旧採点も捨てたもんじゃない ―独断と偏見の名プロ回顧(男子)


Aleksei Urmanov


GPSのアサインも発表され、DOIなどで限られた選手ではありますが新プロの概要も出てきて、ますますシーズンへの期待が高まってくる時期ですが。。。ここで、旧採点プロをちょっと振り返ってみようかなと。(ええ、もちろん私のことですから男子オンリーです、すみません)

旧採点のプロってつなぎも薄いしジャンプの難度も低いし・・などと思ってらっしゃるそこのあなた!そんなことはないんです、まずこれを見ていただきましょうか、ミスありですがこのジャンプ構成でプロを組める選手が今何人いるでしょうか?

アレクサンドル・ファデーエフの1986年のワールドです。
初っ端の3Lz-2Lo,そして3Aコンボの本来ならステップアウトをハーフループでつないで2S付けちゃう身体能力、そして転倒、とはいえクワドも入れて・・・そして最後まで足が止まらない。
これが30年近く前のプロだ、というのがすごいです。また、彼の得意としていたダブルアクセルシットスピンは現在のルールでは点数にならないのでやる選手がいなくなってしまっています。文字通りダブルアクセルからそのままシットスピンに入るものですが、このプロでは4分ちょっとのところに入っていますね→ダブルアクセルシットスピン




こちらはブライアン・オーサー。そう、羽生くんやハビーのコーチのオーサーの現役時代です。彼はサラエボ五輪銀、そしてそれからワールドで3年続いて銀、ということで「シルバーコレクター」と言われましたが、その彼が初めてワールド金に輝いた演技です。その翌年のカルガリー五輪ではまたもや銀メダル、となってしまったのは皮肉ではあります。
トリプルアクセルを2本成功させたワールドチャンピオン。まさにミスター3Aの面目躍如、というところでしょうか。




そしてこのオーサーとカルガリー五輪で「ブライアン対決」として有名になったボイタノ。
手を上げて跳ぶ「タノジャンプ」の由来となったのが彼です。そして彼といえばスプレッドイーグル。ポジションのしっかり決まった、文字通り大鷲のような雄壮なイーグルでした。
カルガリー五輪の演技が動画で残っていないので、ワールドのものを。ジャンプ構成を変えて、クワドを入れてきています。まるで根の生えたようなバランスのとれたスケーティングが見事です。




続いて、ヴィクトール・ペトレンコ。カルガリー五輪です。18歳で五輪初出場、FS最終滑走で見事ノーミスで銅メダル獲得。
この新鋭の時代が始まる、と思わせるような演技でした。ソチ五輪の羽生を見て、このペトレンコを思い出した人は少なくなかったのではないでしょうか。
五十嵐さんの解説で。




カルガリー五輪経験者、というと当然コンパル世代なわけで、時代的にも全種のトリプルジャンプの技術が行き渡り、エッジエラーも回転不足もほとんどなく、クワドにも手が届こうか、という時期の選手たちです。
そして、コンパルで足元を鍛えられている分、つなぎをはさんでも自在にトリプル、ダブルの各ジャンプが跳べていました。
また、この年代の選手たちは、現在でいうショートプログラムに規制が多く、カルガリー五輪では「コンビネーションジャンプは2Loを含むもの」とされていたため、上位男子はセカンドループ祭りです(セカンドTよりもセカンドLoのほうが遥かに難しい為)
カルガリー五輪男子SP上位者演技
ですから、フリースケーティングにセカンドT、セカンドLoの両方を組み入れることのできる選手が多かったのです。
そして現在ではハーフループしか認められていませんが、様々な表外ジャンプを挟んだジャンプシークエンスの多彩さは、高難度ジャンプに勝るとも劣らないものです。



その代表格と言えるのがカート・ブラウニング。彼もまたカルガリー五輪経験者です。
カルガリー翌年のワールド。2A-1Lo-3S、クワド、セカンドTの変形空中姿勢、そしてつなぎの濃さに注目。
SPのダイジェストやインタビューが入っています。演技はここから


もう一つ、カートのものを。最近町田くんやポゴリラヤちゃんがやりましたが、実は私のマイベスト火の鳥はこのカートです。
セカンドT、セカンドLoも健在。 終盤のイーグル~スパイラル~イーグル~3Tと続くところが雄々しくてかっこよい。そして、最後までスピードがおちない!




