コンビネーションジャンプを考える ― ダブルジャンプのザヤックルール適用について

今年からダブルジャンプにもザヤックルール(同種のジャンプは2本以上跳べない、そして1本はコンビネーションまたはシークエンスにする)が適用されるようになりました。
シニアの場合、アクセル以外のダブルジャンプはほとんどコンビネーションやシークエンスとして使用されるため、コンビネーションのノーカウントの危機が大きくなりました。

それについてツイッター#コンビネーションジャンプとしてつぶやいたところをまとめました。


: セカンド3T持ちの場合、-2T、-2Lo、そのうちどちらか2本の計3本が必須となるが、セカンド3Tが2になった場合を備えて-2T,-2Lo2本装備して臨機応変に対処できればなお良い。
:クワドが抜けたりして思わぬ位置でダブルジャンプを消費してしまう場合もあるので、3連は後半に○-1Lo-△のを用意しとくといいかも。
:3連を後半に組んだ場合、前半のコンボでセカンド3Tがダブルになることも鑑みてセカンド以降の構成変更のシミュレーションをしていないとノーカンになる危険性がある。
:後半2A^2Aもありか。

これは、ISUの

・セカンド以降はT,Loの2種類を身につけ、ときに応じてどちらも使えるようになるべし。
・-1Lo-の3連を認めたことで、ジャンプの組み合わせのバリエーションが広がったのだからそれを利用するべし。
無理して跳ぶことによって点数が下がってしまう場合もある為、今自分がなんの種類のジャンプを何本跳んでいるのかしっかり把握し、失敗した際のリカバリーを常に考えておくこと。
・必ずしもコンボ券を使いきった方が点数が高く出るわけではない


というメッセージであると思うのですが、コンビネーション以外の部分にも影響を及ぼしているように思います。特に、男子のクワドが抜けて2回転になった場合、後々に及ぼす影響が大きいからです。

昨年時点でコンボ使い切りかつ今年のルールに適応してるプロの例。
セカンド以降は2T2本、2Lo2本。4T-2Loが効いてます。
セルゲイ・ヴォロノフ EC FS 



そして、今年のプロでわかりやすい例があったので。
セルゲイ・ヴォロノフのネーベルホルン杯とフィンランディア杯です。最初の3Aが2Aとなった以外はジャンプ進行は同じ。3連までに2Tを2つ消費してました。
ネーベルホルン杯 -Lo-Loに変更して3連を生かしてます。


フィンランディア杯 -T-Loのまま跳んでしまい、3連が根こそぎノーカウントになってしまいました。



そして、今日のスケアメで出た3連ノーカウントよけの手段もう1つ。
アジヤン・ピトケーエフ
3連までに2Tを使い切るも2ndを1Tにして切り抜けたジャンプ脳。多分シミュしてたと思います。GPSデビュー戦なのに落ち着いていました。跳ばない、という他にこういう選択もあるわけですね。宝塚の男役にいそうな風貌w



また、3連におけるダブルジャンプ消費避けに後半に-1Lo-の3連を設定するケースが増えると思いますが、その際1Lo(ハーフループ)だけでなく、他の表外ジャンプ(インサイドアクセルなど)を挟むことも可能にしたらどうでしょうか。。そうするとさらにバリエーションが広がると思うのです。ただ、点数設定が難しくなるから無理なんでしょうかねぇ。
旧採点の頃は、ハーフループに限らず表外ジャンプを挟んだジャンプシークエンスが多く見られました。コンビネーションジャンプが2つまで、だったので終盤の山場にジャンプの連続、となるシークエンスを持ってくるプロが多かったのです。

カート・ブラウニング 1993 世界選手権 ハーフループ(1Lo)シークエンス


アレクセイ・ウルマノフ 1995 ネイションズ・カップ インサイドアクセルのシークエンス 



ただ、クワド跳び易いのがトウループ(T)で、セカンド以降につけられるのがTとLoに限られることから、どうしてもジャンプの偏りは起こります。 メンショフの'10-11シーズンのFSの基本構成は
4T-2T 3Lz 4T 3A 3S 3Lo 3T-3T-2T 2A-2T で、 半数以上がトウループです。(2Aでなく3Loに2T付けてることもあった)
コンスタンチン・メンショフ '11 EC ここでは最後が2A-1Tになってしまってますが。


ただ、彼のすごいところは4Tと3Tという同種のジャンプを構成の中に2本設定しておきながら、ほとんどザヤらなかった、というところです。そして、余りにもトウループが多すぎ、という批判から現在は4T2本、3A2本の構成にグレードアップしている、というのも評価すべきところです。


そしてダブルジャンプ規制の問題もそうですが、コンボが単なる基礎点の和、というのはそろそろ考え直したほうがいいように思います。前半4T-2Tと後半3Lz-3Tの点数差は難度に引比べて余りにも少なすぎではないでしょうか。
この影響はSPにクワドコンボが激減したことに顕著に現れてると思います。
そう、SPにクワドコンボを入れるには、4-3でないと後半3-3に比べてのメリットが少ないのです。


まあ、このダブルジャンプにザヤックルール適用に関してはISUの意図するところもわかるのですが、特に男子には別方面に影響が大きすぎる気がします。特にクワドの抜けやすいタイプの選手はリカバリーのシミュレーションに苦労するかもしれません。


とりあえずはこれにつきますね。

・-2T,-2Loの2種類は必須、その場に応じて跳び分けられれば尚良し
・クワドが抜けた場合の2T消費の際のコンボ変更をシミュしとく
・点数を残すためにセカンド以降を跳ばない決断も必要(コンボ券使い切りは必ずしも正義ではない)
・とにかくテンパらず計算




ぽちよろしく、更新のモチベになります
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケートへ
にほんブログ村

こちらも
blogram投票ボタン
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

メンショフ、安定の2クワド パニン・メモリアル優勝(1大会4クワド!)


1535499_344764419019037_1646476145083841459_n (2)



パニン・メモリアルはFSが行われ、女子はレオノワ、男子はメンショフの優勝で終了しました。

このメンショフのフリーのテーマは「真実を伝えるために命を危険にさらす従軍記者に捧ぐ」ということでした。
事実と真実との狭間で苦悩し、その中で流されることなく必死に文字を綴ろうとする一人の人間であろうとする記者、というイメージが垣間見えて私はこのプログラムがとても好きです。これはぜひ直接観戦したいなぁ。


こちら→男子FSプロトコル

ジャンプミスで目立ったところといえば、3Lzのはずがダブルになってしまったこと、ラストの2Aがシングルになってしまったことですね。
そして、ここで重要なのは、このプログラムの予定構成では、2本目の3Aが3連のコンビネーションになるはずなのですが、セカンドの着氷が乱れて2Loが付けられなかった。昨年まででしたら、次のコンボの3Lo-2Tに2Tをつけて3連にしたと思うのですが、今年からのルール変更でダブルジャンプにもザヤックルールが適用されるようになったので、ここで2Tをつけるとノーカウントになってしまうため、あえて跳ばなかった、というところです。ノーカンを避けかつ3連にするには2Loをつければよかったわけですが、彼がサードジャンプで2Loを練習し始めたのは今年から。セカンド以降のループはトウループよりずっと難しいのです。
そして、プロトコルにマイナス1をつけたジャッジがいたように、若干着氷が乱れたのかもしれません。ただ、彼なら2Tは付けられたはずだと思うので(お手つきやオーバーターンしても2Tなら付けちゃえる人ですから)ここは安全策を取ってあえて跳ばなかった、と考えたほうがいいでしょう。素晴らしいジャンプ脳です。


そして、ついにクワド2本を成功させたSP。


こちらが→男子SPプロトコル

とにかく最初の4T-3Tにジャッジが全員加点をつけている、それもプラス3をつけているジャッジが1人いる、というところがすごいですね。
知人が「メンショフさんの4Tコンボって、斬鉄剣みたいだよねぇ」
と言っておりましたが、まさに言い得て妙だと思います。
そして4S。マイナス1のジャッジが2人、プラス1のジャッジが1人。ほんの少しオーバーターン気味になったのを取られたのかな。
今シーズンはどの大会を見ても、ジャンプの着氷に関しては男女問わずかなり厳しく見ているように思います。
そして、着目すべきはステップ!レベル4がついたのに加え、1人のジャッジがゼロだった他は、全員が加点をつけました。
今年のSPは、クワド2本構成を鑑みてステップからのジャンプをサルコウにしていて、これがトリプルになってしまった場合基礎点が低くなってしまうため、こういったところでしっかり強化してるんだと思います。

今シーズンに入ってからのインタビューでは、特に目標、とするものを語らず、「昨年の自分を越えること」とくり返し言ってきたメンショフ。
プロフラムのテーマについて語った時のこの言葉が非常に印象的でした。

「私は観客のために滑っていて、それが一義的なことです。結果は重要だけれども、あくまでも二次的なものといえる。私の滑りが観客に気に入ってもらえたなら、ジャッジにも高く評価してもらえるでしょう。」

彼の初戦はスケートカナダ。カナダの観客たちは、そしてジャッジたちはメンショフ記者にどういう判断を下すのでしょうか。楽しみです。


ぽちよろしく、更新のモチベになります
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケートへ
にほんブログ村

こちらも
blogram投票ボタン
関連記事

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

メンショフ、SPでクワド2本成功!(動画あり) なんて恐るべき三十路アスリート!


10735354_733096433437108_561587384_n.jpg
Mikhail Sharovさんのインスタより、演技直後のメンショフ


あすから始まるスケアメに耳目が集まっていますが、ロシアのサンクトペテルブルグでは、現在国内戦が行われています。これは、ロシア帝国最初の五輪金メダリスト、ニコライ・パニン=コロメンキンの記念大会です。いつも毎年GPSのすぐ前位に行われ、GPSメンバーもプロのお披露目、という形で顔を出します。(サンクトで行われるため、サンクト拠点の選手の出場が多い)
ジュニアの下のクラスもあり、裾野を広げるための大会、と位置づけられているようです。
今回はシニア男子ではメンショフ、ジュニアではアリエフ、シニア女子ではレオノワ、アルテミエワといったところが出場していました。

昨日までにSP終えて、ジュニア男子ではアリエフ、シニア女子ではレオノワがトップになってました。
そしてシニア男子!メンショフが91.68(TES51.03+PCS40.65)という報が!
こちらがその動画です。



4S降りたところで思わずガッツポーズが出てますねー!ただ、足元がちょっと乱れはしたもののあまりに軽々と跳んでいるのでほんとにクワドですか?という感じがしなくもない(というかこの人はいつもそうですが)

これがスケートアメリカに赴いているガチンスキーやピトキエフへの応援の狼煙となるでしょうか?
そして今日はFS。
はたして、クワド3本入れてくるのでしょうか。楽しみは尽きません。
こちらが 男子SPプロトコル
キリル文字で読みにくいかもですが書式は同じです。

しかし本当に改めて「アスリートは年齢では測れない」とつくづく思いました。
フィギュアスケーターの選手寿命、というのはけして長くはありません。多くの選手が20代中盤で引退する中、26歳でGPSデビューして、それから毎年パーソナルベストを上げ続け、プログラムのグレードもアップさせている。こんなスケーターが今までいたでしょうか。
ちなみに彼のPBは昨シーズンの最終試合となった欧州選手権です。

ぽちよろしく、更新のモチベになります
にほんブログ村 その他スポーツブログ スケートへ
にほんブログ村

こちらも
blogram投票ボタン
関連記事

テーマ : フィギュアスケート
ジャンル : スポーツ

プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

カレンダー
09 | 2014/10 | 11
- - - 1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31 -
最新記事
最新コメント
カテゴリ
アクセスランキング
[ジャンルランキング]
スポーツ
47位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
ウィンタースポーツ
8位
アクセスランキングを見る>>
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

拘りと屁理屈
検索フォーム
カテゴリ
リンク
検索フォーム
RSSリンクの表示
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR