セルゲイ・ヴォロノフ、ベテランの決意を語る ―カップオブロシアファイナル


IMG_2063.jpg

(ソヴィエツキースポルトより)

先日、4大陸選手権と重なって、ロシアの国内戦「カップオブロシアファイナル」が開催されました。参加者は、男子はセルゲイ・ヴォロノフ、アルトゥール・ドミトリエフ、アレクサンドル・サマリンなど。
こちらがリザルトページ
見方はISUのものと同じです。ちなみにКМСがジュニア、МСがシニアです。

その中でセリョージャが印象深いインタビューを残してくれました。
結果としては彼は3位、このメンバーの中では見方によっては惨敗、とも言えるかも知れない成績なわけですが、彼らしい、自分をしっかりと見つめ、来期にファイトを燃やしているかのようなインタビューでした。

インタ映像



(ロシア語者のフォロワーさんに聞き取っていただきましたが、読みやすくするために若干の意訳を加え、文章を整えました。)

「今日の3位という結果についてはもちろん僕は満足していません。けれど、自分はここに試合に来たことは正しかったと思っています。僕は逃げも隠れもしません。もしも競技できない何らかの理由があるのなら、最初から棄権します。
僕は己を鼓舞します。。リンクに出て戦え。
ええ、今日は確かに2人の選手に敗れましたが、今日の彼らは今日の僕より調子が良かっただけです。
僕は自分のプログラムで挑み、自分のために戦い、自らを証明するために滑りました。
何をって?僕の周りの人達に、僕を葬り去りたい人たちに、まだ早いよ!と示すためにね。(訳注)
今シーズンは困難を極めた。たくさんの障害があり、もっと言えば侮辱すら受けた。しかし、僕はそれを耐え忍び、こんな状態から正々堂々と抜け出してみせる。スポーツマンとしてね。
(今のこの僕の状況を)笑っている人や喜んでいる人もいるかもしれない。でも、笑わば笑え、さ。
お礼で返すよ。
かの有名な女優が、自分の敵に向けて、
「ありがとう」
と言って乾杯したことを知っています?僕も同じように言いたい。
『僕をより強くしてくれてありがとう』とね。」

(訳注)彼は以前のインタビューでも、年齢のことについて触れられ、
「28歳を若くない、なんて言ってごらん?通りで笑われるよ」
と述べています。コフトンやピトキーエフ、コリャダー、といった若手が出てきたこともあり、進退を聞かれることも多いようです。

SPの後にもインタビューがありましたが、そちらはより具体的にアメリカへの団体戦、そして来季への意欲を述べていました。

そんな彼のSP

コンビネーションジャンプと3Aの着氷が乱れたことで出遅れましたが、スピンをきっちり回り、ステップを丹念に踏んでいることに好感が持てます。今年、ジャンプの調子がイマイチだった彼がポイントを落とすことなく来れたのは、このスピンの丁寧さによる、といってもよいでしょう。

そしてFS

全体的にちょっと元気がなかったかなぁ、という印象。ジャンプを慎重にいきすきたせいでしょうか。しかし、前半早々に2Tを使い切るも、3連では3Lo-1Lo-2Loにして、きっちりザヤック避けをしてくるところはさすがベテランの落ち着きですね。ジャンプの着氷にやや難あり、なところも見られましたが、しっかりまとめてきました。

加えてこの大会で印象的だったのは、もう1人のベテラン、女子のレオノワでした。SPこそ、リプニツカヤに次いで2位でしたが、フリーで逆転優勝。
SPは持ち越しで、安定感を見せてはいましたが、フリーでジャンプが決まらず崩れる、という繰り返しでした。今まで、このプログラムでジャンプが全部入ったことはなかったんじゃないかなあ。
それがここに来て、ほんとにシーズン最後の最後で素晴らしいフリーを見せてくれました。3連の3rdジャンプが両足になったほかは、ほとんどノーミスだったんじゃないでしょうか。
どうか見てください。

レオノワのFS

彼女は試合後、「1年間かけて名誉を回復することができたわ!」というような事を言っていたそうですが、まさにその通りかと。
CbrC8icWIAEjhnx.jpg

こんな彼女の嬉しそうなガッツポーズ、本当にいつぶりでしょうか。年齢との戦い、若手の突き上げ、不調・・・苦しんだ一年だったと思います。現在でこそ女子の最盛期を迎えている、といっていいロシアですが、マカロワとともに枠を増やし、その時期への扉を開いたのは他でもない彼女であることは忘れてはならない、と思います。

セリョージャとレオノワは、同じコーチについていたこともありますが、選手寿命が長い反面、怪我や故障に苦しんできた、そして後輩たちにも慕われているという面でも共通しているベテラン2人です。
若手がぐんぐん伸びてきているロシアですが、選手生活の中では怪我や故障、メンタル面での挫折、など様々なことがあります。
そういった苦しみを乗り越えて、長くトップとして活躍し続けることの素晴らしさを、この2人には後輩たちに見せてあげてもらいたい。
素晴らしいロールモデルとなれる2人だと思います。


10261139_725777794146610_702488290_n.jpg
(2009-10シーズンのセリョージャとレオノワ)



↓ポチよろしく、更新のモチベになります
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

セルゲイ・ヴォロノフ、4回転ジャンプを語る

11116885_1431561757144756_283629843_n_2016020511212721f.jpg

(2014年GPFプレカン)

セリョージャのクワド関連発言、沢山のRTありがとうございます。思いもかけない数のRTを頂き驚いています。
彼は'07ー8シーズンにクワドを安定して降りられるようになって以来、体が許す限りずっとSPにもFSにもクワドを入れてきた選手です。また、試合中にクワドの着氷失敗して負傷、棄権という経験も持っています。
彼がPBを出したSP.冒頭のクワドコンボが美しいです。


言わばセリョージャは、クワドの魅力も(点数的な)旨みも、またそれを試みることの恐怖も知っているスケーターの1人だと言えるでしょう。そんな彼のクワドに関する発言です。







インタビューの聞き取りはロシア語者のフォロワーさんに協力をお願いしました。いつもありがとうございます。ただ、ツイの文字数に収めるために私の責任において意訳を加えました。

もう1つ。これはこちらのインタビューからです。終盤近くの、「ロシア男子が強くなるためには」といった質問に答えたもので、そこで複数のクワドを跳ぶことに触れています。
インタビュー動画






また、この質問の少し前の、
「フィギュアスケートの技術的な進歩は羽生結弦がもたらしたものですか?」
との問い掛けに、
「いいえ。彼だけではありません。パトリック・チャン、そしてもちろん羽生結弦、エフゲニー・プルシェンコ、アレクセイ・ヤグディン。彼らはそれぞれ自分の属した時代において、大きな技術的な進歩を担ってきました。」
と述べています。

また、これはクワドとは関係ないのですが、ロシア男子弱体化の危機(といっても若手がどんどん出てきていると思いますが!)について尋ねられ、ソ連崩壊による経済危機にも遡っての自らの考察を淡々と述べるセリョージャは、まるで歴史学者のようであったことをご報告しておきます(笑)



ポチよろしく、更新のモチベになります↓
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
関連記事

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

【加筆・改訂】キーラ・コルピインタビュー ―欧州選手権にて


CaH08QiWYAAOmCj.jpg

(Andrey Simonenko氏撮影)

ロシアのジャーナリストで、いつも興味深い記事を書いてくださるアンドレイ・シモネンコさんが、昨シーズンで引退したキーラ・コルピがTVの仕事で欧州選手権に来ていたのを捕まえてインタをとってくださったのでご紹介。
長いので抄訳となりますが、興味のある方はぜひ全文読んでいただきたいと思います。(ロシア語⇒英語⇒日本語、と訳した上、翻訳にはあまり自信がないので、誤訳ありましたらご指摘ください)

ロシア語者のフォロワーさんのご協力を得て、訂正と加筆を行いました。本当にご協力ありがとうございました!


「ハッキネンがフィギュアスケーターに、コルピがF1ドライバーになる?」
アンドレイ・シモネンコ 

S>キーラ、あなたは自らのインスタグラムに「Explorer of life」と記していますね?それはフィギュアスケーターとしての現役を終え、遠ざかってしまっている、ということなのですか?


K>そうですね、そこに何を書こうか、長いこと考えていました。
"Figure skater"?ええそう、確かに現役を終えるまではそのとおりでした。常にフィギュアスケートとのつながりだけだったわ。
でも私は考えたの。私の人生にはそれだけしかないのかしら?他には何も?
私はこれからその何かを探していこうと思うのです。もちろん、フィギュアスケートは私の人生の大部分を占めています。しかし、これからはもっと様々なことにトライしていきたいのです。


S>それはどのような?


K>プロフェッショナルなアスリートの生活をご存知ですよね。それは練習だけではありません。プラスしてさらに不変のやる気と意欲が必要よ。
自分の前に目標を立て、それを現実化し、また新しい目標を立て…。
アスリートでいること、それは圧迫の下で暮らすことなの。
一方で私は今、ただ単に生活することを試しています。以前は、たとえば一瞬たりとも、何もしないでいることはできなかったわ。そして、そんなことをしてはいけないのだと思っていました。でも今は何も考えないでいることを楽しんでいるわ。


S>テレビでの(解説の)仕事は新しい挑戦となりますか?


