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SPの重さ -長野五輪とロンドンワールド

sk8can 2001 men


なんか、懐かしいメンツだなー、と思う方もいるかもしれません。右から、エルヴィス・ストイコ、アレクセイ・ヤグディン、トッド・エルドリッジです。

さて、なぜこのメンツを持ってきたか、というと・・・・・


いまだに今年のロンドンワールドの男子シングルの判定が尾を引いている感じで、挙げ句の果てには「デニス・テンに金メダルを!」の嘆願書を出そう、などという流れにもなっているようだからです。

最近見た中ではこういったもの
Petition Asks that Figure Skater Denis Ten Be Awarded a Retroactive Gold Medal

正直この記事に関してはソルトレイク・スキャンダルも含めたかなり扇情的な煽り記事だなー、というのが正直なところです。

そして、こういった流れと、この中のパトリック・チャン及び新採点システム批判の中にトッド・エルドリッジが名を連ねている、ということで私はどうしても長野五輪を思い出してしまいます。

もちろんこの記事はトッド批判ではありませんし、採点システムに異を唱えるものではありません。また、あの時このルールだったら、というタラレバはナンセンスだ、ということも当然わかって書いています。

ただ、こういったことがあった、ということも知っておいていただきたいのです。

1998年の長野五輪、男子シングルで前評判が高かったのは安定したクワドを決めてくる前年チャンプのエルヴィス、足の故障でウルマノフが欠場したものの、美しいスケーティングとクワドを持つイリヤ・クーリック、そしてクワドなし、とはいえ3Aの安定度は比類ないものがあり、シャープで安定した技術を持つトッド・エルドリッジ、前年ワールドデビュー、台乗りを果たしたアレクセイ・ヤグディン、天性のエンターティーナー、として人気の高かったフィリップ・キャンデロロといったところでした。
初のクワド持ちのチャンプが誕生するか、という大きな期待を持って見られていた大会でもありました。

そして、トッドはSP,この完成度の高い演技で3位、となります。

Todd Eldredge (USA) - 1998 Nagano, Figure Skating, Men's Short Program



一つ一つのエレメンツをまるで教則本のように美しくこなし、そしてそれが音楽との調和を形作っていました。
日本の放送で解説をしていらしたのは伊藤みどりさんと五十嵐文男さんでしたが、お二人共息を呑むようにして見つめていらっしゃるのが伝わってきました。
みどりさんがため息混じりに、「私はエルドリッジがトップでもおかしくない、と思ったんですけれどもね・・」というようなことをおっしゃっていたのは忘れられません。

ショート終了時点でトップはイリヤ、2位がエルヴィスでした。この3人は本当に僅差だったんじゃないかな、と思います。

そして、FS.
Todd Eldredge (USA) - 1998 Nagano, Figure Skating, Men's Free Skate



2本目の3Aがヌケてしまって1A、そこでトッドはラストに予定されていた2Aのとこであえて3Aを再チャレンジ、転倒、ショート5位だったキャンデロロに抜かれて4位に終わります。
片手に掴みかけていた五輪メダルがすり抜けていってしまったトッドの思いは察するに余りあります。
特に、この「ゲティスバーグ」はトッドのプロとしても名プロとして名高かったですから、ミスなくまとめればかなりのプレゼンテーションが見込めたでしょう。
クワドがない、ということで若干技術点が抑えられがちだったトッドですが、それでも当時はまだクワドを入れてくる選手はまだまだ少なかったですから、トリプル全種、3Aを2本(それも1本は後半)に持ってこられる、というのは評価されるべき技術力であったと思います。

ナンセンスである、ということはわかっていて繰り返しますが、これが現在の採点であったらどうなるだろう、と思います。SPでは4位以下とはかなりの差がついていたでしょうし、ヌケた1Aにしても1Aとしての採点はされ、転倒した3Aについても回りきっていたと思いますのでGOEのマイナス、Ded、はついたとしても、彼の他のエレメンツの完成度の高さからすればSPのリードを守りきって勝つことができていたのではないでしょうか。
そう、まさに今回のワールドのチャンのように。


当時のシステムではショートとフリーの順位点をプラスして少ないものが勝つ、という形でしたから、いくらSPで飛び抜けた出来であっても、それは下位選手との差には反映されなかった。逆に、ある程度上位に付けておかないと、どんなにいい演技をしたとしても逆転は不可能でした。
現在のように、フリー第一グループで漬物石、そのまま大逆転、なんてまずありえませんでした。
メダルを取るためには最終グループ入りが必須、特に金を狙うなら上位3位には必ず入っていないと、という感じでした。


そういう意味ではわかりやすかったかもしれませんが、下位からの逆襲、というスポーツらしさがない、とも言えました。

新採点となり、SP,FSの合計点として争われる、となった時の利点のひとつは、下位からの逆転も期待でき、よりスポーツらしさが増す、ということでもあったと記憶しています。


そして、蛇足ですが、上の写真で思い出したことを。
前回の項でエルヴィスやトッドが転倒について触れているのを紹介しましたが、ヤグディンは新採点について聞かれると、多くの場合「自分は6.0時代の人間であるから」と言って言葉を濁すことが多いです。
が、ただ一つ、印象的だったことがあります。
バンクーバー五輪の男子シングルで論争が巻き起こった際、プルシェンコの抗議に対する電話インタビューに答え、
「そんなに勝ちたかったのであれば、コンボのどこかに2Tをつけておけばよかった」
と答えたと聞き、コイツの勝負勘パネェェ!と思ったのでした。エレメンツの点数の積み重ねである新採点システムの根っこ部分をわかってるんだなと、勝負師の凄み、のようなものを感じたのです。



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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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