アリョーナ・レオノワ:「私が現役を続けるのは競技への愛からです」 スケートアメリカ2017後インタビュー


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(スケートアメリカSPより)


スケアメも終わり、GPFに向けて滝のように出てくる情報を整理しつつ、今日見つけたのがアリョンカ(レオノワちゃん)の二本のインタビューでした。読んでいて、もううるうるきてしまって、これはぜひ皆さんに知ってもらいたい、と彼女の言葉のみツイしたのですが、そしたら驚く程反響いただいてしまって。以前もお話したように、インタは流れが大事、と思ってるので抄訳や部分訳はなるべくしないようにしてるのですが、やっぱりこれは少しでも早く、多くの人びとに知っていただきたい、と考えたので、彼女の言葉のみ抽出してお伝えすることにしました。いつものように、ロシア語者の友人にチェックをお願いしました。本当にありがとうございますm(_ _)m

++++++++++
<アリョーナ・レオノワ:私が現役を続けるのは競技への愛からです>

正直言って私には、スケートをして観客に喜んでもらうこと以外のことはできないと思っています。そして自分自身も滑りから楽しみを受け取っています。私は、拍手、声援が大好きです。私にとって、彼ら観客が私を忘れないでいてくれると感じられることが重要で、これら全てが私のモチベーションになっています。

=====ロシア語本文=====

ここで記したのは本文の緑枠の彼女の言葉ですが、ほかにも彼女は、現役を続ける動機付けとなっているものとして、ファンの応援をあげており、また自分の競技生活の中で、ターニングポイントとなったのが昨年、最下位に終わったGPSフランス大会である、とも述べています。どん底を味わったベテランがどのように気持ちを立て直し、今年のこの安定した成績につなげているのか。(いや、順位的には決して高い、とは言えないかもしれませんが、今年の演技の安定度はここ数年の彼女とは比較になりません)
彼女もそれに手応えと自信を感じているようで、その旨インタの中でも述べています。

今年は彼女によく似合ったプログラムが揃い、ロシア選手権でも久しぶりに上位に食い込んでくるのではないか、と期待しています。
SPはちょっとコケティッシュな大人の女性っぽいプログラム。トロッとした歌声と、彼女の豪速スケーティングがミスマッチそうなんですが上手く溶け合って、見事な「レオノワ色」のプログラムになっています。衣装もシックで素敵。くるくる変わる表情がとっても魅力的です。点数が高かったのはスケアメですが、ハツラツとした彼女らしい雰囲気を感じたのはNHK杯の方なので、こちらを。
<SP>


そしてFS。インド映画のサントラから。こういう世界は本当に彼女独自のものですね。そして、指先や表情にも細かく気が配られていて、表情の音ハメ(これは彼女のプロ全般に言えますが)も素晴らしい。
もう1本のインタビューでは、スケアメの際、評価の低さにショックを受けた、と言っていましたが⇒こちら
確かにほとんどノーミスで終わりには激しいガッツポーズ、からのこのキスクラの表情を見るとそれが伺えますね。
<FS>


ジャッジスコアを見てみますとこうなっていて、
Screenshot-2017-11-27 gpusa2017_Ladies_FS_Scores pdf - gpusa2017_Ladies_FS_Scores pdf
ジャンプは回転不足もエラーも一つもなし、スピン・ステップはオールレベル4、エレメンツはずべてGOEプラス、と非の打ち所がないはずなのですが・・・・
いかんせんPCSが低い。もうちょっとくれよー、とか思っちゃいますが(笑)。
特に競技者の独自性、というか個性を評価するのであれば、後ろ3つはもうちょっと高くてもいいんじゃないかなー、と思います。でも、逆を言えば27歳のベテランにしてこれだけのTESを出す力を持っていて、テクニカル面ではまだまだ若手と伍して戦える、というのはすごいことなんじゃないか、とも。ただ、PCSは一朝一夕に上がるものではないし、だから彼女はショックを受けたんでしょうか。ただ、こういう(言葉は悪いですが)奇をてらった感のするプログラムにはジャッジもなかなか点を出しづらいのかなぁ。

