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セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(3) ―我慢とプライドのせめぎ合い

sergei_voronov.jpg


昨日の(1)です→セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(1) ―白皙の美少年が青年に―
続いて(2)です→セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(2) 挫折からの羽ばたき
こちらも合わせて→セルゲイ・ヴォロノフの欧州選手権の足跡 ― 初出場(2008年)から今年まで
ユーロを終えての彼のインタビューがこちら→ロシアン・フィギュアスケート・フォレヴァ(ユーリさん、いつもお世話になります!)

(2)までで、セリョージャがウルマノフから離れ、モロゾフについた事を書きました。みなさん彼について結構ご存知の方が多いのはこのモロゾフ時代からなんじゃないでしょうか。

サッカーボール、高橋くんと見まごうかのような「道化師」・・・・・・・・・

正直、モロゾフのところにいた頃は彼にとっての黒歴史なんじゃないかと思えるほどです。しかし、これもまた必要な時期だったのでしょう。セリョージャはあるインタで
「我々ロシア人にはアメは要らない。必要なのはムチだけだ。アメを必要とするのはほんの少しだけ」
というような例え話をしていましたが、まさにこの時期がセリョージャにとって「飴」を必要としていたのでしょう、精神的にも、肉体的にも。
実際、この時のコーチ探しの際にも、エテリ・トゥトベリゼのトライアウトもしていたそうです。まだ、時期ではなかった、ということなのかもしれません。

そして、2010‐11シーズン。

SPは「ロクサーヌのタンゴ」(モロゾフ、お前なー!!)
FSは「ラフマニノフピアノ協奏曲3」
これはセリョージャ自身の意志らしく、
「2002年から、ずっとやりたくて憧れてたんです。アレクサンドル・アブトがやっていましたから。そしてこれはラフマニノフがアメリカ公演のために創ったと聞いています。僕たちもこれからアメリカに行くことも多くなるから(モロゾフはこの当時ニュージャージーに主な拠点を置いていた)縁があるかもしれませんね」
と言っていたのでした。

セリョージャが憧れていた、というアブトのラフマニノフ


しかし、この年は序盤から怪我続き。カレンダーコンペも捻挫でSPのみで棄権。
GPSでも足の具合は良くならず、CoCでは冒頭のクワドに失敗し、靭帯断裂で棄権。




思わず目を覆いました・・・・・・。

しかし、言葉は残酷ですが、ISUが回転不足を厳しく取るようになったのは、こういった事故を防ぐためでもあったのではないか、と思ったのでした。高難度ジャンプを跳び、とにかく跳んで降りれば勝ち、的な風潮が出来ていましたから、自然と怪我も多くなって選手生命も短くなってきていました。カルガリー五輪の「ブライアン対決」の時のオーサーは27歳、ボイタノは25歳です。

この怪我が後を引き、GPSの残りの1試合も棄権することとなりました。そしてようやく間に合ったロシア選手権のFSです。


クワドありません、ルッツ、フリップもありません。しかし3A2本をきっちりと降り、この時やれるだけのことはやってのけた。1位のメンショフがコンボを1つノーカンにしたとはいえ、フリーのTESではトップでした。こういう我慢の行き方もあるのだ、と思っていたかもしれません。
モロゾフが生徒をたくさん抱えていたせいか、キスクラにいるのはクドリャーツェフ氏(現ロシアスケ連名誉コーチ)。
ジャンプはおそらく彼が指導していたのでしょう。

確かに、彼も跳びたかったでしょう、憧れていたアブトのように。セリョージャの美しいクワドを知るものには、冒頭の3Tが余裕過ぎて哀しくさえ思えます。
最終結果は4位。これで彼はユニバーシアードに派遣され、織田くん、ダイスとともに台乗りを果たしました。しかし、ISUのポイントはゼロ。翌年のGPS派遣は1試合となってしまいます。
「チャンスは1度しかない。だからそこで何とでも台乗りして、僕の力が落ちている、というのは間違いだ、と認めさせなけりゃならない」
と述べていました。


2012-13シーズン

前シーズンは「とにかく遅れを取り戻さねば」という思いからか、焦っては怪我、完治せずに取り組んではまたケガの悪化、を繰り返していたように思います。
サッカーボールプロに関してはこんなインタを残してます→ボクは氷上のサッカー選手になります!(テストスケート直後、動画もあります)
そしてあの衣装(特定のチームの衣装に似てしまってはまずいからでしょうか?)になったわけですか。w
ただ、モロゾフを弁護するわけではありませんが、このプログラムはスケーティングが上手くて小芝居も達者な、洒脱なタイプの選手がやったらすごく生きたと思うのですね。例えばバリエフ(現リギーニ)、アモディオといったような。そういう意味では選手にもプロにも不幸だった、と言えるかもしれません。

セリョージャもやはりピンと来なかったのか、周りが不評だったのか、後半にはプロを変えてきました。

やはりアブトのやった「アルメニアン」です。こっちのほうがはるかに良かった。滑り込んだこのプロを見たかったです。


そして同じ世界選手権。FS「道化師」


このプロに関しても言いたいことはいくつもありますが、この動画を上げるだけにしておきましょう。

思いっきりスタオベするトランコフが微笑ましい。というか、バンクーバー以降のセリョージャの悲しみ、苦しみを本当に知っていた彼だからこそでしょう。できるなら私も横ですたおべしたかった(笑)


2011-12シーズン

この頃から彼はメンタル的にも完全に立ち直ってきたように見えます。ただ、ウルマノフのところにいた時より、スケーティングが明らかに劣化(エッジの深さ、スピードなど)してきているのが気になり始めました。また、腕の動かし方など、基礎的な部分もおろそかになってきているようにも。
モロゾフは受け持っていた生徒が多く、その度に付き添って大会に出かけていくので、残された選手は自主練習、というような形だったようです(これは当時のリード姉弟のブログを見てもわかります。)
その中でセリョージャは年かさということもあって、アシスタントコーチ的役割(実際に生徒を教えるわけではなかったでしょうが)をになっていたようです。衣装など見てみるに、金銭的な面もあったのかもしれません。残していく生徒を監督してくれる分ギャラを安くするから・・というような(あくまでも推測です)

ただ、選手としては自分に打ち込んでくれるコーチが欲しいものです。打ち込んでくれて、叱咤激励してくれて、それでも上手くならないのなら諦めも付きます。自主練では限度があります。袋小路に入ってしまった時、ほんの少しでいいからアドバイスが欲しい。そういった人を求めてジプシーのようにコーチを渡り歩く選手もいます。
この頃のセリョージャからはそういったもんもんとした悩みが感じられました。EXなど見ても、雰囲気を出すのは本当に上手くなっているんですね。ただいかんせん、その技術がない、ということであがいていたようにも見えました。

2012 RN EX 「キャンドル・ライト」「私の命の蝋燭が燃え尽きるまで歌い続ける」といった感じの歌詞で、EXでよく使われます。もちろんアブトのお得意の演目でもありました。



2012-13シーズン

この年は、しょっぱなからなんか吹っ切れていたような気がします。度胸が据わった、というか。
とにかく今自分の出来るだけのことをできる限りやればいいんだ、というような。そして、コーチ替えも視野に入れ始めていたんじゃないかな。五輪のためにも、とにかく自分をステップアップさせなければ、と決心したんじゃなかろうか、と思います。

SPが「ヤブローチカ」(これも確かアブトがやってたことあったような)


FSが「ロミオとジュリエット」(全露)


そしてこの年、久方ぶりにGPSの台上に返り咲き(CoC)をはたしました。
512x.jpg

そしてシーズン後、彼はモロゾフに別れを告げ、エテリ・トゥトベリゼの門を叩いたのでした。一段高い道を、大きなステージを求めて。

<続く>


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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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