ミハイル・コリャダーのエイプリルフールは!?(インタビュー)―世界選手権2016


81832-9.jpg
(ミハイル・コリャダー、ワールドFSより)

今回のワールドで総合4位となり、ロシアン男子スケーターとして一躍名を馳せたミハイル・コリャダーくんのインタビューです。(ちなみに彼の名前“ミハイル”の愛称は、ミーシャ、ミーハ、ミーシカなどがあります。ミーシャ、が一般的かな。)
彼の赤い頬と高いトリプルルッツに、若かりし頃のイリヤ・クーリックを思い出した方も多いのでは。
といっても彼自身決してぽっと出の選手ではなく、ジュニア時代から将来を嘱望されていたスケーターではあったのですが、いかんせん怪我が多く・・・・
特にジュニアからシニアに上がる際の1年半を重度の骨折で棒に振る結果となってしまったことは残念でした。しかし、今シーズンから怪我が完治し復帰し、才能が花開いたのです。ロステレコム杯でも良い成績を修め、EXに出場していました。
解説をしていたセリョージャが、
「ライバルが増えることにはなるけれど、僕は彼が怪我を治して帰ってきたのを本当に嬉しく思っている。どんなに苦労していたかを知っているからね。心から祝福したい。」
というような事を言っていたのでした。

こちらワールドのFS


では、インタビュー行きます。ワールド終えた翌日のもののようです。
今回もロシア語話者の友人に協力を仰ぎました。いつも感謝してます。本当にありがとうございますm(_ _)m

インタビュアーはソヴィエツキースポルトのアンドレイ・シモネンコさんです。


++++++++

ミハイル・コリャダーは、世界選手権で4位という成績を修めて終えた翌日、記者に語った。その対話は正確かつ穏やかに組み立てられ、彼の成功を物語っているように感じられた。

<チャンに勝てたのが理解できない>

S:ミハイル、あなたは何をしたのか自分で分かっていますか?

K:僕にはわかりません。一体なんでこういうことが起こったのか。

S:どうしてパトリック・チャンに打ち勝つことができたのでしょう?

K:競技が終わっても、いえ、それよりも長いことずっと腑に落ちなかったです。

S:あなたは構成通りにエレメンツを行うことができたならば、良い成績を修めることができるとわかっていましたか?

K:はい。僕はすべてがうまくいけば、10位以内には確実に入れると思っていました。けれども、トップ10の中でこんなに上位だなんて!もちろん思ってもみませんでした。

S:ショートプログラムの後、あなたとマキシム・コフトゥンは来年の世界選手権ロシアチーム2枠確保のために戦わなくてはならないことが明確になりましたね?こういったことはプレッシャーにはなりませんでしたか?

K:正直言って、僕はそのことについて全く考えていませんでした。あなたがそれを言わなければ、枠のことなんて思い出しもしませんでしたよ。
とにかく、自分のやるべきことをきちんとやること。それ以外のことは考えませんでした。

S:ほかのやり方はないのでしょうか、大会に臨むにおいての心構えは?

K:得点や順位を考え始めると、多くの場合、大体が悪い方に行ったり、地獄を見ることになってしまいます。

S:ブラチスラヴァの欧州選手権のショートプラグラムは、そのパターンだったのではないのでしょうか?

K:いいえ、あそこでは点数については考えませんでした。あそこで起きたのはまた違ったことですが、それが何であったのかはわかりません。

S:ブラチスラヴァの後に出場したオーストリアの大会(注:ヘルムート・ザイブトメモリアル(ウィーン)、優勝)でも、ショートプログラムの出来が良くなかったですね。

K:ええ、本当に良くありませんでした。これはおそらくこれは欧州選手権の後、いつもの自分に戻るのに時間がかかったせいです。

S:その失敗は世界選手権の前に嫌な予感を呼び起こしませんでしたか?

K:いいえ。心の奥深くのどこかでは、僕は何を起こさなければならないのかはわかっていました。シーズンは上り調子と下り調子の繰り返しで出来上がっています。あそこで転倒してどん底を味わっておいてよかったのです、ボストンではなくてね。

<アメリカへの狂騒は30分で慣れた>

S:あなたはアメリカで大会の準備練習をすべて行いましたね?この国を訪れたのは初めてですか?

K:初めてで、しかも3週間もの間です。
僕は組織だってこの合宿を準備をしてくれ、僕たちを招き入れてくれたニーナ・ミハイロヴナ・モーゼルコーチに感謝しています。おかげで時差ボケをはじめとする環境の変化に戸惑うこともなく、目標としていた状態に練習で持っていくことができました。

S:アメリカは最初、多くの人々に仰愕を与えます。あなたの場合はどうでしたか?

K:基本的に、映画やショーの世界に出てくる、そんなアメリカを想像していました。

S:そしてどう思いました?

K:僕たちは大都市にいたわけではないので(注:彼らは練習拠点をニュージャージーにおいていた)、そこは静かで落ち着いたところでした。そう、ヨーロッパのようにね。
ニューヨークは、僕にモスクワを少し思い出させます。誰もが走り回り、全ての人が何かを欲し、車は狂ったように走り回っています。

S:休みの日には、どこかに出かけることができましたか?

K:そうですね、1度目の休日にはセントラル・パークに行き、タイムズスクエアに寄り、エンパイア・ステート・ビルに登りました。これで全部です。2度目の休日にはどこにも行きませんでした。

S:マキシム・トランコフはSNSでたくさんのアメリカの写真などを発信していますが、あなたのは静かですね。精神集中を図っているのですか?

K:ええ、でも何をアップする必要があるんでしょうか?
僕は特に何も写真を撮らなかったし、自撮りもしませんでした。だけど実際には多くの人が僕に「アメリカの写真を送って」と書いてきました。
僕は写真を送りました―。窓からの風景、駐車場の様子、そこに止まっている車などの。それで全部です。
そして訊かれましたよ、これは何?って。そして答えました、これがアメリカだよ、って(笑)
おそらく誰もがどこにでも摩天楼のようなビルがたくさん立ち並んでるのだろうと思っていたのでしょうけれど、ね。

S:つまりそれは友人たちには印象深いものではなかった、ということなのでしょうか?

K:週末のニューヨークから写真が送られてきた時には、きっと感動したでしょう。
でも、僕の場合、その「うわー、アメリカだ!」という「感動」というか「狂騒」は30分くらい続いて、あとは慣れてしまいました。


<クワドルッツは回りきれています>

S:あなたは世界選手権でショート、フリー、それぞれにクワドを1本づついれ、プログラムの中ですべてのエレメンツをきっちりと行って高いGOEのプラス点を得て4位になりました。
と同時に、合計6本のクワドを入れてきた中国のボーヤン・ジンに総合3点差(注、正確には3.02点)で敗れました。4回転の(訳注:本数の、の意か?)争いは必要ないのではないですか?

K:いいえ、これから僕は複数のクワドを入れていかなければならないと思っています。歴史を振り返れば、もう長いことプログラムにクワドを入れている人々がたくさんいます。現在もまた、複数のクワドを入れるべきという考え方が主流となっています。
そしてもしそれらを後半に行えばボーナス点を得ることもできます。

S:しかし6年前、エバン・ライサチェクは4回転ジャンプなしで、オンピックに勝利しましたね?当時とは傾向が完全に変わった、ということなのでしょうか?

K:おそらく。それとも、アメリカ人が出場した北米の大会だったからでしょうか?

S:ところで、厳しいジャッジングを受けるかもしれない、という懸念はありませんでしたか?

K: それは考えませんでした。もちろん、若干アメリカ人選手の点数が引き上げられるかも知れないことは予想していましたけれど。

S: しかし、結果としては、あなたにとっての場合は、そんなに怖いことはなかったわけですね?

K:はい。

S:あなたはとても高さのあるトリプルルッツを持っていますね?実際にはクワドルッツが跳べるのではありませんか?

K:ええ、それは現実的になっています。既に練習では試しています。あとはさらに精度をを上げてゆくことが重要です。成功したら、動画をSNSにアップしますよ。

S:完全に4回転、回りきれていたのですね??

K:ええ。ご覧になりたければ動画をお見せしますよ?

S:信じます。しかし、完璧な着氷ではなかった?

K:ええ、転倒してしまいました。

S:フリースケーティングで何本の4回転ジャンプを降りることができるでしょうか?ボーヤン・ジンは既に4本のクワドをいれてきていますね。

K:それは難しい質問ですね。全ては順を追って行わなければなりません。どの選手にも、誰しも各々限界はあるのですから。

S:あなたは、4月1日に、フリースケーティングを滑りましたね?折しもその日はエイプリルフールでした。みんなを騙しましたか?

K:ええ、僕はみんなを騙しましたよ(笑)


=====ロシア語本文=====

+++++++

ここで、記者のシモネンコさんがエイプリルフールのことを問いかけていることからもわかるように、ロシアでも4月1日は周りをペテンにかけたり、騙したり、して驚かせる日です。張り詰めていたであろう試合の日でも、ジョークを言って騙したりする余裕があったことが、彼にあれだけの素晴らしい演技をさせたのかもしれませんね。
怪我で長いこと雌伏を余儀なくされていた彼ですが、その分精神力は強いものを持っている、と思います。
来期のコリャダー君の、さらなる飛翔が楽しみですね!



↓ポチよろしく、更新のモチベになります
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

コメントの投稿

非公開コメント

翻訳ありがとうございます

面白かったです。特に写真を送って「これは何?」のくだり。
なかなか落ち着いたというか人を食ったところがあるのかしらん。これからの活躍が期待できそうで、楽しみです。
プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

カレンダー
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
スポーツ
527位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ウィンタースポーツ
28位
アクセスランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

拘りと屁理屈
検索フォーム
カテゴリ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR