みのるのつぶやき(フィクションです) そのⅠ

久方振りの更新です。たまには悪乗りもいいかと。ちょっと遊んでみました・・・(笑)

みのるは、仕事を終えて歩きだした。

「さまぁーっす」
という間延びした若い男性の声が後ろから聞こえる。

急に冷たい風が吹いてきて、首元を冷やした。慌ててコートの襟を立てる。リンクとはまた違った寒さと寂しさとが急にみのるの心を襲った。

・・・・・これでよかったのだろうか・・・・・

「すごいですね。フィギュアブームですね」「また視聴率取れますよ」といってはくれるものの、、TVで映してくれるのは女の子ばかり。

男子はオマケなのか?

「え?男子ってあったんですか?」と言われたことすらある。
今日の放送でも、放映時間が割かれたのは圧倒的に女子ばかりだった。

骨身を削り、限りある時間を割いて頑張っているのは女子だけじゃない。世界の表彰台に手が届きそうなのも女子だけじゃない。だのに・・・
こんな歪な状況でいいのだろうか。こんなフィギュア界にするために俺はいままでやってきたんだろうか・・?

BGM以下、これを聞きながらどうぞ

そうだ。俺が青春をかけたものはそれだけじゃないはずだ!
ひらひらキラキラする女の子は確かに綺麗だ、しかし!と思わずみのるはこぶしを固く握りしめた。
男子にも別の魅力があるんだ。

今でこそ老眼鏡が手放せなくなったみのるだが、目を閉じれば都築先生の顔が浮かんでくる。

「東京ワールドが決まったぞ!そこでお前は3Lzを決めてメダルを取るんだ!」

俺の顔をの覗き込んで、引きちぎらんばかりにがっちりと俺の腕をつかんで揺さぶった先生。
あの瞬間は今でも忘れられない。
あの時の先生の燃えるような眼差し・・・・
照れ隠しに、「せんせえ、痛いよ」なんて言ってしまったが。

「みのる、お前なら跳べる、メダルが取れる!皆でフィギュアの裾野を広げてゆくんだ。スケートはお遊びじゃない、スポーツなんだ。ダイナミックな男のスポーツなんだ。お前はメダリストになるんだ。ヒーローになるんだ。ひとりのヒーローが誕生すれば、みんながそれを目指す。そうやって、フィギュアスケートの裾野を広げてゆくんだ」
熱く語った都築先生。

脇にいたみつるは、
「俺は3Aを目指すぞ。ともに頑張ろう」
と笑った。

みつるは、「スーパーアクセル」と異名をとる素晴らしいジャンパーだった。みのるとみつるは、日本チャンピオンを争うライバル同士だったのだ。
「負けないさ(あ、でもちょっと顔では負けるかも)」
と、みのるは笑顔を返した。

都築先生とみのるの間では、それから来る日も来る日も厳しい練習が続いた。そして、とうとうワールドの日が来た。

滑走順を待つ間、みのるは足が震えるのを抑えることができなかった。何度も練習した代々木体育館のはずなのに。まるで、世界中の全てが自分の胸に向けて崩れ落ちてきそうな気がした。

「ミノーヌ サノ!」

名前を呼ばれ、リンクに出てゆく時までは、まるで心臓が世界中に響きわたるかのように鳴り響いていたのに、スターティングポジションを取った瞬間、嘘のようにそれは静まっていた。

Minoru Sano 1977 World Championships FS
http://www.youtube.com/watch?v=yZ5qaY92LSs


最後の礼を終え、キスクラに戻ってくるまでは冷静だった・・ようにも思う。しかし、先生たちの顔を見た瞬間、俺が俺でなくなった。まるで、獣の遠吠えのような声をだして俺は泣いていた。そして、「人間の、それも大の大人が、こんなに大声で泣き叫ぶことができるのか」と、そんな光景を冷静に見ていたもう一人の俺もいた。
「よくやった!」「もういいんだ、泣けるだけ泣け」と、先生方は口々に言いながら、俺の背中や腕を叩いた。

 <続く・・・かな?>



佐野御大、すみませんすみませんww でも、単なる居酒屋オヤジなんじゃないんだ、と分かってもらいたいんですぅ~


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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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