そして、ペトレンコ。ソ連崩壊で練習も満足に出来ず、プロの作成も思うに任せなかったため、これが彼のトレードマークのようになりました。スケーティングの緩急、一蹴りの伸びに注目。
アルベールヴィル五輪です。




また、、スケーティングといえば忘れられないのがポール・ワイリー。彼は素晴らしいエッジさばきをいかして、プロスケーターとなってからもたくさんの名プロを残しています。
彼のプロコンペでの名プロ→シンドラーのリスト
アルベールヴィル五輪の演技です。
SPトップだったペトレンコがFSでいくつかダブっているので、当時の順位は席次数換算でしたが、現在の点数制だったらペトを抜いて金だったかも。




ベテランになって表現力の増したファデーエフの「禿山の一夜」。’89年のユーロです。
正確な技術と濃いつなぎは健在。新採点移行の際、TRの優れている指標にされたとも言われる選手です。



旧採点プロがつなぎが薄い、と誤解されがちなのは現在のようにルールが明文化されておらず、どうすれば点が上がるのか、を選手たちが模索していた面も大きいと思います。いかに難しいことをやるか、個性を出すか。ですから、冠技(タノジャンプなど)が多く現れたのもこの時代です。

特にステップシークエンス。現在では「体を大きく使うこと」がルール上明確になっていますが、当時はそうではありませんでした。もちろん上体を動かしながらステップを踏む方が直立した状態よりもはるかに難しいわけで、それを行っていた選手も数少ないながらいました。ここに上げてきたのはそういった選手の一部です。
また逆に、エッジを深くする、ということは体を倒す、ということだけではないのです。膝や股関節、足首をうまく使い、上体を立てたままでも深いエッジでターンやステップを行うことのできる選手も多くいます。上にあげたワイリーやファデーエフがそうですが、特にコンパルソリー経験者にそれが多く見られると思います。


最後に、それがよく現れているプロを2つ。特に足元、エッジの傾き、膝の使い方に注目してください。


カート・ブラウニング「カサブランカ」。1993年ワールド優勝時の演技です。セカンドT,セカンドLoともに入ったスケールの大きい名プロです。このプロでフィギュアスケートにハマった、という方も少なからずいるのではないでしょうか。



アレクセイ・ウルマノフ「サーカスの女王」(写真) 1995年、ネイションズ・カップのものです。このプロはクワド入りのバージョンもありますが、プログラムの完成度としてはこちらが高いように思います。セカンドT,Lo、インサイドアクセルからのジャンプSEQ,そして深いエッジにご注目ください。



しかし、なるべく多くの選手を、と思いつつ書いたつもりですが結構偏ってますね(笑)

やっぱり、カートすげえ!になってしまいました。




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セルゲイ・ヴォロノフ GPS演技の変遷


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(Mikhail Sharov氏撮影)

先日、メンショフさんのGPS演技集をセレクトしてみましたので、今日はセリョージャでやってみようかと。
しかし、今年でシニアGPS挑戦10年になるのですね。ちなみに初年はジュニアとしての参加、Jrワールドもシニアワールドも掛け持ちして出る、というかなりハードな年でした。
しかし10年。男子が少年から青年へ、と変わってゆく時期にあることに加え、2度の五輪落選を挟みながらも一流選手の証、とも言えるGPSメンバーにとどまっている、というのはすごいことだと思います。


まず、初参戦の'06-7年を探したのですが、スケアメ7位、スケカナ10位、という記録は残っているものの、動画は残っていないんですね。まあ、この順位では無理もないか。
当時の彼の雰囲気を知るためにも・・ ロシア選手権です

'06-7 ロシア選手権 SP ラフマニノフ (19歳)


'06-7 ロシア選手権 FS パール・ハーバー (JrWCとWCでは黒のつなぎ衣装でした)



翌年、本格的にシニアにあがります。SPはラフマニノフの持ち越し、FSはピアソラのタンゴ。
前年の代々木ワールドでバトルとサンデュの演技にインスパイアされ、「僕もあんなふうに踊りたい、滑りたい」と主張する彼に、当時コーチだったウルマノフは「まだ早い」と大反対し、それでも聞かないセリョージャに、タンゴとしては異端、とも言われるピアソラのメドレーで妥協した、と聞いたことがあります。
また、この年は初のロシアチャンピオンとなり、1枠だったロシアのワールド枠を、1人で出場し7位となって2枠に戻した年でもあります。


初のシニアGPS表彰台となったTEB (20歳)
'07-8 SP(ラフマニノフ 2年目)

'07-8 FS (ピアソラのタンゴ)




そして翌年。扁桃腺炎を患っていてしょっちゅう熱を出しがちだったセリョージャのために、とオフシーズンに除去手術を行ったのですが、これが裏目に出ました。なんと、敗血症を併発してしまい、3週間寝込み、一時期は生死の境も彷徨ったのだそうです。国別対抗戦に来た際のインタビューでは、「ここにこうしていられるのも神様の思し召しでしょう」というような事を言っていました。そんなこともあってプロ作成が間に合わず、「FSはロマンチックなものにしたい」ということも果たせず、SPのみ作成。FSはタンゴ持ち越し、となったのでした。SPウルマノフの勧めでクラシカルなもの。衣装も相まって今までの彼とは雰囲気も変わり、ファンからは「なかなかいいじゃない?」との声もあったのですが、GPS後「ゴッドファーザー」に変更。だからこれは貴重な演技でもあります。
そして、前年後半からSP,FSともにクワドが安定し、クワドジャンパーの仲間入りをしたと言えるでしょう。

'08-9 スケカナ SP ヴァイオリンとパーカッションのための協奏曲 (21歳)


(とにかく数が多いのでサクサクいきます)


やってきましたバンクーバーシーズン。年齢的な面もあり、「この五輪こそ!」と師弟ともに入れ込んでいる、というのが伝わってくるプロでしたね、2つとも。磐石となったクワド、ジュニア時代から評判の高い高く美しいアクセル、安定したエッジジャンプ。あとは、いかに新採点にマッチングさせPCSをもらえるようにするかが課題でした。
この年のプロは本当に素晴らしくて、今でもFSの「シンドラーのリスト」はマイベストセリョージャかもしれません。
本当に、プロもどハマり、ジャンプもキレキレ、なんで五輪に・・・いや、言いますまい。

'09-10 SP 革命のエチュード(スクリャービン) (22歳)

FS シンドラーのリスト




ひょっとしたらプロ的にはセリョージャの黒歴史、だったかもしれないモロゾフ期にこの年から入ります。正直、「モロのミューズはセリョージャではなかったのだ」と思い知らされた期間でもありました。
SPは「ロクサーヌのタンゴ」FSはセリョージャが「アブトに憧れていてずっとやりたかった」というラフマニノフ。
しかし、初戦のCoCでFSを負傷によって棄権することになり、もう1つの大会にも出られず、結局残っているのはこのプロだけです。

'10-11 CoC ロクサーヌのタンゴ (23歳)





全年の棄権と欠場が響き、GPSポイントはなし。ユニバで台乗りしたものの、これはISUの記録にはならないので、 '11-12シーズンは1大会しか割り当てられませんでした。そして出来上がったプロは、といえば・・。そう、サッカーヴォーロと道化師ですよ!もう
完全にネタ化しましたねw ただ、モロを弁護するわけではありませんが、あのサッカープロは洒脱で小芝居が上手く、SSに長けた選手がやったら評価は高かったのでは?と思います。

ロステレコム杯 道化師 (24歳)





ひょっとしたらFOしてしまうのではなかろうか、という心配に駆られ続けていたモロゾフ期。しかしこの'12-3シーズンは違いました。憑き物が落ちた、というかスッキリした感があって、俺はこれからなんだ!というのがプロの選曲にも伺えました。セリョージャはEXの選曲でもわかるとおり、ロシアの、どちらかといえば泥臭い音楽が好きなようでそれがすごくハマるんですが、その反面ニーノ・ロータの世界にも親和性を持っています。(若い頃の彼に【太陽がいっぱい】をやってほしかった)

CoC ヤブローチカ(ロシア水兵の踊り) (25歳)

ロミオとジュリエット 

そしてこの大会で久しぶりに台乗りを果たします。
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エテリ・トゥトベリゼコーチのもとに移った初年、'12-13。年少の生徒たちに戸惑うも、いいお兄ちゃん、としての立場を確立した様子。
SP衣装は昨年の黒スケ半袖とともに、彼女さんのデザインだそうで、これらを着てる際には大きなミスや怪我がないため、私と友人はこれらをイージス(女神から遣わされた盾)と呼んでいます。ちなみに黒がⅠ、白がⅡ。
イージスⅡは、ジゴロだとかいろいろ言われたけど、私はこのプロ好きですよ。
そして、なぜか日本人解説者にはイマイチ評判の悪いセリョージャのタンゴ。
皆様口を揃えて「タンゴじゃない」「この振付には音楽がタンゴである必然性がない」とまでおっしゃいますからねえw
ただ、この年彼は、「タンゴという曲を用いて“捨てられた男”を表現する」と言っていたわけで、それはとっても成功していたと思うんだがな。
この年は前年の成績から1大会しかエントリーがなく、ロシアの自国枠をメンショフと争っていたのですが、FSの成績の良かったメンショフがロステレに出ることになり、セリョージャのこのシーズンのGPSはここで終わったのでした。

NHK杯 SP 2つのギター (26歳)

NHK杯 FS タンゴメドレー





そして昨シーズン。あの着た切り雀状態だったネイビーのノルディックセーターで話題を振りまいたのを始め、年下の海外選手にも優しく且つお茶目に接する様子がお茶の間にも流れ、「いいやつじゃん」などと好感度、認識度が上がったのは皆さんご存知の通りです。
プログラムも彼に合ったものが出来上がり(特にSP)、これはいけそう、という感じはしていました。シーズン初頭のチャレンジャーシリーズから調子は上がっていましたし。行けるんじゃね?とワクワクしながら見ていました。
そして、ロステレコム杯ではSP90点台をたたき出し、NHK杯ではダイス、無良君とともに台乗り。この風景が本当に微笑ましかったですね。(写真)
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ロステレコム杯 SP (27歳)

NHK杯 FS



そして、初挑戦から9年目にしてGPF進出!

「こんな素晴らしいメンバーの中で滑れるなんて光栄だし、とってもワクワクしてるよ!」と言っていたセリョージャ。
SPのトップ滑走で羽生がものすごい点を出し、興奮冷めやらぬ中リンクイン。それでもきっちりと自分のするべきことを決めてのけました。点数が出たあと、若干ブーイングが入っていますが、確かに私ももう少し点数出してくれても・・・とおもいましたw
GPF SP (27歳)

GPF FS

表彰式 

  

こうして通してみると、本当に顔も雰囲気も変わったなあ、と思います。男性が一番変化する時期なのかもしれませんね。
とにかく今季も、ステイヘルシーで、頑張ってもらいたいです。
セリョージャ、まだまだあなたの演技を、そして笑顔を見ていたいから。

そしてお願いします、セリョージャの膝くん、来期はおとなしくしていてね。肝心な時に暴れだしてご主人を泣かせることのないように!





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アサイン発表!メンショフさん、おいでませNHK杯へ!―SP集


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久しぶりのブログの更新になります。実は手を怪我してしまいまして・・。左手だったので幸い日常生活にはさほど不自由はなかったものの、キーボードが打てずに難渋しました。やっと治ったので。

そうこうしてる間にスケート界にもいろいろとありました。様々なショー、ルール変更の発表、GPSのアサイン発表・・・
もう細々としたことはみなさん書いてくださってると思うので、私はいつもどおりマイペースでいこうかと。
とにかく嬉しかったのはメンショフ、アルテミエワの揃ってのNHK杯派遣ですね。
何故“揃って”なのかはこちら→GPS最強カップル ― メンショフさんとその彼女 フランス杯SP
特に、マーシャは昨期のGPSの成績がいまいちだったので、枠があるかどうか心配していたのですが、1つでももらえてよかったです。
そしてメンショフ。昨日ツイッターで選手の年齢の一覧表を作ってくださっていた方がいたのですが、なんと今年彼は32歳!もちろんGPSメンバーの中では最年長です。確かソルトレイクシーズンのトッドが31歳だったと思いましたから、歴代でも最年長になるのかな。そして、彼の凄さの1つは、GPSに初出場したのが27歳の時であるにも関わらず、以降毎年出場し続け、SBを更新している、ということです。
メンショフの成績一覧
そんな彼の特徴がよく現れているのが個性的なプログラム作りなのですが、特にそれが象徴的なのがショートプログラムです。曲から思いもかけない発想をしたり、びっくりするような演出があったり。メンショフの名前は知らなくとも、ああ、あのプログラム知ってる!というのはよくあるんじゃないでしょうか。ということで彼のSP特集を組んでみました。(演技はGPSのものに限っています)

初出場となったのは自国枠で出場したロステレコム杯。この年はこれ一試合でした。ステップから入る3Loがダブルになってしまっていますが、実はこれ、クワドループを狙ったんじゃないかと思っています。同時期に上がった彼の動画で、同じ入り方をしたクワドループの成功動画があるのです。もし成功してたらセンセーショナルだったろうになぁ、残念。

