トランコフの反乱その後 ― ロシア男子シングルユーロ派遣は 

年末にTwitterというITの利器(?)を使い巻き起こったいわゆる「トランコフの反乱」(ロシア男子ユーロ派遣選手についての選手たちの抗議)については先日の日記で書きました。

トランコフの反乱―ロシア男子若手至上主義への抗議

これに関しては、どこの国でも起こりうることですし、少しでも多くの人々に知っていただきたい、と考え、なるべく選手・コーチ個人への思い入れがですぎぬよう、書き連ねたつもりでいます。そして、前回ご紹介した記事にもあるように、

>そしてこれを受けて、スポーツ大臣は、ソチ五輪が控えていなかったら、チーム編成はまた違っていたものになっていただろう、とコメントしている。どうやら、再び評議会にかけての結論となるようだ。

スポーツ大臣のコメント記事

ということで年を越したわけですが、年が明けて(たぶん、正教のクリスマスが終わって、という感じかもしれません)1月9日、ムトコスポーツ大臣より談話が発表されました。

週末、派遣選手について新たに会議を行う

この中で記者は、クドリャーツェフ、ミーシン、モロゾフ(訳注:ここには書いていないが別情報によればワシリエフも)の反対にもかかわらずコフトンの派遣は評議会で決定され、ロシア選手権参加選手からの抗議もあって、年明けを待って再び会議を開く、と大臣は(29日の時点で)言明していた、とあります。

スポーツ大臣談話概略

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私は原則としてこの派遣選手の決定に大きな間違いがあるとは思っていない。1・2位は無条件で派遣を決定するが、3枠目はコーチ会議によって決定する、とされていたからだ。かなり突っ込んだ話し合いはなされたが、その内容が明らかにされなかったため、こういった選手たちからの抗議、という騒ぎになってしまった。これを重要視し、評議会は再び2,3日中に再会議を開く。

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ただ、ここで私が思うのは、ここまでしてコフトンを押す必要性があるのか?ということだ。もちろん今年の成績を見てもわかるとおり、彼は才能あふれるスケーターであることは間違いない。ただ、年齢を考えれば、複数年ジュニアでやれる。現在はジュニアとシニアの掛け持ちが厳しくなったから、一度シニアの選手権に出てしまうと翌年はジュニアの試合には出られなくなってしまう。彼にはリスキーすぎはしないだろうか。
また、彼は今年の公式国際戦でシニアプロを滑ったことがない。

コフトンの戦績

昨期に遡ってみても、国別対抗戦の12位(自爆して最下位)しかないのだ。
男子のFSはシニアのほうが30秒長い。ジュニアから上がったばかりの選手はまずここで苦労する。シニア初年の羽生がしょっちゅうスタミナ切れを起こしていたことを思い出してほしい。特に、緊張は疲労を何倍にもする。
そしてコフトン自身、決してプレッシャーに強いほうではない。昨期のジュニアワールドがかかった国内戦でも自爆して出場を逃したし、「3位以内ならユーロも」といっていた今期のナショナルにしてもしかりだ。

ジュニアワールドのための調整なら、ノルディクス、ババリアンオープン、といったカレンダーコンペでいいのではないか。これらには北欧シニア勢が出てくるから、けしてレベルが低いわけではない。
年齢的に、今年のワールドを視野に入れている、とは思えないから、ジュニアワールドのための国際試合への足慣らし、経験、といった意味合いが強いのだろうが、今のロシア男子にそれだけ余裕があるのだろうか。

とにかく今のロシアン男子はソ連崩壊、そしてそのあとの経済危機のせいもあって、中堅どころの層が薄い(日本でいうと織田~無良あたりの年齢層)。メンショフも年齢こそはベテランだが、国際的に活躍しだした時期を考えると中堅、といっていいと思う。

今の状況を見ていると、バンクーバー選考がかぶってしかたがない。あのときも、2枠のうち1つは1位であったプルシェンコでスムーズに決まったが、2つ目が「僅差だった」「FSで崩れた」といったような理由で2位だったヴォロノフではなく3位だったボロデュリンに決まった。

この時も、ヴォロノフのバックにいたのはサンクトのウルマノフ(ミーシンの教え子)であり、ボロデュリンを押してきたのはモスクワのタラソワだった。
そして今回も、メンショフにバックにいるのはサンクトのルカヴィツィン、コフトンを押しているのはタラソワだ。

選手には責任はないが、コーチの力関係に振り回されるのは本当に残念だ。


今更感、というか「お前が言うな」感もあるが前回も載せたサンクトのスケ連会長のコメントだ。
その中のサンクトペテルブルグのスケート連盟会長のコメント
++++++

私はアスリートは全て同じスタートラインに立つと考えている。良い成績を残したものには名誉を。そこには役人や官僚は無用。競争によって決まるものだからだ。例えば米国では全てのスポーツにおいて全米選手権に勝ち抜けなかったものは世界には出られない、という厳しい原則がある。それによって、選手、指導者による激しい競争原理が保たれ、高いレベルを保っている。スケートにおいても然りだ。しかし、わが国ではではしばしば選手の運命は官僚的、事務的な事情で決定される。メンショフに関する決定は不公正だ。彼はユーロに出場する権利がありそれだけの価値を持った選手である。私は代表チームを形成する上で、スポーツの原則を守るべきであることを(選手たちの)要求とともにスポーツ省に伝え、また更に強いロシアの実現と公平でないスポーツ省の改正をも含めて、サンクトペテルベルグの連盟を代表して訴えるつもりである。

ーーー本文ーーー
++++++


そして、今朝早朝ヤグディンのこの件についてのツイート3つ上がっていた。

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https://twitter.com/yagudinofficial/status/289056956449181698

「私が衝撃を受けたのはメンショフとコフトンの交替だ。連盟の混沌と停滞はピセーエフのせいだ!」といってる?

https://twitter.com/yagudinofficial/status/289061252523782146

ピセーエフは長いこと連盟をに恐怖に近い圧政によって支配し、意のままにしてきた。取り除かねばならぬ存在だった。メンショフ、本当に申し訳ない・・・・<かな?とりあえずヤグは評議会批判、選手側の意見であることは確かなようだ。

https://twitter.com/yagudinofficial/status/289061252523782146

コフトンは素晴らしいスケーターであり、私は彼がこのまま伸びて行ってくれることを願っている。(だが今回のユーロ行きのためには)ナショナルではっきりとした成績を上げねばならなかった。


*******

コフトンの才能を評価し、責任の所在は彼ではない、とするところはた選手と見解は同じだ。
ただ、「平たくいやあ、勝ちゃあ文句なかったんだよ」的な言いっぷりが行間から漂ってくるのがいかにもヤグらしい。


追記
このブログ書いてる間にコフトンの派遣が正式に発表されました。


コフトン決定を伝える記事

続報があればまた書きたいと思います。




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はじめまして

メンショフを追いかけていて辿り着きました。真偽のほどはともかく、ヤグ様まで仰っているんだからあったんでしょうね、ロビー活動。どこぞの球団の80をこえたお方みたい。完全に決定ですか?メンショフ、出ないかなあ、無理かなあ…

ところで、最近はフィギュアスケートブログを読むときはまずキムヨナちゃんの記事を探して、ちゃんと記述されているか(意味もなく貶し、おとしめるようなことを書いてないか。べつに、誉めろと言うのではありませんよ!)を確認してから読むようにしています。こういうブログがまだ残っててよかったですv-238ブログ主さんは私と同じ男スケオタとわかり、これからもちょくちょく覗かせていただきます!
よろしくお願いしますm(__)m
プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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