でも、こういった自らの努力をくじかれるような思いをすることがあっても、スケートへの愛情とファンへの思いを語ることのできる彼女を、私は本当に尊敬します。我々ファンの思いが彼女が続けていく力になる、というのなら、もうなんでもしてあげたい。
ただ、この文からだと、「現役を続ける」のが「来期を含めてこれからも」なのか否かはちょっと読み取りにくいです。でも、本当に続けてくれたら嬉しいなぁ。彼女はなんといっても、このロシア女子黄金期を拓いた功労者なのですから(このことはいずれまた)。

ショートカットのあどけない女の子が、失敗演技のキスクラでヘーゼルのおっきな瞳に涙をいっぱい貯めて、それでもとなりのコーチに心配かけまいとしてか、必死に涙をこらえてる様子を見て、「あああああアリョンカなかないでええええ」とこっちが泣いちゃったことが昨日のように思い出されるのに(今も思い出し涙(笑)、こんなに素敵な女性になって。

セリョージャといい、アリョンカといい、今年はロシアのベテランの凄みをつくづく感じるシーズンです。

最後にこの写真を貼っておしまいにしましょう。セリョージャとアリョンカです。多分2009年のロシアンナショナル後かな。あの頃から今まで、本当にいろいろなことが2人にはありました。まさに「艱難汝を玉にす」を地でいってきたふたりです。これからも少しでも長く現役を続けて欲しい。そう思わずにはいられません。

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【動画特集】ロシアテストスケート 男子FS


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(ドミトリー・アリエフ、R-スポーツより)


さて、昨日の続き、ロシアのテストスケート、男子FSです。

SPはこちら

あと、昨日も申し上げましたが、これは「今年はこんな感じで」という発表会のようなものなので、ジャンプは流していたり、リカバリー前提で跳んでいたり(だからザヤってる場合もあり)しますので、ジャンプ構成はこれだけではまだまだはっきりとはわかりません。この位置でこのジャンプやるつもりなんだなー、位の感じで見てください。

では、まず昨年のロシアンチャンプから。
ミハイル・コリャダーです。

プレスリーメドレーかな。細かい洒落た仕草がてんこ盛りで、これは楽しカッコいいプロになりそうです。たくさんのつなぎも健在。転倒はしましたが、クワドルッツ高い!今年も楽しみですね。


アンドレイ・ラズーキン

いやー、久々に登場したロシアの正統派王子様ですよね!やっぱりロシアには王子様がいなくちゃ!
曲は「仮面舞踏会」。ジーマがSPで用いていましたが、彼の重厚で雄大な感じとは全く違って繊細で優雅な感じ。同じ曲でもこれだけ表現が違う、というのがフィギュアスケートの楽しさでしょうか。複数のクワドで構成も攻めていますね。
端正な面立ちも相まって、GPSでたら人気でそうです。自国枠奪取頑張れ!


アレクサンドル・ペトロフ

持ち越しプロかな。「シカゴ」。ジャンプ構成も変わってますし細かい編曲に変更あるかも。
クワド入れてきました。細かい仕草もおしゃれで、滑りは堂に入っていますね。彼の良さが出てるプログラムだと思います。あとはクワドを決めきる体力かな。長くシニアでやってる彼、もう一花欲しいです。


セルゲイ・ヴォロノフ

「サラバンド」。静かな出だしからぐうーっと盛り上がっていくところ、いいですね!ベテランらしい表現が出来てると思います。なんか胸に迫って来るようで、とても素敵です。
ジャンプは4T2本、3A2本かな。4Loに挑戦している、とのことでしたが組み込んではきませんでしたね。あと、これでは3Lzも2本跳んでますが、恐らく4Tのどちらかを落とした時のリカバリーでしょう。
しかし、ジュニア時代の古傷から、長くルッツジャンプを跳ぶことができずに苦しんでいた彼が、こうしてプログラムに複数のルッツを組み込んできているのを見ると、涙が出そうになります。こうして、ベテランの挑戦は続くのですね。


そして、ことしシニアとして本格始動する2人です!彼らがどこまで五輪争いに食い込んでくるか、本当に楽しみです。


アレクサンドル・サマリン

画質があまり良くないですが、冒頭が切れていないのがこれしか見つからなかったので。。。やっぱりフルでみたいですよね!
ロックしてます。いかにも彼らしい大きくダイナミックな男らしい表現がすごく生きてると思います。ジャンプも果敢に挑戦してきていますね。彼のいいところは、ダイナミックさが雑さに堕すことなく、最後まで丁寧に演じきれているところだと思います。そして大柄で手足の長いところが更にそれを活かしていますよね。これも衣装が楽しみなプロです。


ドミトリー・アリエフ

いやー、すごい!一気に構成を上げてきました!冒頭の4Lzの綺麗なこと!トリプル?って感じで軽々と跳んでいます。ジャンプ構成は4Lz、4S、4T2本(後半に1本)、3A2本、かな。クリーンに滑れれば一気に世界のトップクラスに食い込んできます。
そして、繊細でリリカルな曲調と彼の重厚な滑りがあいまって、素晴らしい効果を出しています。上体の動きも大きく、リンクも広く使えていて、とにかくプログラムのスケールが大きい!あとはジャンプをしっかり入れつつ滑りきるだけの体力ですね。
クリーンに決まったら、ほんと、涙モノのプロじゃないでしょうか。
ただ、3Fが3Loからの3連のサードジャンプにつかわれているので、彼のトレードマークともなっていたあの膝くるくる3Fがなくなってしまったのがいかにも寂しいです。あれは彼独自のものであっただけに、残して欲しかったなぁ。 


今年もテストスケートが終わり、楽しみなプログラムが出揃いました!
これからCS,GPSと続いていきますが、本当にワクワクしますね!



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【動画特集】ロシアのテストスケート、男子SP

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(セルゲイ・ヴォロノフ)



ロシアのナショナルメンバーとサブメンバーによるテストスケートが土曜よりソチで始まりました。これはメンバーたちがそれぞれ今年のプログラムを披露し、指導者たちに感想やアドバイスを聞いたり、観客の反応を見たりするものです。これがショー形式になったものが日本のDOI、と考えていただくとわかりやすいかな。ただ、テストスケートはショーではないので、まだ練習着で滑る選手もいたり、ジャンプ部分は流していたりもします。
「今年はこんな感じでやりますー」というのを見せ合う合同練習会、といった感じでしょうか。毎年九月上旬に行われ、動画も上がるので、楽しみにしてらっしゃる方も多いでしょう。

早速動画も上がってきましたので、男子のSPを。

FSはこちら

今年はオリンピックシーズンでもあり、みんな力を入れてきているでしょうから、楽しみです。そして今年から本格的にシニアで始動するジーマ(アリエフ)、サマリンも加わり、ロシア男子もこれから競争がさらに激しくなることでしょう。
ただ、ナショナルメンバーの1人であるコフトゥンは、健康上の理由、ということでソチには来ていたようですが(観客席にいた、という情報がありました)参加はしていなかったようです。
では、動画行きます。
上にも書いたように、まだ選手たちは体が出来上がっておらず、特にジャンプは流していたり、またまだ不完全な出来だったりもするので、今年の彼はこういう世界感のプログラムをするんだなー、という感じで見てください。

まず、昨期のロシアンチャンプ、ミハイル・コリャダー。

小柄ながらもさすがの存在感です。まだジャンプは完全ではないようですが、クワドルッツとクワドトウ、2本の4回転を入れてくるようですね。


そして、アンドレイ・ラズーキン。

去年、彗星のように現れた・・・という感じですが、コフトゥン、コリャダーたちと同世代です。ジュニアからシニアに上がる際、怪我でしばらく本格的な練習ができなかったようですが、やっと復活してきました。久々の、いかにもロシアらしい正統派王子様、という感じのスケーターです。昨年のロシア選手権4位、そしてユニバーシアードでも好成績を残し、サブながら、ナショナルメンバーの座をつかみとりました。おそらく、ロステレコム杯の自国枠の最も有力な候補なのではないでしょうか。


今年30歳となるベテラン、セリョージャことセルゲイ・ヴォロノフ。

2006年の世界ジュニア選手権で彼に惚れてから、ずっと応援してきましたが、様々な怪我や苦難を乗り越え、これだけ長く現役を続けてきてくれた彼には本当に感謝と尊敬しかありません。こんなに長いこと見続けることができたのは本当に幸せです。
そんな彼が五輪シーズンに選んだのは、「アディオス・ノニーノ」。
これは彼が初参加したワールドでジェフリー・バトルが滑っていた曲で、セリョージャはそのバトルに憧れに憧れて、彼のように踊りたい、彼のように滑りたい、と翌年のプログラムに当時コーチだったウルマノフの反対を押し切って、ピアソラのタンゴを用いた、という経緯があります。ベテランである彼にとって、原点回帰となるプログラムなのでしょうか。なんだか、胸が締め付けられます。
そしてその反面・・・というかちょっとツッコミを。上の写真はセリョージャの演技前ですが、このセーター、見覚えありませんか?これ、おそらく初めて演技中に着たのが、2010年のロシア選手権のEXで「キャンドル・ライト」を滑った時でした。そして、ショーにおいて「道化師」を初披露した時も、一昨年にバトルのプロでテストスケートに臨んだ時にも着ていました。ひょっとしてこのセーターは、彼にとって勝負服、いやそんなのをはるかに超えて戦友のようなものなのかもしれません。
そして彼は、今までずっとループだった単独ジャンプをルッツに変更してきました。さすがベテラン、挑戦も忘れてはいません。


アレクサンドル・ペトロフ。

シニアに上がるのが早かったため、ベテランみすら感じさせる彼ですが、まだまだ若いんです。しかし、その若さをいい意味で忘れさせてくれる安定性と表現力が彼にはあります。今年は本格的にクワドを投入してくる様子。もっともっとはっちゃけて欲しい感じもします。


そして、ここからは今年からシニアとして本格始動する2人!どれだけ彼らが先輩たちを脅かすことができるでしょうか?とにかく彼らの強みはジュニア時代にSPの規定ジャンプがフリップだった時を経験しているので、エッジエラーがないことです。Fのエラー持ちの多いロシア男子の中ではこれは大きなメリットです。


まず、アレクサンドル・サマリン。

ヴォーカル入りの現代風アレンジの「月光」。
男らしくダイナミックな表現をする彼によく合ってると思います。まだジャンプの調子がイマイチのようですが、(でも、クワドルッツ入れてきました!)昨期に比べてジャンプが大きくなった気がします。
この曲は衣装も楽しみですね。思いっきり派手にしても似合いそうですし、彼の体型を生かしたシンプルなものも似合いそう。期待、大です!


そしてジーマこと、ドミトリー・アリエフ。彼も楽しみですよー!

仮面舞踏会、の曲に乗って、見えないパートナーと踊っているかのようです。
そして回転するたびに、彼のえぐいまでに深いエッジが強調されて、いやー、これはカッコいい!ミリオタ&制服ヲタの私としては、是非軍服衣装でお願いしたい。といっても、ソチシーズンのトランコフさんのような衣装でクワドを跳べ、というのは鬼ですから(笑)、多少簡略化してもいいかな。とにかくあのテの衣装というのは体に厚みがないと似合わないので、しっかりとした骨格をしているジーマには本当に似合うと思うんですよ。
昨期に比べて、腰周りと太ももがかなりしっかりしてきているので、オフシーズン、かなり充実したトレーニングができていたことが伺えます。
彼のコメントによるとSPには2本、FSには4本のクワドを入れてくるそうで、これもまた楽しみです。SPはクワドルッツとクワドトウですね。

そして本日、FS(ダンスはフリーダンス)が発表されます。情報のある選手、ない選手いろいろですが、とにかく彼らが渾身の力で作り上げたであろうプログラムを待ちたいと思います。
ロシア男子の五輪出場枠は2つ。誰がそれを勝ち取るのでしょうか?





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アントン・シュレポフ 4Lzナイストライ!来季に羽ばたけるか ―ロシア選手権男子総括(3)


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ロシア選手権男子総括、これが最後です。第3弾はアントン・シュレポフ。
誰それ?という方も多いかもしれませんが、今の私のイチオシです。(セリョージャとジーマは別格。)振り返り、というよりはこれからに期待してのご紹介、という感じになるかな。
12月28日に放映されたロシア選手権で、ちょっと不思議な感じの曲で滑ってた4Lzコケた子、というと思い出してくださる方もいるでしょうか。ジーマやレオノワと同じルカヴィツィンコーチの門下で、サンクトペテルブルグのスケーターです。現在20歳。
トウジャンプを得意とし、Lz,Fの跳びわけも完璧。3連には3A-1Lo-3Fを入れています。昨シーズンの末から4Lzをプログラムに導入し始めました。
表現の引き出しが非常に広く、どんな種類の曲もこなしてのけます、というかアントン色に染めてくれます。自分の見せ方を知っている、というのかな。ずっと地方のクラブで滑っていて、確かペテルに出てきたのは2014年だったと思います。その頃、ルカヴィツィンコーチがインタビューで、
「最近入ってきた子で、感情を滑りに出すのが抜群にうまい子がいる。一度リンクに降りて滑り出すと、あっという間にプログラムに入り込んで、どんな時でもどんなところでも登場人物になりきってしまえる。」
とアントンのことを評価していて、以来注目するようになったのでした。この3年間、本当に様々なプログラムを滑っていて、それがほとんどハマっている、というのはすごいなー、と思います(動画を貼りますのでぜひ見てください)。
だからといって無個性なわけではなく、しっかりした自分の“色”を持っているのが彼の魅力でもあります。

SP 4Lz<<(fall / 3A 3Lz-3T

ほかのエレメンツがすべて加点付きで質の良いものだっただけに4Lzの転倒が残念。ジーマの重厚さとはまた違ったシャープなスケーティングの持ち主で、最後までスピードが落ず、曲に合わせてエネルギッシュなステップを踏んでくれました。

FS 4Lz<(ft 3A 3Lo / 3A<-1Lo<-3F< 3Lz 3Lz-2T 3S< 2A-2T

4Lzはなんとか着氷するも、両足着氷とアンダーローテーション。緊張感かかなり動きが硬くて、彼本来の柔らかくしなやかな所作が見せられなかったのが残念。スタミナ切れか、後半は刺さりまくりましたね。
タラソワさんが「チィティリノエ ルーッツ!」とエキサイトしているのと、3A-1Lo-3Fのところで、「ジェーニャ・プルシェンコが跳んだジャンプね」と言っていたのが印象に残りました。

さて、ここからは彼の過去プロを振り返ってみたいと思います。

2015-16 SP 4Lz / 3A 3Lz-3T

しっとりした男性ボーカルに、彼の柔らかい動きとシャープなスケーティングがすごくマッチしています。

2014-2015 SP 3A 3Lz-3T / 3F

上とは一転してコミカル調。表情も豊かで、小芝居も入って、と楽しいプロです。サスペンダーはやっぱり最強の小道具ですね。

2014-2015 FS

フラメンコギターとカスタネットの旋律にのせて細かくステップを刻んでゆくのがとても素敵。動きにも表情にもメリハリがあって、手拍子の際のドヤ顔たるや。3Lzのセカンドには2Lo。こういった細かいところでも基礎点上げの工夫が。

2015-2016 FS

昨期のFS。アントンのプログラムではこれが一番好きかも。これも何度もジャンプ構成変えて、最終的には冒頭に4Lzを入れて成功させてるので、ぜひ継続させて欲しかった。ジャッジの前でニコニコしながらハートマーク書いてみせたり、神妙な顔で袖口いじったり。ノリノリの曲で見てるこっちも楽しくなってくるプログラムです。


最終的にはSPから順位を落として9位でしたが、ユニバーシアード派遣が決まったので、なんとかそこで一花咲かせて欲しいものです。来期は是非GPSの枠が欲しい。ニース杯2位、タリントロフィー2位、と国際試合の経験も積んできているので、一人でも多くの人に見てもらいたい、と思うスケーターです。

まずは、ユニバーシアード頑張れ!


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ロシア選手権男子総括 王国復興なるか

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(ライブストリーミングより)

もうはっきり言い切ってもいいでしょう。
3年後には間違いなくロシア男子が世界を席巻する。そして今年がその起点の年となる!と。
いや、今年ワールドで3枠がとれたら、それはもっと早いかもしれません。思えばリーザとアデリナがロシア選手権でワンツーフィニッシュを決めた時、5年後は男子だ!と思ったものですが、ちとそれより時間がかかったかな。
いや、これは単なるファンの欲目ではなくて、ちゃんとした根拠があるのです。
女子に比べて男子は成長の過程もあって、どうしても世界で活躍し始めるのは遅い。それだけシニアの壁が厚い、と言いましょうか。
そして、ロシア選手権出場メンバーの年齢を見てみるとよくわかりますが、セリョージャ(29歳)から下がぽっかりと空いていて、それにドミトリエフJr.(24歳)、コリャダー、コフトゥン(21歳)、シュレポフ(20歳)、ラズーキン(19歳)、サマリン(18歳)、ペトロフ、アリエフ(17歳)と続いています。
こうして見るとわかるように、セリョージャのみが旧ソ連時代生まれ、後の選手はみなソ連崩壊後に生まれてきた選手たちです。ソ連崩壊とそれに伴う経済危機で、多くの人びとが他国に流出しました。その中に有力なスケーターや指導者も多く含まれていました。アルトゥニアン、ズエワなど、現在北米で指導者として活躍している人々の多さがそれを物語っています。また、崩壊を機に独立した周辺国も少なくありません。そこから出てきている有力選手も数多い。
セリョージャのジュニア時代、当時コーチだったウルマノフは、
「この年代(セリョージャたちの年代)の選手をこそ大切に育てていかなければならない、なぜなら彼らは数が少ないのだから」
とことあるごとに訴えていたものでしたが、まさにそれは至言でした。しかし、それも耳を貸さず、旧ソ連時代の遺産、とも言うべきプルシェンコに頼りきっていたが故の男子先細りでした。セリョージャの年代は、ソ連崩壊に伴う経済危機の中で幼少期を過ごしています。当然、子供に習い事をさせたりするゆとりもなかったでしょうし、連盟自体も選手発掘に力を注ぐ余裕もなかったし、指導者の流出で最も大切なノービス、ジュニア期に良い指導が受けられませんでした。その中である意味、セリョージャの存在は、ロシアの救い、奇跡、とも言えるでしょう。
そして今、ソ連崩壊後に育った自国の指導者たちのもとで発掘され、彼らの指導を受けて育ってきたのが、上に名前を挙げた選手たちなのです。

ロシア女子台頭のトップとも言えるリーザは現在20歳。ということを考えると、彼女の同年代の男子選手が台頭してくる。というのも自明の理なのです。

また、今回のナショナルで、本当に新採点がロシアに根付いたな、というのも強く感じました。これは、現役時代を新採点で過ごした若手指導者たちの存在も非常に大きい、と思います。指導者が若い、ということはそれだけ未来がある、と考えても良いのではないでしょうか。

というわけで、上位陣の動画を。親しみやすいように英語解説のものを。おそらく米国向けに放映されたものらしく、選手の紹介も詳しくされています。


ミハイル・コリャダー(優勝) FS 4Lz(fall 4T 3A-3T 3Lz-2T / 3A 3S-2ASeq 3Lo 2A

SP,FSともにトップ、そしてFSのPCSはオール9点台、とまさに揺るぎない演技で優勝。怪我での1年以上の雌伏の時を経て、やっと花開いた感じがします。転倒はしたものの4Lzの質は素晴らしく、これが安定すれば怖いものなし、ですね。

アレクサンドル・サマリン(2位) FS 4T-3T 4T 3A-2T / 3Lz 3A 3Lo 3S 2A

JGPSは2大会とも優勝、ファイナルでも2位、という抜群の安定度で、ジュニアながら表彰台に食い込んできました。コリャダーもそうですが、大崩れの心配がない、というのは非常に頼もしいことだと思います。クワド2本、3A2本の構成。

マキシム・コフトゥン(3位) FS 4S 4T 3Lz-1Lo<-3S / 3A-3T 3A 2Lo<< 3S-2T 2A

SP7位から見事に巻き返してきました。さすがにロシア3連覇、の実力は伊達ではありません。精神力、体力ともに地力がついてきたかなー、と思います。以前のように崩れっぱなし、ということはなくなりました。以上3人がユーロ派遣メンバーです。

アンドレイ・ラズーキン(4位) FS 4T 4T-2T 3A-2T-2Lo 1A / 3Lz-2ASeq 3Lo 3F 3S

予選からの出場組。怪我や不調などでシニアでの実績はほとんどない彼のここまでの躍進を予測した方は少なかったでしょう。いかにも王子様、という風貌と優雅な所作、そしてクワド2本の構成。来期が楽しみです。

ドミトリー・アリエフ(5位) FS 4T 3A-2T / 3A 3Lz-3T 3Lo(fall 3F 3Lz 2A-1Lo-3S

クワド一本ながら、後半6ジャンプ、うちコンボ2つ、という攻めの構成。FSでは4位だっただけに、SPの失敗が惜しまれます。上体の線の出し方の美しさ、早さとエッジワークの巧みさを併せ持ったSSの高さは、シニアに行っても強い武器となることでしょう。彼独自のニースライドから入る3Fも健在。