2010 ロステレコム杯 SP (27歳)




翌年のNHK杯。そう、「イカ」で有名なプロですね。これで彼を知った方も多いのではないでしょうか。それほど印象的なプロでした。
この年からステップからのジャンプを3Lzに変え、コンボのセカンドも3Tに挑戦し始めます。そして、地味にすごい、と思うのはしょっぱなの3Aによっぽど自信があったのだな、ということ。アクセルを降りたところでジャッジの方を向き、ばっと上着の胸を開いてエイリアンを出す振り付けになっているので、ジャンプに失敗があったらプロ自体が台無しになってしまいます。実際、国際試合ではミスなしだったんではないかな。

2011 NHK杯 SP (28歳)




そして次の年のピナ・バウシュ「踊り続けるいのち」から、「谷間の百合」。
これも印象的なプロでした。この年から4T-3Tのコンボが磐石になってきます。SAで3Lzがダブった以外、公式戦のSPではジャンプミスなしだったのではないでしょうか。
そして、男っぽさとも王子様っぽさとも中性的な妖精っぽさとも違う彼独特の魅力が強く出てくるのもこの頃からだと思います。
そしてこのロステレコム杯、SP2位だったのですが滑走順が早かった彼はそれほど高順位だとは思わず、プレカンの始まる時には帰って練習をしていて、慌ててスタッフが呼びに行った、という逸話があります。まあ、自分の後にチャン、小塚、デニス、織田、ブレジナ、というメンバーがいたわけですからわからんでもない(笑)
プレカンに遅刻して現れ、「ダメじゃん」って感じにチャンに突っ込まれてる(?)のが下の写真です。
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2012 ロステレコム杯 SP (29歳)




とうとう三十路に乗ったこの年、彼が選んだテーマは「天地創造」。ミケランジェロの壁画「アダムの創造」の一部をモチーフにした印象的な衣装でした。
ただ、国別対抗戦でのFSの転倒による負傷で出遅れ、ミスが出がちだったのが残念です。ラストのジャンプ部分で無音状態になるところがあって、そこにジャンプがバシッとハマるととても素晴らしかったのでしょうが、なかなかそれができなかった。
そして、ナショナルからはSPにクワド2本、の挑戦を始めます。このシーズンでは成功なしでしたが・・・

2013 ロステレコム杯 SP (30歳)




前シーズン末から挑戦を始めたSPクワド2本に、国内戦であるパニン・メモリアルで成功して優勝を飾ると、GPSでは安定して2戦とも成功。ステップレベル4も獲得。これは4Sが3Sになってしまった時のために、少しでも点数を上積みしておこう、とステップの強化も図ったのだろうと思われます。特に見事な演技だったのがエリック杯。本人は「この演技で90点台に乗せられなかったのは残念」と言っていたそうですが、確かにその通りだと思います。

2014 エリック杯 SP (31歳)



こうしてまとめてみてみると、普通なら引退する選手もいるような年齢で第一線に出てきて、それだけでも驚異なのに、ジャンプ構成やスケーティングスキルなど、年々進化しているのに驚かされます。
ちなみに彼のベストスコアは、SPが'14年のエリック、FSが'14年のユーロです。


以前プログラム作成についてのインタビューで、「曲の選択、振り付けのアイディア等はコーチのルカヴィツィンと振付師のグリンカ女史と相談して行い、ステップシークエンスに関してはモロトフが手伝ってくれる」と言っていたので、かなり彼自身の意思も強く入っているものと思われます。また、グリンカ女史は昨年のレオノワのSPを見てもわかるとおり、個性的でコンテンポラリーな動きを得意としているようなので、彼にあった振付師だった、と言えるでしょう。

国別対抗戦が終わった頃に出たコーチのインタビューでは、プログラムはほぼ完成していて滑り込むだけ、あと、だいたいこの時期に毎年メンショフは新しい靴を慣らすのだが、今年はそれが非常にうまくいっていて、既に新しい靴で3Aもクワドも跳んでいる、ということで非常に順調に来ているようです。楽しみですね。
アサインも初戦と最終戦、ということで、疲れには問題ないでしょう。

おそらく、彼のシーズン初戦はチャレンジャーシリーズのネーベルホルン杯になるのでは、と思われます。その前に9月の第2週にテストスケートがありますので、そこで彼の新プロの概要がわかると思います。

とにかく、楽しみです!




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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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