改稿】「帰り来ぬ青春」を超えて「我が道」をゆく ― セルゲイ・ヴォロノフ国別対抗戦EX

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本来ならEXの写真を貼るつもりでいたのですが、この表情がとても素敵だったので。R-Sportsのものです。
この国別対抗ではセリョージャは終始ニコニコしていて、SP後に出た「来期のプロを考えている」という記事を知らなかったら「これで最後だからかしら」という誤解すら与えてしまうくらいでした。(実際そう思った方もいたらしく、ツイなどではそういった発言もちらほら。)
3日目の表彰式の興奮も冷めやらぬまま帰ってきてネットチェックをすると、セリョージャのEX出場のニュースが流れていたので、速攻で当日券目当てに走りました。日本ではどちらかというとコンペの方が人気があり、EXはどちらかというとイマイチ、というイメージがあったので(少なくても今まではそういう感じだったんですよ)ちょっと遅めに行ったら、甘かったですねー、すごい行列。
デニス、ハビーのin、そしてなんといっても前日に流れた「羽生のEXプロはパリ散です!」という情報がトドメだった感じですかね。でもなんとか入ることができました。

早速、着席して滑走順表に目を通すと・・・・
なんと、セリョージャの使用曲がシナトラの「マイウェイ」そして「君の瞳に恋してる」。そうきたかー。
お?これは新プロ?初お披露目か?とワクワク。と同時に私の頭の中ではリギーニさんのFSがぐるぐる。
セリョージャ・リギーニウィチ(バリエヴィッチ)・ヴォロノフか?とクスリ笑い。

演技がこちら(音入りのやつ見つけたので入れなおしました

[Int'l] Sergei VORONOV - EX (gala) World Team... 投稿者 v_mao_mao_v
シャツ破く?脱ぐ?という期待感を抱いた方も多いかとw
高難度ジャンプこそ入っていませんでしたが、楽しそうな笑顔で四方を煽りまくり、そしてイーグルも堪能させてくれて、前半では最も盛り上がったプロだったんじゃないかな。(贔屓目も入ってますが)

改めて見ると本当に楽しそうだなぁ。ぜひこれはみなさんに大画面で見ていただきたいです。

流して煽ってテキトーにジャンプしてただけ、という声もありましたが、ちょっと待ってよ、と。
それは悲しかったなぁ。・゚・(ノ∀`)・゚・。ー。

彼お得意のイーグルもたっぷり入ってたし(チェンジエッジ、ポジションチェンジのスムーズたったこと!)姿勢のいいキリッとしたスピン、曲によくあったキレキレのステップ、本当に素敵でした。
そして、EXにはあまりジャンプを入れないセリョージャが、(シーズン中はスケーティングじっくり見てもらいたい、というジャッジ対策でもあるのかな)比較的ジャンプ多めに組んできた、というのもジャンプ大好きの日本人客へのファンサービスかなと。
で、ジャンプ厨の私ですが、何が好きかって、クワドジャンパーがEXとかで見せてくれるトリプルジャンプなんであります。
ゆったりと余裕が有って、コンペとかとはまた違うゆとりと美しさがある。完璧に跳び上がってから回転し始め、回りきってから降りてくる。特に着氷後の流れをじっくり見せてくれるとゾクゾクしますね。
まさに今回のセリョージャのジャンプがこれで、彼の美しい着氷とともにジャンプそのものの美、をじっくり堪能しました。

そして、シーズン最後の滑りにこの曲を選んだ、ということでセリョージャの1つの決意のようなものを感じたのですね。
いわば、スケート人生の流れ、のようなものと言ったらいいでしょうか。ですから、帰り道で彼の演技を反芻しながら、なんかすごく重いものを感じたのです。
ちなみに彼の今までのEX
お誕生日おめでとう!セルゲイ・ヴォロノフEX演技集 (1)
お誕生日おめでとう!セルゲイ・ヴォロノフEX演技集 (2)

ビートルズとスコーピオンズが好きで、スケートするのが楽しくてたまらない、という少年がナショナルチャンプとなりユーロ出場、そしてスモールメダル獲得。家に帰って「なんかよくわからないけどすごいメダルとっちゃったみたいなんだ!」と叫んだという頃。
2008年ユーロ(4位) Still Loving You


そして、バンクーバー五輪選考落選、トリノワールドでの惨敗、という挫折を経て、やっぱりスケートからは離れられない、との意識を強く持つようになったのでしょう、2010-11、2011-12の2シーズン続けてナショナルで演じた「キャンドル・ライト」。
彼が尊敬している、というアレクサンドル・アブトの十八番のプロでもありますが、サビの部分は
「私の命の蝋燭が燃え尽きるまで歌い続ける」
といった感じの意味です。まさに、当時の彼の心情だったのかもしれません。
ロシア選手権 (3位) 2011-2012


そしてソチ五輪選考を控えてのロシア選手権。五輪出場はコフトゥンかプルシェンコであろう、という空気の中、ユーロ出場を控えて滑ったのがこの曲。「兵士の夜」
「戦わずして諦めない」といった意味合いの歌詞だそうです。そしてユーロのプレカンでは、五輪出場について聞かれ、
「五輪はすべてのアスリートにとって特別な意味を持つ大会です。それを目指そうとしないものがいるでしょうか?」
と微笑みながら、静かに語っていたのでした。
ロシア選手権  2013-2014


そして、ユーロでは初めてのISU選手権台乗りとなる2位。翌年も3位となって、連続の表彰台となりました。このユーロで2年演じたのが「アヴェ・マリア」この年から新しいコーチとなり、彼を叱咤激励して蘇らせ、再び花咲かせてくれたエテリ・トゥトベリゼへの感謝の気持ちが込められているのかな、と思ったりもしました。
欧州選手権 2013-2014


今シーズン。初戦となったネーベルホルン杯で4位、という出だしから、ずっと安定した成績を収め続け、NHK杯でもダイス、無良くんとともに2位で台乗り、自身初のGPF出場も果たしこちらでも3位。まるで大作映画の脇を固める名俳優のようなシーズンでした。
今年これまで彼がEXとして使っていたのが「帰り来ぬ青春」。シャルル・アズナブールとエルトン・ジョンのバージョンだと思います。
「あの時僕は若かった、そして尖っていて様々なものに反抗してきた。そんな思い出も時が経てば砂の城のように儚く消えてゆく。時は過ぎてゆく、あの頃の僕は若かった、そしてそんな日々に別れを告げる・・・」歌詞はこんな感じのイメージかな。日本では尾崎紀世彦や布施明、といった歌手が歌ってます。→尾崎紀世彦 帰り来ぬ青春

これはNHK杯の時のもの。WTTのEXとは対照的に、ジャンプを1つに抑え、じっくりとスケーティングとスピンを見せる作りになっています。私的には最初にゆったりと入ってるループターンの部分がとっても好きです。

そして、ろしあん解説が、「ソチオリンピック金メダリストであるユヅル・ハニューや、スケカナチャンプのタカヒト・ムラ、全米チャンピオンのジェレミー・アボットといったそうそうたる選手と戦ってGPF出場を勝ち取った」と言ってくれてる(らしい)のがとても嬉しかったのでした。


来期の展望を聞かれ、SP,FSとも新プロを作成する、そして新しいプログラムは西側に振付師に依頼したい、と言っていたそうで→こちらがインタです。いつもお世話になているユーリさんのブログロシアン・フィギュアスケート・フォレヴァ
セルゲイ・ヴォロノフ「新しいプロは「西側」で振付をしたい」

「西側」というところがソヴィエト・ロシアだなぁ、と思っちゃいますが(笑)でも、これはとてもいい選択だと思います。以前ヴァレンティン・モロトフ氏(ルカヴィツィングループのアシスタントコーチであり振付師)がセリョージャを評して、
「所謂“古い”スケートだ。ジャンプの入りのバリエーションも少ないし、助走も長くてつなぎ要素が少ない。これでは羽生やフェルナンデス、といった(北米拠点の)選手にPCSで勝てない」
と述べていたことがあって、まさに現時点の彼に不足しているのはそういった面だと私も思っていましたから。


この年齢に来て新しい挑戦、というのも戸惑いも多いとは思いますが、頑張って欲しい、と思います。
まさにこれが彼の選び取った「My Way」だったのでしょう。

どうか振付師とのマッチングがうまくいきますように。
そして、出来上がったのがどんな変プロだったとしても(笑)私はこの決断を支持するよ!


Давай  Серё́жа! 頑張れ、セリョージャ!


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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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