セルゲイ・ヴォロノフ GPS演技の変遷


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(Mikhail Sharov氏撮影)

先日、メンショフさんのGPS演技集をセレクトしてみましたので、今日はセリョージャでやってみようかと。
しかし、今年でシニアGPS挑戦10年になるのですね。ちなみに初年はジュニアとしての参加、Jrワールドもシニアワールドも掛け持ちして出る、というかなりハードな年でした。
しかし10年。男子が少年から青年へ、と変わってゆく時期にあることに加え、2度の五輪落選を挟みながらも一流選手の証、とも言えるGPSメンバーにとどまっている、というのはすごいことだと思います。


まず、初参戦の'06-7年を探したのですが、スケアメ7位、スケカナ10位、という記録は残っているものの、動画は残っていないんですね。まあ、この順位では無理もないか。
当時の彼の雰囲気を知るためにも・・ ロシア選手権です

'06-7 ロシア選手権 SP ラフマニノフ (19歳)


'06-7 ロシア選手権 FS パール・ハーバー (JrWCとWCでは黒のつなぎ衣装でした)



翌年、本格的にシニアにあがります。SPはラフマニノフの持ち越し、FSはピアソラのタンゴ。
前年の代々木ワールドでバトルとサンデュの演技にインスパイアされ、「僕もあんなふうに踊りたい、滑りたい」と主張する彼に、当時コーチだったウルマノフは「まだ早い」と大反対し、それでも聞かないセリョージャに、タンゴとしては異端、とも言われるピアソラのメドレーで妥協した、と聞いたことがあります。
また、この年は初のロシアチャンピオンとなり、1枠だったロシアのワールド枠を、1人で出場し7位となって2枠に戻した年でもあります。


初のシニアGPS表彰台となったTEB (20歳)
'07-8 SP(ラフマニノフ 2年目)

'07-8 FS (ピアソラのタンゴ)




そして翌年。扁桃腺炎を患っていてしょっちゅう熱を出しがちだったセリョージャのために、とオフシーズンに除去手術を行ったのですが、これが裏目に出ました。なんと、敗血症を併発してしまい、3週間寝込み、一時期は生死の境も彷徨ったのだそうです。国別対抗戦に来た際のインタビューでは、「ここにこうしていられるのも神様の思し召しでしょう」というような事を言っていました。そんなこともあってプロ作成が間に合わず、「FSはロマンチックなものにしたい」ということも果たせず、SPのみ作成。FSはタンゴ持ち越し、となったのでした。SPウルマノフの勧めでクラシカルなもの。衣装も相まって今までの彼とは雰囲気も変わり、ファンからは「なかなかいいじゃない?」との声もあったのですが、GPS後「ゴッドファーザー」に変更。だからこれは貴重な演技でもあります。
そして、前年後半からSP,FSともにクワドが安定し、クワドジャンパーの仲間入りをしたと言えるでしょう。

'08-9 スケカナ SP ヴァイオリンとパーカッションのための協奏曲 (21歳)


(とにかく数が多いのでサクサクいきます)


やってきましたバンクーバーシーズン。年齢的な面もあり、「この五輪こそ!」と師弟ともに入れ込んでいる、というのが伝わってくるプロでしたね、2つとも。磐石となったクワド、ジュニア時代から評判の高い高く美しいアクセル、安定したエッジジャンプ。あとは、いかに新採点にマッチングさせPCSをもらえるようにするかが課題でした。
この年のプロは本当に素晴らしくて、今でもFSの「シンドラーのリスト」はマイベストセリョージャかもしれません。
本当に、プロもどハマり、ジャンプもキレキレ、なんで五輪に・・・いや、言いますまい。

'09-10 SP 革命のエチュード(スクリャービン) (22歳)

FS シンドラーのリスト




ひょっとしたらプロ的にはセリョージャの黒歴史、だったかもしれないモロゾフ期にこの年から入ります。正直、「モロのミューズはセリョージャではなかったのだ」と思い知らされた期間でもありました。
SPは「ロクサーヌのタンゴ」FSはセリョージャが「アブトに憧れていてずっとやりたかった」というラフマニノフ。
しかし、初戦のCoCでFSを負傷によって棄権することになり、もう1つの大会にも出られず、結局残っているのはこのプロだけです。

'10-11 CoC ロクサーヌのタンゴ (23歳)





全年の棄権と欠場が響き、GPSポイントはなし。ユニバで台乗りしたものの、これはISUの記録にはならないので、 '11-12シーズンは1大会しか割り当てられませんでした。そして出来上がったプロは、といえば・・。そう、サッカーヴォーロと道化師ですよ!もう
完全にネタ化しましたねw ただ、モロを弁護するわけではありませんが、あのサッカープロは洒脱で小芝居が上手く、SSに長けた選手がやったら評価は高かったのでは?と思います。

ロステレコム杯 道化師 (24歳)





ひょっとしたらFOしてしまうのではなかろうか、という心配に駆られ続けていたモロゾフ期。しかしこの'12-3シーズンは違いました。憑き物が落ちた、というかスッキリした感があって、俺はこれからなんだ!というのがプロの選曲にも伺えました。セリョージャはEXの選曲でもわかるとおり、ロシアの、どちらかといえば泥臭い音楽が好きなようでそれがすごくハマるんですが、その反面ニーノ・ロータの世界にも親和性を持っています。(若い頃の彼に【太陽がいっぱい】をやってほしかった)

CoC ヤブローチカ(ロシア水兵の踊り) (25歳)

ロミオとジュリエット 

そしてこの大会で久しぶりに台乗りを果たします。
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エテリ・トゥトベリゼコーチのもとに移った初年、'12-13。年少の生徒たちに戸惑うも、いいお兄ちゃん、としての立場を確立した様子。
SP衣装は昨年の黒スケ半袖とともに、彼女さんのデザインだそうで、これらを着てる際には大きなミスや怪我がないため、私と友人はこれらをイージス(女神から遣わされた盾)と呼んでいます。ちなみに黒がⅠ、白がⅡ。
イージスⅡは、ジゴロだとかいろいろ言われたけど、私はこのプロ好きですよ。
そして、なぜか日本人解説者にはイマイチ評判の悪いセリョージャのタンゴ。
皆様口を揃えて「タンゴじゃない」「この振付には音楽がタンゴである必然性がない」とまでおっしゃいますからねえw
ただ、この年彼は、「タンゴという曲を用いて“捨てられた男”を表現する」と言っていたわけで、それはとっても成功していたと思うんだがな。
この年は前年の成績から1大会しかエントリーがなく、ロシアの自国枠をメンショフと争っていたのですが、FSの成績の良かったメンショフがロステレに出ることになり、セリョージャのこのシーズンのGPSはここで終わったのでした。

NHK杯 SP 2つのギター (26歳)

NHK杯 FS タンゴメドレー





そして昨シーズン。あの着た切り雀状態だったネイビーのノルディックセーターで話題を振りまいたのを始め、年下の海外選手にも優しく且つお茶目に接する様子がお茶の間にも流れ、「いいやつじゃん」などと好感度、認識度が上がったのは皆さんご存知の通りです。
プログラムも彼に合ったものが出来上がり(特にSP)、これはいけそう、という感じはしていました。シーズン初頭のチャレンジャーシリーズから調子は上がっていましたし。行けるんじゃね?とワクワクしながら見ていました。
そして、ロステレコム杯ではSP90点台をたたき出し、NHK杯ではダイス、無良君とともに台乗り。この風景が本当に微笑ましかったですね。(写真)
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ロステレコム杯 SP (27歳)

NHK杯 FS



そして、初挑戦から9年目にしてGPF進出!

「こんな素晴らしいメンバーの中で滑れるなんて光栄だし、とってもワクワクしてるよ!」と言っていたセリョージャ。
SPのトップ滑走で羽生がものすごい点を出し、興奮冷めやらぬ中リンクイン。それでもきっちりと自分のするべきことを決めてのけました。点数が出たあと、若干ブーイングが入っていますが、確かに私ももう少し点数出してくれても・・・とおもいましたw
GPF SP (27歳)

GPF FS

表彰式 

  

こうして通してみると、本当に顔も雰囲気も変わったなあ、と思います。男性が一番変化する時期なのかもしれませんね。
とにかく今季も、ステイヘルシーで、頑張ってもらいたいです。
セリョージャ、まだまだあなたの演技を、そして笑顔を見ていたいから。

そしてお願いします、セリョージャの膝くん、来期はおとなしくしていてね。肝心な時に暴れだしてご主人を泣かせることのないように!





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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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