K>いいえ、これは欧州選手権一度きりのプロジェクトなの。けれど、私は大体において気に入っているわ。
アリーナの外、ということなった角度から大会を見る、というのはとても興味深い体験だったわ。そしてさらに重要なのは、とにかくフィギュアスケート自体を楽しむ、ということができたことね。(選手として)大会に出場していた時は自分自身のみに集中していたから、楽しむ、なんて思いもよらなかったわ。

++++中略++++


S>(この欧州選手権の)解説の仕事の他にも、現役を終えてからチャレンジした事柄ってありますか?いくつものアイデアがあるのでしょう?


K>私は来週から、出演するリアリティ・ショーの企画をカリフォルニアで開始するの。
それはフィンランドのテレビのプロジェクトで、我が国の現役を退いた著名な六人のアスリートが、自分の種目と異なったものに挑戦してみよう、というもの。私がF-1ドライバーに挑戦する、とかね。


S>そしてミカ・ハッキネンはフィギュアスケーターになるのですか?


K>そうじゃないかしら?((笑))
でも、まだまだ明らかにできるような考えって具体的にはないの。何事にもトライしていかなくちゃ、と思っているわ。むしろ今は腕を深く折りたたんで準備中、というところかしら。


++++中略++++


S>あなたは現在のロシアのスケーターの中で、誰が一番好きですか?


K>エレーナ・ラジオノワをあげたいわ。彼女は今シーズン、技術的にも素晴らしい成長を遂げたわ。そして常に強かった。もう彼女は大丈夫ね。ただ、説明しておかなければならないけど・・
エフゲニア・メドヴェージェワから、私は美しさと、軽さと、柔らかさを氷上で見い出すわ。それらはまさに理想的よ。
けれども、私はラジオノワの方がより好みだわ。なぜって、彼女を見ているとまるで音楽が不必要なように思えるの。彼女は全身で音楽を感じていて、どんな時でも彼女から調べが聴こえてくるような気さえする。そして、私が思うに、レーナは1つ1つのムーブメントが合一し、さらにエレメンツがひとつに溶け込んだ、そんなプログラムを創り出せるポテンシャルがあるわ。
それは、まさにアイスダンスのパパダキス&シゼロンが行っているものよ。あなたが彼らを見るとき、それがプログラムであることすら忘れてしまうでしょう?

それと同時に、他のロシアの女子選手も高いスキルを持っています。
けれども私は他の選手よりも、レーナが技術をしっかりと抑制し、スケートの喜びを観客に訴えかけることのできる選手だと思うわ。


S>新聞や雑誌に、「スター(名選手、の意味で使っていると思われます)達からの助言」といった欄があることはご存知でしょうか。
私があなたにロシアのフィギュアスケーターたちにアドヴァイスをお願いしたなら、なんとおっしゃってくださるでしょう?


K>既に彼女たちはスターよ(笑)
そうね、私が彼女たちに告げるとしたら・・・・こう言うわね。

フィギュアスケート、それはとても素晴らしいスポーツの一つよ。あなたたちがこれをしている、というのはとっても大切なことなの。
けれども、人生においては、ほかにもたくさんの価値あるものやかけがえのないものがある、ということは忘れないでもらいたいわ。
宇宙のスケールに照らしてみれば、人生は本当に短いわ。その中でもスポーツをできる時間、現役でいられる時間は本当に限られてる。
だから、頭の中をフィギュアスケートだけでいっぱいにするのはどうかやめてほしいわ。
私もそうだった時があるけれど、その時私は生きるということの喜びや楽しみを見失ってしまっていたように思うの。
そのようにしていると、試合の結果や練習での上達具合が人間としての自分をも位置づけているように思い始めてしまいがちなのよ。もし試合で良い結果を出せば、「よくやった」ということになる。けれどもそれができなかった時には、どこにも自分の居場所をなくしてしまうわ。そういった間違いを犯してはダメ。
フィギュアスケートを自分の生活の全てとして考えるのはどうかやめてちょうだい。
あなたがどんな人間で、どんな個性や魅力を持っているか、ということは、あなたが競技会で何位になったか、という業績とは全く関係がないのよ。


=====本文=====



すみません。あまり上手く訳せなかったです。ごめんなさいm(_ _)m



ポチよろしく、更新のモチベになります↓
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケート・フィギュアスケートへ
関連記事

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

カレンダー
01 | 2016/02 | 03
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 - - - - -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
スポーツ
92位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ウィンタースポーツ
11位
アクセスランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

拘りと屁理屈
検索フォーム
カテゴリ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR