アレクサンドル・アブト ― 最強の三番手

サーシャと言いますと、アレクサンドルのロシア風の愛称ですが・・・このアレクサンドルという名前、アレクセイ(アリョーシャ)、セルゲイ(セリョージャ)、と並んで多い。おそらくロシアの男性スケーターの過半数がこの3つの名前でしめられるんじゃないか、って感じがいたします。

しかし、このサーシャ・アレクサンドルですが、この名前のスケーターって、結構影の薄い選手が多いんですね。不思議なことに。

抜群の技術を持ち、1984年のサラィエヴォ五輪では、練習の際にクワドを決め、1988年のカルガリー五輪ではコンパルソリー(規定)トップだったにも拘らず、サラィエヴォではハミルトンの明るさに、そしてカルガリーではブライアン対決の迫力とペトレンコの華やかさに隠れてしまった感のあるアレクサンドル・ファデーエフ。
彼に対する日記がこちら

美形で、スケーティングも美しく、手足長くてリンク映えする姿態、そして軽々とクワドも跳んでのけたにもかかわらず、ウル、ヤグ、プル、といった強烈な個性に負けてしまったかのように、いまいち大きなタイトルに縁のなかったアレクサンドル・アブト。           

ジュニアで華々しくデビューし,NHK杯で来日した際にはひさしぶりのロシアの王子様だ、と期待されつつ今いち一皮剥け切れてない、アレクサンドル・ウスペンスキー。                 

どうも、サーシャと言う名は影薄の傾向があるかのようです(笑)


というわけで、そんなサーシャに光をあててみました。今回は、サーシャ・アブト。

しかし、彼の場合、比較対象者が悪すぎ。稀代のロシアンモンスター2体(ヤグ、プル)でしたから。
サーシャの場合、ウルより2つ下、ヤグより2つ上、で、ヤグより3つ下がプル、というかんじだったかな。しかし、このヤグプル2人の天才が早熟だったために存在がかき消されてしまったような感じで・・・・切ない。

Aleksandr Abt (RUS) - 2002 European Figure Skating Championships, Men's Free Skate



これが↑私のもっとも印象に残っているサーシャの演技ですが、このときもヤグにはばまれ、2位。
これが表彰台。いやー、ジュベールが若い、可愛い。たぶんジュベールの国際舞台での初の表彰台じゃないかな。
2002 Euros Men Medal Ceremony

やぐを見つめるジュべの目が「はぁと」になってますよねw 去年のロシア杯の表彰台でプルの隣にいたこづを思い出しますww
当時当たり前のように国際選手権出場枠を3つ持っていたロシア。そのなかで、必ずといっていいほどヤグとプルが1.2位を占め、そのまま本戦でもトップ争いをしていた、という状況のなか、3番手争いのトップ、ともいえる位置にいたのがこのサーシャでした。しかし、このサーシャ、本戦に出てくれば必ず、といっていいほど最終グループ入りしていたわけですから、当時のロシアの凄さがうかがえます。
そしてこれがソルトレイク五輪のSP
Aleksandr Abt (RUS) - 2002 Salt Lake City, Men's Short Program

ソルトで最も美しかった4Tー3Tのひとつかもしれません。

エキシビの動画がいくつも残ってる、ということからしても、常に上位進出していた、ということがわかります。
というわけで、今回はサーシャのエキシビを集めてみました。

『マスク・オブ・ゾロ』
ウルマノフのファントムといい、仮面は美形の専売特許ですねww
Alexander Abt 2001 European Championhships Exhibition

未だに「もっとも美しいキャメリストの一人」と言われるのもむべなるかな、です。
そして、 顔がクローズアップされたところでおもむろに仮面を外す、というのはもう完全に反則技です(笑)

サーシャ、あなたもロシアンだったのね、というエキシ。
変衣装に小道具と脱ぎ、はどんなロシアン王子からも離れないもののようです。
Alexander Abt - Mambo - 2003 GPF EX

黄色い声が飛んでますねー、もう、ノリノリですww

ただ、このサーシャ、姓の【Abt】 はロシアには珍しいドイツ系のものらしく、現役時代に何度もドイツから移籍の誘いがあったようです。
しかし、
「ロシアで代表争いがキツイからと言って国籍を変えた選手で大成した人はいない。自分はこの争いの中でがんばって行きたい」
と言って、ずっとロシアにとどまり、モンスターたちに戦いを挑んでいたサーシャ。

結局最後まで大きなタイトルには縁がないまま(現役最後の年のロシアンナショナルが唯一、と言っていい彼の獲得したタイトルです)現役生活を終えます。銀メダル、銅メダルはおそらく数えるのがいやになるくらい持っていたのに。

長身(180cm)で手足が長く、リンク栄えする姿態、おまけに美形で。クワド持ちで。

アスリートにタラレバは禁句ですが、生まれた時代が異なっていたら、生まれた国が異なっていたら・・・・?

でも、きっと彼はすばらしいライバルを得た選手生活に悔いはなかったのでしょう。素晴らしいライバルたちを得たことによって、自分も輝くことができたのだ、と思っていたのかもしれません。
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もう、目がハートになります

いつか取り上げて欲しいと想っていたサーシャの記事。


幸せです~☆


本当に、考えてみると『アレクサンドル』って影薄ですね・・・。

ペアではサーシャ・スミルノフが頑張っていますが。

膝の故障やらなんやらを絶えず抱え続けてたんですよね。
04ロシア選手権、SPの後突然の引退。もう、ショックでした。

思えば日本の本田と同じく、彼もモンスターたちと同世代。
時代が違えばまた違った結果があったのかも知れません。

でも、Doraさん仰るように、彼自身ロシアで戦い続け、そうしたモンスターたちに真っ向立ち向かっていったからこそ、多くのファンの脳裏にいつまでも残るスケーターとなったのだと私も確信しています。


彼もまた、スケートの美しい選手でした。そして美しいのはスケーティングだけではありませんでした。
彼のキャメルはいまだに世界一、フィギュア史上(と言っても自分が知ってる中だけですが)もっとも美しいと確信しています。

すらりとした躯体をヒラヒラにつつんで滑ったラフマニノフはいまだ世界一美しいラフマニノフ、と断言いたします。

何よりお顔が美しい!!
いや、その辺はどうでもいいんですけど。


EXのマンボ、好きなんですよ~☆
両袖引きちぎってサービスしてくれるところなんか、巻き戻して見てました。


あと、
「カルーソ」「What a Wonderful World」(Doraさんも日記の方で取り上げてくださいましたね)
も好きです。


ネット史上最も美しい記事をありがとうございました☆

No title

数年前 プリンスアイスワールドにいらしてましたよね。
瞳が美しかったです。

No title

no nameさん>

ご訪問ありがとうございます。そうですね、かなり何度も来日してくれてましたよね。
これだけブームになっている今、ビッグネームばかりより、彼やトッド・エルドリッジなどのベテランのショースケーターをもっと呼んでもらいないなー、という気もします。

これまらもよろしくお願いいたします。
プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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