その中をいかに生きていくか、それは人間性が試されることでもあります。そういった思いを強くしたシーンが、ソルトレイク五輪でありました。

フィギュアスケート男子シングル、エルヴィス・ストイコと、トッド・エルドリッジのベテラン対決。

周りは一回り近く年下の若い子ばかり。
同期やさらに若い選手たちが次々と引退(ウルマノフ)したり、プロ転向(キャンデロロ、クーリックなど)していくなか、アマチュア競技者としての自分にこだわっていきた彼らでした。

そして、エルヴィスはこの大会を最後に引退を決め、SPのプログラムに『Lion』(長野五輪で使用)、FSに『Dragon』(リレハンメル五輪で使用)をもってきていました。ああ、自分の競技者人生の集大成と考えているのだな・・と考えると、胸が詰まりそうでした。

SPでは、トッドはコンボ2フット、3Aお手つき、とジャンプにミスが出てしまい、エルヴィスは4-3のコンビネーションの4回転でステップアウト(しかし、セカンドジャンプは成功)。2人とも、最終グリープ入りはなりませんでした。

そして、1位ヤグディン、2位本田。成績だけ見れば、やっぱり年ね、なんですが、とんでもない!

 やっぱり、ベテランの円熟味はさすがです、魅せてくれました!

 『スケーティングの王様』 トッドの端整でしなやかなエッジワークには息を飲むばかりでした。そして、なんと、トッドは、4回転のコンビネーションに挑戦してきたのでした。この当時は「空中戦時代」とも言われたジャンプ偏重の時期。クワドがない、ということはそれだけで技術点を下げられてしまう時代だったのです。30歳を超えた、元世界王者のさらなる挑戦でした。
Todd Eldredge (USA) - 2002 Salt Lake City, Men's Short Program


『ジャンプの王様』 エルヴィスの高さとスピードは相変わらず。コンビネーションでステップアウトしても、きっちりセカンドジャンプを決めてくるところは、まさにジャンプの王様の面目躍如。そして、圧巻だったのはステップでした。高いジャンプの入った、スピード感あふれるダイナミックな動き、間に挟んだ高い跳躍、細かいステップワーク。まさに、
「俺はジャンプだけじゃない、足技でも魅せたる!」
という感じの気迫のこもったステップでした。
Elvis Stojko (CAN) - 2002 Salt Lake City, Men's Short Program


この時点で私は、最終滑走者6人が誰かも、メダルの行方もどうでもよくなっていました。(ごめんよ、タケシ)


そして、FS。最終前の組。もう、この組だけでお腹いっぱいになりそうなくらいメンツが豪華でした。SPのコンボが4-2になってしまったマイク、そして現在、町田君のコーチとしてキスクラにいるアンソニー・リュウもいました。私的にはあとミン・ジャンが入っててくれたら本当に完璧だったのにw

1,2番、と続いて滑走したトッドとエルヴィス。

円熟、という言葉がぴったりの、彼ならではの美しいスケーティング、そして、再度の4回転への挑戦を見せてくれたトッドが競技を終えて、晴れ晴れとした笑顔で観客に答え、リンクを振り返って別れを告げるように小さく手を振ると、リンクサイドに控えていたエルヴィスにまっすぐ向かってゆき、小さくタッチ。。
そして、リンクから上がるトッドの肩越しに見える戦いに向かうエルヴィスの後ろ姿・・・



 
何もいわずともわかる、同じ時代を築いてきた、二人の王者の激励と賞賛でした。

そしてエルヴィスのFS。聞きなれた『ドラゴン』のメロディーにのって、演技が始まると、もう私はうるうる。
4-2-2のコンビネーションを決めたところでぼろぼろ。
思いのこもったスロー・パートでうるうるうる。
 
 ラストの、本当に晴れ晴れとしたすばらしい笑顔に、もう涙、どばー!


 
 あんなに素敵な笑顔で競技者生活の最後を迎えられるなんて、なんて素晴らしいことだろう。
 ファンとして、心底嬉しかった。そして、一人の人間として、うらやましかった。

本当に、悔いのない選手生活だった、と思えたんでしょうね。長野五輪のエルヴィスはインフルエンザや足の故障など受難続きで見ててつらかったから、ソルトレイクのこの笑顔が本当にうれしかったです。

日本ではこの時、実況アナが
「ジャンプの王様は最後まで挑戦をやめませんでした」
といっていましたが、まさにその通りなのだったろうと思います。29歳11ヶ月にしてクワドチャーリーを2本、そしてクワドルッツにさえ挑戦しようとしていたのですから。(タイミングが合わなかったのか3Lzに変更していましたが)


そして、この賛辞はトッドにも。

「ジャンプの王様とスケーティングの王様、二人の王様は、最後まで挑戦をやめませんでした」
 
この素晴らしいアスリートたちに、本当に心からそう言いたい、と思ったのでした。

 
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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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