セルゲイ・ヴォロノフ(7位) FS 4T 3A 4T<+REP 1A / 2Lz 3S 3Lo-2T-2Lo 2A-2T

彼の台乗りはSPの3AとFSの二本目のクワドが鍵になるだろう、と思っていましたが…。二本目のクワドを失敗したことで雑念が入ったかな、その後のジャンプ3連続失敗。これが致命傷となりました。特に彼が得意のサルコウでミスるのは珍しいです。結果としてナショナル今まででの最低順位(これまでは参加初年、2年目の6位)。二年連続で表彰台を逃す、というベテランには厳しい結果となりました。

アントン・シュレポフ(9位) 4Lz<(ft 3A 3Lo / 3A<-1Lo<-3F< 3Lz 3Lz-2T 3S< 2A-2T

彼も予選組。GPSの経験はありませんが、CSでの台乗りは何度か経験しています。ただ、緊張があったのか動きが全体に硬かったですね。もっと美しく所作を見せられる選手なだけに残念です。緊張からくる疲労か、後半目に見えてスピードが落ち、それが跳び急いでの回転不足につながったのでしょうか。来期はロステレの自国枠をラズーキンと争う形になるかな。

というわけで、ロシア選手権は無事終わり、ユーロ派遣選手もスムーズに決まりました。(正直これが一番ホッとしています)
これからユーロ始め、ジュニアワールド、ユニバーシアードと次の試合が控えています。選手たちには怪我なく全力を出しきれる試合でありますように、と心から祈りたいです。


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スタートは波乱含み?そして私の推しメンは!ロシア選手権男子SP

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(セルゲイ・ヴォロノフ SP2位、写真はR-スポーツより)


12月22日、ロシアンナショナルが行われました。最初の種目は男子SP。
こちらが
男子SPリザルト
男子SPジャッジスコア

ご覧頂いてもわかるとおり、波乱含みのスタートとなりました。特に、同じゴンチャレンコ門下のセリョージャとコフトゥン、ルカヴィツィン門下のアントン・シュレポフとジーマ、この4人は対照的でした。
まさか、ジーマとコフトゥン、ペトロフが最終グループ落ちするとは・・・・・。
結果は
1位)ミハイル・コリャダー
2位)アレクサンドル・サマリン
3位)セルゲイ・ヴォロノフ
4位)アンドレイ・ラズキン
5位)アルトゥール・ドミトリエフ
6位)アントン・シュレポフ
以上最終グループ、7位コフトゥン、8位アリエフ、9位ペトロフとなっています。
最終グループのメンバーを見て、「え?この選手知らない!」という方も多いかと思います。

というわけで、まずは、今回最終グループ入りした中で私の一押し!をまずあげてみたいと思います。
転倒ではありましたが、4Lzにトライしたアントンです!

アントン・シュレポフ 4Lz<<(fall / 3A 3Lz-3T

パーカッションとヴォーカルが印象的な、ちょっと不思議なイメージの曲です。ルカヴィツィン組に来た時からずっと大好きなんですが、まだGPSの出場経験はありません。コーチによれば、
「一度リンクに降りるとあっという間にプログラムの中に入り込んで観客を引き込む力を持っている、感情表現の上手さは天性のもの」
ということです。確かに、若い(20歳)ですが表現の引き出しがとても広く、しっとり系、コミカル系、小粋系、壮大なクラシック、などなんでもこなします。トウジャンプが得意で、跳びわけもしっかりしており、ゴールデンスピンのSPでは 4Lz 3A 3F-3Tという構成でした。(4Lzは転倒)。また、しなやかで美しい所作を持ち、シャープなスケーティングは同門のジーマとはまた違った魅力があります。上の動画でも、タラソワ女史がステップ部分をベタ褒めでしたね。
こちらが昨期のフリーです。今年とは全く違う彼を見てください。



そして、やっぱりセリョージャです、私の場合。今年の彼はすごく気持ち的に安定しているのが感じられて、「やってくれる感」が半端ないんですが、やっぱり今回もベテランらしく、しっかりまとめてきました。

