アレクセイ・ウルマノフ - フリルの影にあった鋼の意思と金剛石のプライド

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アレクセイ・ウルマノフの現役時代を覚えてる方・・といえばやっぱりあの、リレハンメル五輪の衣装、だろうと思うw。
そう、これだ。

あの印象的なエリザベスカラーのSP(当時はテクニカルプログラム)。えええー!と思った人も多かろう。
五輪本番の動画が残っていないので、EXのものを。
[HD] Alexei Urmanov - 1994 Lillehammer Olympic - Exhibition

友人曰く、「こんな美形なマントヴァ公なら、心変わりする女なんているわけないわよ!」(笑)

そして、フリー。
Aleksei Urmanov (RUS) - 1994 Lillehammer, Figure Skating, Men's Free Skate


当時、この衣装について
「華美に過ぎるのではありませんか」
といったマスコミに、
「これが私の魅力を最も引き出してくれる衣装だと思っています」
と答えていた、というウルマノフ。

そして、リレハンメルでは、エルヴィスやキャンディロロを抑えて、金メダルを獲得した。
しかし、マスコミの論調は「退屈なクラシック」「ジャンプ構成の劣るものが金メダルというのはおかしい」というシビアなものであった。
3-3のコンビネーションもクワドもなかった、ということで、特に北米のマスコミからは「真の実力者はエルヴィスだ」という意見も多く見られた。

そして、1ヵ月後の幕張。
アレクセイ・ウルマノフ 1994年 世界選手権 フリー
Aleksei Urmanov (RUS) - 1994 World Figure Skating Championships, Men's Free Skate

ウルはこの衣装で、クワドに挑んでのけたのだった(結果は転倒、4位)

優勝はセカンドの3Tステップアウトとはいえ、ワールド初の4T-3Tを降りたエルヴィス、そして2位がゴッドファーザーのロロ、3位がザゴロドニュークだった。そして、この中で、クワドを跳んだのはエルヴィスだけ。
五輪と同じ構成で臨んでいたら、いや、セカンドトリプル入れるだけでも・・金は無理、としても、メダルは間違いなく取れていただろう、と思うと、ウルの意地、のようなものを感じざるを得ない。

そう、彼は五輪王者の意地として、それを良しとしなかったのだろう。人類3人目のクワドジャンパーの意地、でもあったろうとも思う。高身長ジャンパーの常(ウルの身長は当時182センチ、といわれていた)か、着氷がいまいち不安定で、その結果怪我も多かったウル。だが、わたしはその心意気に惚れた。

王者の【格】というのはこういうものだ。

結局彼は五輪金メダリストではあったが、この前年の銅メダル以外、ワールドの表彰台には縁のないまま現役を退いた。しかし、演技後に見せた笑顔と、そして激しさをも伴った鋭い目つきでの一瞬のガッツポーズ。きっと彼はこの演技に悔いはなかったのだろう。
しかし、表彰台にはわずかに及ばず4位。

けれども、この幕張の4位は、メダルを取るだけが勝者ではない、と当時つくづく思ったものだった。

転倒の減点が今よりはるかに大きい旧採点。そして、まだまだクワドを跳ぶ選手も限られていた時代。3Aを安定して2本入れることができれば、ワールドのメダルに手が届いたのだ。

ただ、このフリル衣装などで誤解されがちなのだが、決してウルはアーティスティックな面に頼った選手ではなく、技術でもとび抜けたものを持っていた。コンパル経験者ならではのスケーティングの素晴らしさももちろんだが、公式試合でカート、バルナについで3人目のクワド成功者であり、アルベールヴィル五輪では、お手つきとはいえ、ほとんど成功に近いクワドを跳んでいたのである。ホントに、佐野稔御大じゃないけど「見なかった!」といいたいぐらいのわずかなタッチダウン。
Alexei Urmanov LP 1992 Albertville Winter Olympic Games


 幕張のフリル衣装でのクワドは、自らの技術にプライドを持っていたがゆえの挑戦であったのかもしれない。

そして、クワドを入れたウルマノフの最高のプロ、といっていいのがこれだ。
ウルマノフ サーカスの女王(4t入り) 1997年


中盤の3Lzと3Aがダブルになっているが、そのリカバリーとして最終盤のジャンプシークエンス(確か2A-HL-3T)のところに3A-2Tを持ってきた。4分過ぎてだ!

まったく、優しげな顔してすごい根性してる、と当時思ったww

そして選手生活を終え、
「自分はショースケーターとして脚光を浴びるより、若手を育てたい」
と言い、テクニカルの資格をを取り、また、若手の援助、生育も意欲的に行なっている。教え子としてはセルゲイ・ヴォロノフが代表的だろう。ナショナルチャンプに育てられたナショナルチャンプ、かつクワドジャンパーに育てられたクワドジャンパーは多分未だにセリョージャだけだ。

そして、たとえ
「ノービスの女の子にでも、女王様に対するように敬意をもって接してくれる」
と、スケート合宿などでは非常に評判が高いらしい。



レニングラード包囲戦を戦い抜いた父祖をもち、ソ連崩壊の動乱の中でも決して選手生活を諦めることのなかった彼。Jr.のころ、「かわいい私の坊や」呼びをするミーシンに、
「私には親からもらったアレクセイという名があります」
と真っ向から反論してのけた、というのも信じられる話だ。


あのフリルに包まれていたのは、鋼鉄の意志と金剛石のプライドだったのか。



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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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