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スポーツに絶対はない―NHK杯男子シングル報道への私見

Osaka179.jpg
(ベテランが揃って自力を発揮したNHK杯男子表彰台)

今回のNHK杯の男子シングル報道で、日本のスポーツ報道の脆弱さがあらわになった気がする。
とにかく「日本人の」スター選手に頼りきり、勝っても負けてもその選手一辺倒の報道。現在はそれが羽生結弦だ。彼が直前棄権したことで、現場のテンションは明らかに下がり、歴史ある大会の報道としてはひどいものとなった。解説の織田信成氏は一生懸命やってくれていたと思う。
「羽生結弦がいないことで残念な大会となりましたが」←これも選手たちに非常に失礼だと思うが
いうようなことを素で(!)サラッと言ってしまうアナウンサーに
「いえ僕は別の意味で素晴らしい形の大会だったと思います」と言っていた。
ここまではまだいい。実際、絶対的な優勝候補がいなくなったのは確かなのだから。許せなかったのは、アナウンサーが織田氏のこの言葉をスルーしたことだ。
それならば、織田氏のみた「この大会の素晴らしさ」とは一体何だったのか、を突っ込んで聞いて欲しかった。それだけでも大会後の印象はだいぶ違っていただろう。

結局NHKは、「羽生ありき」で、彼しか伝えるつもりはなかったんだな、結局ほかの選手は添え物なのか、という感を強くさせてしまったこの会話だったと思う。だから、羽生の棄権の原因となった転倒シーンを何度も流すしか脳がなく、羽生ファンにすら反感をかってしまうこととなったのだな、とある意味納得はした。

このNHK杯は、「NHK」という名前を冠していることもあり、報道はこの局が中心だ(というかほとんど独占状態だ)。それにあぐらをかいてはいなかったか?
NHKのおエライさんとしては、「人気ある羽生結弦を独占中継できる、視聴率もガッポリでヒャッホーなイベント」としか思っていなかったのではないのか?

羽生が優勝⇒やっぱり羽生強い!五輪金だ!
羽生が2位以下⇒羽生敗れる!でも五輪には立ち直って金だ!(羽生の上にいった選手にスポットは当たらず、「敗れる」一辺倒だったと断言する)

このどちらかで行けばいい、と考えていたに違いない。しかし、スポーツには何があるかわからない。(正直、私はNHKのこの奢りをスケートの神は見ていた、と思った。)
羽生結弦の、公式練習に於けるアクシデントで直前棄権。絶対的優勝候補のいない大会となった。

これをどう料理するか。

NHKスポーツ局の腕の試される大会であったのに、彼らは「羽生いねー、どうしようどうしよう」で、その努力すら放棄した。

「羽生がいないことで、大会の行方がどうなるのか」に視聴者の興味を転換させることすらせず、「羽生は棄権しました」で彼の転倒シーンをしつこくながし続け、ファンからすら反感をかうこととなった。

SPが終わっての順位は写真のとおり
小DOR-6HbX4AAJ9t_

ショート1位だったセリョージャは30歳、2位のビチェンコは29歳。FS当日に28歳の誕生日を迎えるリッポンもこのすぐ下につけていた。
「ベテラン頑張ってるじゃん、よし、この大会はベテランのがんばりにスポットを当ててみよう、お茶の間の共感も得られる、そして彼らの年齢になった羽生はどうなっているのか・・・・に夢を馳せてみよう」
こんくらいのことはフツーのファンだって考えつくよ?

そしてNHKが解説に呼んでいた織田信成氏も30歳。セリョージャとは何度も一緒に台乗りをしている。
(2009年CoC)
2978091_253101105_1large.jpg
(2011年ユニバーシアード)
Medalist_of_the_Mens_in_the_WUG_2011_Figure_Skating.jpg
織田氏に彼との思い出話を聞いてみるのも良かったろう。そしてセリョージャは2014年のやはり大阪で行われた同大会では2位となっていて、その時にも織田氏は解説をしていた。その時の彼と今の彼と、何がどう違い、何が変わっていないのか、語ってもらっても興味深かったはず。写真にしても、自局映像にしても、探すのは簡単でしょ?

ビチェンコはウクライナ―イスラエル、と所属替えを経て、23歳になってやっと充実した練習の場を得、そこからの努力でここまで来た。そんな彼の道程を紹介することだってできたろう。

リッポンは、奇しくも羽生の棄権原因となった4Lzにこだわり続け、転倒しても、回転不足を取られても、ボーヤンやネイサンといった若手に先に決められても、ずっと跳び続けてきた選手だ。今期のFSの構成にも入れている。(構成表出てたんだから分かっていたはずよね!?)

長くやっているベテランは、成功や栄光とともに挫折や苦悩、といった様々なものをその背に負っている。そういったもののひとかけらでも紹介してくれたなら、このNHK杯はとても興味深いものとなったはずだ。

どうしても日本人じゃなきゃ、というのなら急遽出場となった友野くん。彼の紹介のとき「昨年世界ジュニア選手権に出たことで世界との差を知り、それが転機となった」と言っていたよね!?
この大会にはその世界ジュニアでメダリストとなったドミトリー・アリエフ、そして同年代のライバルとしてこれからもしのぎを削っていくであろうライバル、デニス・ヴァシリエフスが出ていたんだよ!彼らは順位は下位だったかもしれないが、
「未来のスターたちが階段を登っていくところを我々は目撃しているのかもしれません」
といって紹介しても良かったじゃないか。

本当に、切り取り方によってはこれからのスケート界がどうなってゆくのか、を見渡すこともできる、本当に面白い男子シングルだったと思う。それだけに、羽生の欠場、というアクシデントで、あからさまにテンションの下がった報道しかできなかったNHKには猛省を促したい。

最後に、このひどい報道の中で、唯一、とも言っていい救いとなったスポーツナビの記事を上げておきます。ベテラン3人のコメントも交えて、彼らの姿がしっかりと描写された良記事です。ぜひ読んでください。
ああ、NHKがこの視点で放映してくれていたなら・・・・
「演技の質」重視するベテランの戦い方 ボロノフ、リッポン、ビチェンコが表彰台



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NHK杯は羽生結弦杯なのか

いつも読ませていただいてます。どうみたってNHKは羽生さんが棄権してから、「どうでもいいやこの大会。」って思ってた気がします。明子の部屋に男子シングル優勝者を呼ばないし、地上波のエキシビションの録画だって優勝して放映されたのはメドヴェージェワ選手だけでもはや男子シングルなんてなかったんだとしたっかたんですかねv-412織田さんに過去のエピソードを語って欲しかったです。

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一般の目

はじめまして。通りすがりに失礼します。
仰りたいことは凄くよく分かりますが、スケヲタ目線になりすぎてはいないかとヒヤヒヤしてしまいました。
正直、そこまでコアな競技ファンに向けた演出は地上波では難しいかと。
フィギュアスケートに限らず地上波で放送されるスポーツなんてあんなものだと思います。
日本人選手や日本チームが戦って勝つからこそライトなファンや一般視聴者は盛り上がり視聴するのが普通ですから。
そして大会当日に主役(と局が据えていた選手)が欠場になって七転八倒して放送にこぎ着けたことも容易に想像できますし、その点は同情して少し差し引いて見ても良いのではないでしょうか(準備が悪いと言えばそれまでですが)。
とは言え、まだまだマイナーな時代からフィギュアスケートを取り上げ盛り上げてくれてきた局だからこそ、人気になった今こそ更にこの先のフィギュアスケートを見据えた放送を期待したい気持ちも確かにあります。
そして勝者に対してあんまり失礼なやり方もどうなのとは思いましたね。
どんなジャンルも万人向けとコアファン向けのバランスは難しいものですが、人気選手がいるアドバンテージを巧く利用してくれるといいんですけれど。
長々失礼しました。
プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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