セルゲイ・ヴォロノフ 4T-3T/3A 3Lo

ジャンプの調子は決してよくなかったようですが(3A,3LoはGOEマイナス)何としてでも降りる、という気合のようなものが感じられました。このSPの衣装はとても彼のお気に入りだそうなので、衣装が彼を「引っ張って」くれたんでしょうか。2位のサマリンとの差は今日はジャンプの質でしょうか。また、彼はベテランであるとともに、どちらかというと古いタイプのスケーターでもあるので、新採点で育ってきた世代とはどうしてもPCS(特にTR)で遅れをとりがちです。(特に今日、コリャダーの演技を見てそれを感じました)。しかし、そんな中29歳というベテランとなっても上位で戦える、というのはクセのないスタンダードなジャンプ、地味にうまいスピン、と基礎技術がしっかりしているからだと思います。
SP後のインタビューでは、「自分との戦いだから、出来には満足している。3Aの時には昨年の失敗が頭をよぎってしまった」と言っていたようです。
明日のフリーは「エクソジェネシス協奏曲」。
ベテランの渾身の演技に期待!です。


最後にジーマです。彼が今年のプログラムについて語ってくれている最新インタがこちらです⇒ドミトリー・アリエフ:「僕はファイナルへの扉を最後に閉めて、それを最初に開いた」
今回はシニアの選手権、ということでSPにもクワドを組み込んできました。

ドミトリー・アリエフ 2T /3A 3Lz-3T

残念ながらクワドが抜けてしまい、この順位となりました。SPにおいては、要素ヌケは非常に痛い失敗です。やり直しがききませんから。4T⇒2Tとなったことで、彼は10点近く失ってしまったことになります。
現地の方によると、全体的に滑りが硬かった、ということなので、慣れていないシニアのSPプロを2番目、という早い滑走順で滑ることによる緊張もあったのでしょうか。滑りが硬かった、というのはPCSにも現れています。
しかし、正直言って私はこの「オブリヴィオン」は、ジュニアプロの方が好きです。ジャンプが振り付けの中に溶け込んでいて、ひと繋がりになっている、とても完成度の高いプログラムだと思います。シニアプロにしてジャンプの構成を変えることで、そのバランスが崩れてしまうような気がするのです。
ちなみにこちらがジュニア構成のもの。

特に3Lz-3Tの前にスパイラルが入っているのが、曲想の盛り上がりを感じさせてものすごく素敵です。シニアプロにはこれがないんですね・・・。
けれども、まだフリーが残っています。彼はシーズン後半からFSを変えてきましたが、曰く
「新しい曲は僕により近くて、僕は動きから快感を得ることができ、満足を得ることができ、観客席の一人ひとりの観客の視線を一人占めににすることができ、なんというか、内側から湧きあがるような感情を味わうことができます。この新しい曲では、振り付けのほかに、感情を込めることができます。」
ということなので、巻き返しに期待したいと思います。というか、順位より何より満足のいく演技をして欲しいと思います。

とにかく選手たちみんな、悔いのない良い演技ができますように、心から祈ります。そして、今年は五輪前年ですので枠数の問題も絡んできます。
選手の派遣でもめたりするようなことがありませんように。。。


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イワンに願いを ミハイル・コリャダー ―ロシアの俗信


CfC5j5WWIAQXt-y.jpg
(左より、イワン・パヴロフ、ミハイル・コリャダー、イワン・リギーニ)

先日、ロシアンの名前についてエントリーを作ったことがありましたが
ロシアン名前のマメ知識(愛称対象表つき)
今回ちょっとおもしろくも微笑ましい写真(上)を見つけたので・・・

当該エントリーにも書きましたが、ロシアには同名さんがべらぼうに多い。(スケーターにもたくさんいますね、マリア、アナスタシア、アレクサンドル、ドミトリーなどなど。いやぁ、認識が大変です(笑))

そんなわけなので、「同名さんに挟まれて座って願い事をすると叶う」という俗信があるのだそうです。

このコリャダー君の写真がまさにそれなんですね(笑)世界選手権のSP後に写したもののようですが・・・
パヴロフ、リギーニの2人のイワンに挟まれてミハイル君が座ってます。

この時、コリャダーくんはイワンズに願いをかけたんでしょうか?

もしも「翌日のFSがうまくいきますように」の願いだったら、バッチリ叶ったわけですね!(ロシアの俗信、おそるべし!)

日本でも、鈴木さんに挟まれて、とか佐藤さんに挟まれて、とか願いをかけてみたら叶うかな?(あ、これは苗字ですねw)


現在、ロシア語話者の方の協力を仰いで、コリャダーくんのインタを翻訳中です。近日中にアップできると思いますので、どうぞお待ちください!


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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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