エテリ・トゥトベリーゼの語るセルゲイ・ヴォロノフ  -インタビュー抜粋


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(2013年フィンランディア杯より)


インタビューの翻訳は、質問者と回答者の会話の流れもとても大事だと思っているので、抄訳や抜粋訳はなるべくしないようにしているのですが、今回のエテリ・トゥトベリーゼコーチのインタビューはとにかく長くて私の手にはおえなかったのと、どうしてもここは!という部分があったので、抜粋訳をあげました。セリョージャについて述べている部分です。

インタビュアーは、アンドレイ・シモネンコさん。この方はきちんとした分析力とスケーター、そしてフィギュアスケートへの愛情をしっかり持っていらっしゃる方で、いたずらに煽り記事やゴシップめいたことを書かれる方ではないので、文章には信頼がおける、と思っています。メンショフの引退インタ→(こちら)を取ったのもこの方です。また、以前日本のTV局の「ロシアのジャーナリストは羽生結弦をいかに見ているか」というインタビューを顔出しで受けていたこともあったので、「ああ,あの人か」と思う方もいらっしゃるかもです。

今回も、訳のチェックはロシア語者の友人にお願いしました。いつも本当にありがとうございます。

+++++++++++

(前略)

シモネンコ(以下S):何年か前、あなたのところには全くの成人したアスリートであるセルゲイ・ヴォロノフがやって来ました・・・

トゥトベリーゼ(以下T):・・・そして、彼をリンクに送り迎えしていたのは母親です。

S:変ですね。

T:変でしょう。けれども、それは私の妨げにはなりませんでした。もしも母親に時間があって、セルゲイがそれを望むのなら、、どうぞご自由に、でした。でも、たった一つ、このようなことがありました。 ― セルゲイは練習時間中にリンクの外に出て、母親の隣に座り込み、彼女とおしゃべりをし始めることがままありました。
これは異様なことでした。私の認識では、これはコーチングスタッフへの気配りや尊敬を欠いた行為であるように感じられました。しかし彼とともに練習をしている間、私は一度もこれについて彼に言ったことはありません。私は特にこの振る舞いが好きになれませんでしたが。

S:あなたとセルゲイとの間で、もっとより多くのことが成し遂げられたのではありませんか?

T:たまに顔を出す試合での不安定さは不安定な練習から来ていました。
それらは練習中に起こりました。アジヤン(ピトキーエフ)とセルゲイは、それぞれが毛布の引っ張り合いをしているかのように、私の関心を相手よりもより多く自分の方に向けさせようと争い始めました。今日は一人が氷上から逃げ出したと思えば、また明日は別の1人が逃げ出す、という具合に。その度に私たちを行きたくもないところへ行かせては、順番にリンクから逃げ出していました。
彼らの間では練習中や試合の時に、なぜか一緒に些細なことでの比較し合いが行われていました。色々なことが起こりました・・・
例えば、我々がアジヤンのための曲を見つけたら、突然セルゲイが、ずっとその音楽で僕が滑りたかったんだ、と言いだしました。そして癇癪をおこしました。なぜなら、その曲でアジヤンのためのプログラムを作ったからです。
デイジーの花びらをむしって「愛してる・・・愛してない・・・」というような子供じみた行為が繰り返されていました。

S:しかし、ヴォロノフはもう完全に大人で、30歳直前でした。

T:ええ。私は両親たちが言うように、もう彼は自分自身でもって全てを知らなければならない、と思っています。
しかし、私は今もって自分自身で全てを知っている男子生徒にあったことがありません。

(以下略、次の段落からはメドヴェージェワの話題)

=====ロシア語本文=====

++++++++++

以上です。

ただ、ここで注意しなければいけないのは、これはあくまでもコーチとしてのエテリ・トゥトベリーゼに見えていた彼女の生徒としての当時のセリョージャである、ということです。彼女の言葉に嘘はないでしょう。しかし、人間は良くも悪くも変わるものです。現在のセリョージャが、当時と同じままの彼であるとは限りません。そして、意識するかしないかは別として、人間は人によって見せる顔が違ってくるものです。これは、同じインタビューで触れられていたアジヤン・ピトキーエフについても同様です。

また、以前にも述べたことがありますが、ロシアは「呼びかけ文化」で、名前をどう呼んでいるかでその相手との距離感を測ることができます。
エテリは、原文でも一貫してセリョージャとピトキーエフのことを、「セルゲイ」「アジヤン」と呼んでいます。教えていた頃もこうであったはずはないと思われるので(実際、現在セリョージャのコーチであるゴンチャレンコ、そして元コーチのモロゾフは、彼のことを「セリョーガ」と呼んでいるのが他のインタからわかります)、エテリにとって、彼らはそれだけもう親しみを持てない存在になってしまっていることがうかがいしれるのです。(ちなみにメドヴェージェワのことは「ジェーニャ」呼びをしています)

ただ、このインタビューで興味深いのは、シモネンコさんがなんとかエテリからセリョージャとの関係のポジティブな部分を引き出そうとしてるにも関わらずsageが止まらなくて、挙句の果てはまたアジヤンの話題にループしそうになったためメドヴェージェワに話を振ると“華麗なるageのターン!”てとこですね。

あと、時系列で他のインタをも追っていくと、セリョージャのエテリ不信が決定的になったのはソチ後かな、と思います。
彼の4Lo挑戦に賛成しなかったことに、エテリが彼に納得のいく理由を出せなかったのなら(当時同門の若手のモーリス・クヴィテラシヴィリは既に4T、4Sの2種クワド装備)、自分には伸びて欲しくない、若手への刺激剤程度であればいいと考えてるのか、とセリョージャが思ってしまっても無理はないだろうと思います。
そして、質問のところを見るとシモネンコさんの問いを遮るようにしてエテリが答えているようにも見えますね。(・・・があるところからしても)動画がないので口調まではわかりませんが、よっぽどセリョージャと彼の母の関係が気に入らなかったように感じます。

セリョージャにこんな面があったなんて、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これもまた 「セルゲイ・ヴォロノフ」という人間の事実です。

そして、エテリから見たセリョージャ、とは別にセリョージャ側から見たエテリがどういうものであったのか。それは我々には知る由もありません。ただ、推し量ることができるのみです。

エテリから離れた当時のセリョージャのインタビューがこちらにあります→「セルゲイ・ヴォロノフ:自らの立ち位置は己の努力で手に入れる」
あわせて読んでいただけると幸甚です。



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Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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