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SPの存在意義 Jr.とSr ―羽生とドミトリエフの例に観る

以前から書こうと思っていたテーマなのですが、先日、興味深い事例ができたので。

フィギュアスケートに興味をもった方が、まず不思議に思うのはSPとFSの違いだと思います。ただ、時間が長いだけ?と思われがちなこの2つですが、実は採点の根本が違うのですね。

必須要素として7つの要素が定められ、それをミスなく「行わなくてはならない、かつやり直しは許されない」SPと、
要素数の上限が定めれてていて、それ「まで行なってよい」FS.

そして、定められた要素をいかに出来栄え良く行うことが出来るか、を競うのがショートプログラムです。ですから、2分50秒の中に、ジャンプ、ステップ、スピン、といったフィギュアスケートの原点とも言える技術が散りばめられています。そして、大きな特徴が
「合計点が同点ならば、技術点の高いほうが上位となる」
ということ。
そして、FSとは点数の付き方も違います。例えば、3A、あるいは2Aがすっぽぬけて1Aになってしまった場合、SPでは問答無用で要素抜けでGOE-3のケースがほとんどですが、FSでは、「1Aとして優れていたジャンプであるならば(入りの工夫がされている、など)」、加点がつくこともある。よく、ここをごっちゃにして「○○選手にはすっぽ抜けでも加点が付いた、陰謀だ」などという方がいますが、そういう違いがあるんです。

それから、Jr.の場合には、単発ジャンプに規定があるなど、さらに制約が多く、BVに差がつきにくくなっています。GOE加点、減点が勝負を分ける、と言ってもいいかもしれません。


この2つの演技を見比べていただきましょう。

CoCのSP,羽生君
Yuzuru HANYU JPN Cup of China 2011 Men SP
http://www.youtube.com/watch?v=6nSihTWuRMw&feature=fvst



そして、こちらがJGSのドミトリエフJr.
6 Artur DMITRIEV (RUS) - ISU JGP Trofeo W.Lombardi 2011 Junior Men Short Program
https://www.youtube.com/watch?v=V40tt7CcJzI


2人とも、最初のコンビネーションの着氷がいまいちだったためか、最後のステップからの単発ジャンプの方にセカンドをつけてリカバリーしています。

しかし、Jr.であるドミJr.の場合は、これが許されないんですね。
この大会のプロトコル
今年のJr.のSPのステップからの単発ジャンプは3Lz、と決まっていましたから、セカンドつけた時点でキックアウト。綺麗に決まったはずの3Lzコンボが0点。
シニアとジュニアの掛け持ちをしている彼ならでは、のルールの勘違いミスだったのだろうと思います。3Lzを降りてセカンドをつけようとトウを付いた瞬間、やめろー!と心の中で叫んだのは私だけではないでしょう。

ドミJr.はジュニアカテで行くことが決まったのがナショナルチーム決定直前だったようなので、おそらくオフシーズンはシニア向けの練習を積んでいたんだと思われます。だから3Fに3Loが付けられなかった時点で、ラストのLzにきれいにセカンドを、というふうにスイッチ入っちゃったんでしょうね。安全策でチャーリーで、といった計算もしていたかもです。
なまじシニアの試合も経験しているが故のミス、というべきかもしれません。
しかし、彼の能力なら最初のあの3Fの後にたとえターンが入ったにしてもセカンド2Tならなんとか付けられたろう、と思うだけに余計に残念です。

そして、羽生君の演技でもわかるとおり、シニアならこのリカバリーでOKなんです。

ドミJr,後ろの3Lzコンボも綺麗に降りられていて、採点対象となっていたなら間違いなく加点がついていただろうと思うだけに、つくづくルールの勘違いミスが悔やまれますね。 とにかく、Jr.のうちはリカバリー考えるより、1つ1つの技術をしっかりと身に付けなさい、ということなんでしょうが・・・
3Lz自体はきっちり決まっていましたから、セカンドつけずに置いたほうが、点数自体は高くなりましたよね。僅差の試合でしたから、ルールの解釈ミスが勝敗を分けた、ということになりました。

けれども、このドミJr.のSP構成(3Fー3Lo、3A、3Lz)は、クワドが許可されないJr.としては最高の構成なんですね。前回のポーランド大会ではLzがダブってしまっていましたが、セカンド3ループは綺麗に降りていました。昨年のナショナルでは、3Lz-3Loを綺麗に降りていましたから、おそらくすべてのジャンプにセカンド3Loをつけられるんでしょう、男子では本当に稀有な選手です。

そして、彼の場合、FSでは「クワド、セカンドLoコンボ、セカンドTコンボ、3A2本、トリプル全種 in 1プロ」 の可能性が今年はあります。ジャンプとしては素晴らしいウェルバランスのプログラムです。なんとか実現して欲しいものです。

ドミ息子のFS.
22 Artur DMITRIEV (RUS) - ISU JGP Baltic Cup 2011 Junior Men Free Skating
https://www.youtube.com/watch?v=8sSEUzlDnY4


おそらく最初の3Tがクワドになるはずです。なんとか、シーズン中に成功させて欲しいものですが。


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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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