哲学する野獣・セルゲイ・ヴォロノフ Sergei Voronov

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セリョージャことセルゲイ・ヴォロノフのNHK杯準優勝を祝して、今まで彼について書き溜めたものでカテゴリーを独立させました。
彼を応援し始めたのは2006年のジュニアワールド。小塚くんについで2位になった時でした。ダイナミックで高いジャンプ、荒削りなようでエレメンツそれぞれを丁寧に行おうとする姿勢に魅せられたのですね。そして、当時の彼のコーチはウルマノフでした!
「ウル様の弟子なの?これは応援しなければ!」
という一種邪まな気持ちもあったのですが、彼を見ていくうちに、苦労人ながらそれを表に出さない姿勢であるとか、冷静に周りを見つめる人柄であるとか、そういったものにどんどん引き込まれていきました。
特に、彼のインタビューは他のブロガーさんもおっしゃっているように、持って回ったムスカしい言い回しが多く、あるときはポエムっていたりして、訳すのに苦労するのですが、そんなところも含めて非常に魅力的です。
セリョージャを最初に「野獣」と言ったのはアイスダンサーのマキシム・シャバリンだそうですが、頑固で激しい性格と、理屈屋でポエミーなところが相まって、面白いやつだなぁ、と思う反面、育ちがいいのだろうなぁ、と思います。
表彰台に乗っていても(彼はなぜか2位、3位が多い)、必ず一緒の選手に拍手を贈り、プレゼンターに礼を尽くします。そこまでしなくとも・・と思うこともしばしばで、もうちょっとガツガツしていてもいいのに、とも。
ファンとしては、そういう人柄は嬉しいのですが、そんなところがあるからアスリートとしてイマイチ勝ちきれないところがあるのかもしれない、とも思ったり。今回のNHK杯で彼を認識してくださった方も多いようなので、セリョージャの歩んできた道を知っていただけたら嬉しいです。

セルゲイ・ヴォロノフ「趣味、読書。尊敬するアスリート、ランス・アームストロング」
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-10.html
(注)これはランスのドーピング発覚以前に書かれたものです

タラレバはないけれど・・・バンクーバー五輪
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-54.html

スケーターズ・ファイナルファンタジー ―クジャとセフィロス
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-22.html

カヴァラドッシの手紙 -セルゲイ・ヴォロノフの新プロ
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-16.html

紅と蒼のスクリャービン ― セルゲイ・ヴォロノフと羽生結弦
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-29.html

ボクは氷上のサッカー選手になります! ―ヴォロノフのインタから
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-37.html

セルゲイ・ヴォロノフ2012年世界選手権無事予選通過! インタ2つほど
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-62.html

お前どこまでヤグヲなんだ!(爆笑) セルゲイ・ヴォロノフの欧州選手権インタ
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-67.html

命ある限り 私は滑る ― 「キャンドル・ライト」
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-77.html

リッポンとナンソンの衝突事件、そして高橋・町田選手について ―ヴォロノフのインタより
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-89.html

ヴォロミオとヴォロクサーヌ ―帰ってきたセリョージャ
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-90.html

メンショフの素晴らしいクワド、そして我が友ガチンスキー セルゲイ・ヴォロノフRCFインタビュー
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-110.html

還ってきたヴォロノフのトリプルルッツ -フィンランディア・トロフィー
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-131.html

哲学する野獣 -セルゲイ・ヴォロノフ欧州選手権直前インタビュー
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-144.html

ロシア男子五輪代表の行方は・・? 欧州選手権プレカンに見る
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-148.html

お誕生日おめでとう!セルゲイ・ヴォロノフEX演技集 (1)
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-166.html

お誕生日おめでとう!セルゲイ・ヴォロノフEX演技集 (2)
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-167.html

ヴォロノフ、フィンランディア杯優勝 「僕のキャリアはまだまだ続く」
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ヴォロノフ、GPF出場決定おめでとう! ―NHK杯男子
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ヴォロノフ、GPF初出場銅メダル!―GPF男子
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野獣の横顔・セルゲイ・ヴォロノフ
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「気分はジェフリー・バトル」 ―セリョージャの昔のインタから
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白鳥は戦い続ける ―セルゲイ・ヴォロノフ、欧州選手権SP
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ピーキングの問題 ―セルゲイ・ヴォロノフ 欧州選手権3位
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セルゲイ・ヴォロノフの欧州選手権の足跡 ― 初出場(2008年)から今年まで
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セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(1) ―白皙の美少年が青年に―
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セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(2) ―挫折からの羽ばたき
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セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(3) ―我慢とプライドのせめぎ合い
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セルゲイ・ヴォロノフの歩んだ道(4) ―試練をポジティブに受け止める
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-200.html

ワタリガラスは今、翼を研いでいる - セルゲイ・ヴォロノフ、ワールドに向けて
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「それを決めるのはジャッジだ」 セルゲイ・ヴォロノフ、世界選手権SP
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痛みとの、己との戦いの果てに -セルゲイ・ヴォロノフ 世界選手権FS
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武器なしでの戦い ― セルゲイ・ヴォロノフ国別対抗戦SP
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気合の3Lz2本、根性の3Lo-1Lo-2Lo、もぎ取ったSB セルゲイ・ヴォロノフ国別対抗戦FS
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「帰り来ぬ青春」を超えて「我が道」をゆく ― セルゲイ・ヴォロノフ国別対抗戦EX
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【シーズン回顧・そして来期へ】セルゲイ・ヴォロノフのこれから―
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セルゲイ・ヴォロノフ GPS演技の変遷
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セルゲイ・ヴォロノフ、今期の振付師はジェフリー・バトル
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ヴォロノフの挑戦は続く ― 新プロへ、そしてトリプルルッツへ
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セルゲイ・ヴォロノフ EX集(3) もうすぐテストスケート!今年のプロは?
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原因は己にのみ、これからはただ練習に励む ―セルゲイ・ヴォロノフのGPS
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セルゲイ・ヴォロノフ解説者デビュー!? ―ロステレコム杯EX
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克己心と頑固さ ―セルゲイ・ヴォロノフJスポーツインタビューから
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セルゲイ・ヴォロノフ ロシア選手権12年の足跡 動画集 (FS)
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セルゲイ・ヴォロノフ、4回転ジャンプを語る
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セルゲイ・ヴォロノフ、ベテランの決意を語る ―カップオブロシアファイナル
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女性たちに捧ぐ ―セルゲイ・ヴォロノフ、国際女性デーのメッセージ
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セルゲイ・ヴォロノフ、コーチ替えと怪我のその後
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セルゲイ・ヴォロノフ:コフトゥンは、SPにおいて1つのミスを除いてしっかりとやり遂げた ―世界選手権2016
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セルゲイ・ヴォロノフ、来シーズンの展望を語る
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セルゲイ・ヴォロノフ:自らの立ち位置は己の努力で手に入れる
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セルゲイ・ヴォロノフ:僕は以前からずっと、“もう終わったスケーター”と言われてきた (インタビューⅡ)
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セルゲイ・ヴォロノフ:僕はそう悪くないパパになれると思うんですよ (インタビューⅢ)
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セルゲイ・ヴォロノフ:「今シーズン、僕は高レベルで戦い競う力を十二分に持っていることを証明したい」
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セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナの所でも、インナ・ゲルマーノヴナの所でも沢山の練習を積まねばならないことに変わりはない」―ネペラ杯後インタ
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-286.html

【動画有り】セルゲイ・ヴォロノフ ベテランの再出発 ―スケートアメリカ
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-288.html

セルゲイ・ヴォロノフ:「今日、僕は自らのできる限りのことをした」―スケートアメリカインタビュー
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【動画あり】セルゲイ・ヴォロノフ ベテランへの試練 ―ロシア選手権男子総括(1)
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-296.html

【動画あり】セルゲイ・ヴォロノフ ベテランは挑み続ける ― ロシアンカップファイナル
http://svoro.blog38.fc2.com/blog-entry-307.html

エテリ・トゥトベリーゼの語るセルゲイ・ヴォロノフ  -インタビュー抜粋
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エテリ・トゥトベリーゼの語るセルゲイ・ヴォロノフ  -インタビュー抜粋


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(2013年フィンランディア杯より)


インタビューの翻訳は、質問者と回答者の会話の流れもとても大事だと思っているので、抄訳や抜粋訳はなるべくしないようにしているのですが、今回のエテリ・トゥトベリーゼコーチのインタビューはとにかく長くて私の手にはおえなかったのと、どうしてもここは!という部分があったので、抜粋訳をあげました。セリョージャについて述べている部分です。

インタビュアーは、アンドレイ・シモネンコさん。この方はきちんとした分析力とスケーター、そしてフィギュアスケートへの愛情をしっかり持っていらっしゃる方で、いたずらに煽り記事やゴシップめいたことを書かれる方ではないので、文章には信頼がおける、と思っています。メンショフの引退インタ→(こちら)を取ったのもこの方です。また、以前日本のTV局の「ロシアのジャーナリストは羽生結弦をいかに見ているか」というインタビューを顔出しで受けていたこともあったので、「ああ,あの人か」と思う方もいらっしゃるかもです。

今回も、訳のチェックはロシア語者の友人にお願いしました。いつも本当にありがとうございます。

+++++++++++

(前略)

シモネンコ(以下S):何年か前、あなたのところには全くの成人したアスリートであるセルゲイ・ヴォロノフがやって来ました・・・

トゥトベリーゼ(以下T):・・・そして、彼をリンクに送り迎えしていたのは母親です。

S:変ですね。

T:変でしょう。けれども、それは私の妨げにはなりませんでした。もしも母親に時間があって、セルゲイがそれを望むのなら、、どうぞご自由に、でした。でも、たった一つ、このようなことがありました。 ― セルゲイは練習時間中にリンクの外に出て、母親の隣に座り込み、彼女とおしゃべりをし始めることがままありました。
これは異様なことでした。私の認識では、これはコーチングスタッフへの気配りや尊敬を欠いた行為であるように感じられました。しかし彼とともに練習をしている間、私は一度もこれについて彼に言ったことはありません。私は特にこの振る舞いが好きになれませんでしたが。

S:あなたとセルゲイとの間で、もっとより多くのことが成し遂げられたのではありませんか?

T:たまに顔を出す試合での不安定さは不安定な練習から来ていました。
それらは練習中に起こりました。アジヤン(ピトキーエフ)とセルゲイは、それぞれが毛布の引っ張り合いをしているかのように、私の関心を相手よりもより多く自分の方に向けさせようと争い始めました。今日は一人が氷上から逃げ出したと思えば、また明日は別の1人が逃げ出す、という具合に。その度に私たちを行きたくもないところへ行かせては、順番にリンクから逃げ出していました。
彼らの間では練習中や試合の時に、なぜか一緒に些細なことでの比較し合いが行われていました。色々なことが起こりました・・・
例えば、我々がアジヤンのための曲を見つけたら、突然セルゲイが、ずっとその音楽で僕が滑りたかったんだ、と言いだしました。そして癇癪をおこしました。なぜなら、その曲でアジヤンのためのプログラムを作ったからです。
デイジーの花びらをむしって「愛してる・・・愛してない・・・」というような子供じみた行為が繰り返されていました。

S:しかし、ヴォロノフはもう完全に大人で、30歳直前でした。

T:ええ。私は両親たちが言うように、もう彼は自分自身でもって全てを知らなければならない、と思っています。
しかし、私は今もって自分自身で全てを知っている男子生徒にあったことがありません。

(以下略、次の段落からはメドヴェージェワの話題)

=====ロシア語本文=====

++++++++++

以上です。

ただ、ここで注意しなければいけないのは、これはあくまでもコーチとしてのエテリ・トゥトベリーゼに見えていた彼女の生徒としての当時のセリョージャである、ということです。彼女の言葉に嘘はないでしょう。しかし、人間は良くも悪くも変わるものです。現在のセリョージャが、当時と同じままの彼であるとは限りません。そして、意識するかしないかは別として、人間は人によって見せる顔が違ってくるものです。これは、同じインタビューで触れられていたアジヤン・ピトキーエフについても同様です。

また、以前にも述べたことがありますが、ロシアは「呼びかけ文化」で、名前をどう呼んでいるかでその相手との距離感を測ることができます。
エテリは、原文でも一貫してセリョージャとピトキーエフのことを、「セルゲイ」「アジヤン」と呼んでいます。教えていた頃もこうであったはずはないと思われるので(実際、現在セリョージャのコーチであるゴンチャレンコ、そして元コーチのモロゾフは、彼のことを「セリョーガ」と呼んでいるのが他のインタからわかります)、エテリにとって、彼らはそれだけもう親しみを持てない存在になってしまっていることがうかがいしれるのです。(ちなみにメドヴェージェワのことは「ジェーニャ」呼びをしています)

ただ、このインタビューで興味深いのは、シモネンコさんがなんとかエテリからセリョージャとの関係のポジティブな部分を引き出そうとしてるにも関わらずsageが止まらなくて、挙句の果てはまたアジヤンの話題にループしそうになったためメドヴェージェワに話を振ると“華麗なるageのターン!”てとこですね。

あと、時系列で他のインタをも追っていくと、セリョージャのエテリ不信が決定的になったのはソチ後かな、と思います。
彼の4Lo挑戦に賛成しなかったことに、エテリが彼に納得のいく理由を出せなかったのなら(当時同門の若手のモーリス・クヴィテラシヴィリは既に4T、4Sの2種クワド装備)、自分には伸びて欲しくない、若手への刺激剤程度であればいいと考えてるのか、とセリョージャが思ってしまっても無理はないだろうと思います。
そして、質問のところを見るとシモネンコさんの問いを遮るようにしてエテリが答えているようにも見えますね。(・・・があるところからしても)動画がないので口調まではわかりませんが、よっぽどセリョージャと彼の母の関係が気に入らなかったように感じます。

セリョージャにこんな面があったなんて、と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これもまた 「セルゲイ・ヴォロノフ」という人間の事実です。

そして、エテリから見たセリョージャ、とは別にセリョージャ側から見たエテリがどういうものであったのか。それは我々には知る由もありません。ただ、推し量ることができるのみです。

エテリから離れた当時のセリョージャのインタビューがこちらにあります→「セルゲイ・ヴォロノフ:自らの立ち位置は己の努力で手に入れる」
あわせて読んでいただけると幸甚です。



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セルゲイ・ヴォロノフ ベテランは挑み続ける ― ロシアンカップファイナル


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4CCで沸き返る中、ロシアではロシアンカップファイナルが行われました。これはシーズン総決算、とも言える国内戦です。選手権に出る選手の調整であったり、来期シニアにあがる選手がシニアプロに挑戦したり、新構成を試したりと、選手によって様々な意義を持った大会でもあります。

ロシアンカップファイナルリザルトページが⇒こちら

ナショナル7位となってユーロ、ワールドへの道が絶たれたセリョージャにとっては、来期を見据えての試合であったことだろうと思います。
ここのところ、SNSなどに上がってくる写真がなんとなく暗い表情に感じられたので、ちょっと不安もあったのですが、それは杞憂でした。

何となくからだが重そうで、好調、とは言えない様子ではありましたが、「俺はまだ終わらない」というのをしっかりと見せてくれました。順位こそは、サマリン、ペトロフに次ぐ3位ではありましたが、彼にとっては実りのある試合であったことと思います。

まずはSP。
4T<-3T,/3A 2Lz

なんと、単独ジャンプをLzにしてきました!不慣れなためか、入りに気を使いすぎたのかダブルになってしまい、要素抜けとなってしまいました。結果的にはこれが響いた印象ですが、セリョージャにとっては大きな転機です。
彼にとってルッツはいわば天敵とも言えるジャンプで、古傷(ジュニアの時の疲労骨折による偽関節)から、しばらく跳べない時期が続いたこともあって、どちらかといえば苦手としているジャンプです。それを失敗の許されないSPに組み込んできた、ということは来期を見据えてのことなのでしょう。

そして、FS。
4T< 3A-2T 3T-1Lo-3S< 3A / 3Lz-2T 3Lz 3Lo 2A

大幅に構成を変えて、ルッツを2本に、そしてハーフループ(-1Lo-)からの3連を試合で初めて入れてきました。ルッツ2本は前回の国別対抗戦でもありましたが、あの時、「セリョージャが3Lzコンボ跳んだぁぁぁ!」と大泣きしてしまったのを覚えています。
そして、初めてとなったハーフループコンボ、残念ながらサードの3SがURとなりましたが、ハーフループ部分が軽々としていてすごく綺麗で、きちんとサードジャンプが決まれば、大きな加点が予想できます。
SP,FSとも4TにURがついたことで、衰え?とも思いましたが、他の選手も見てみますと、かなりエッジや回転、レベル、といった技術的な面を厳しく見ている傾向があるようなので、ここは頑張ってもらいたい、と思います。女子でも技術的なジャッジングは厳しくなっているな、と思いましたが、全体的に選手たちの技術レベルが上がってきたことで、そうしないと差がつかない、という面もあるのでしょう。
そんな中、URとなった4Tと3連コンボ以外は全て加点付きでエレメンツをこなしている、ということは、まだまだ地力はある、と言えると思います。
そして、来期を見据えて入れてきたジャンプがほぼ成功したことで、彼的には実りのある試合であったのではないでしょうか。
正直、ナショナルの成績で・・・・ひょっとして・・・・と思ってしまっていた自分が恥ずかしいです。
ええ、セリョージャはやっぱりセリョージャでした!

ナショナルでこのプログラムを演じる彼に、Jスポーツの解説の方が、
「スケートが本当に好きだ、と言う気持ちが伝わってきますね」
というようなことをおっしゃってくださっていましたが(ボロボロ、といっても良い演技だったのにも関わらず・・・)本当にこのプログラムからは、セリョージャのスケートへの愛と、アスリートとしての思い、のようなものが伝わってきて、いつもグッときてしまいます。

現在コーチをしている彼とほぼ同期だったアレクサンドル・ウスペンスキーがインタビューでセリョージャのことを
「彼は根っからのアスリート気質」
と言っていましたが、まさにその通りなのでしょう。
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これは表彰式の写真ですが(ミハイルさん撮影)、サマリン、ペトロフといった10代の選手たちと伍して戦い、脇を固める名俳優のようにしっかり安定して台乗りしてくるセリョージャ。(いや、中央に来てくれてもいいのよ!)
ベテランの頼もしさと力強さを感じさせてくれた試合でした。

今年は選手権の出場がないことで、WSがかなり下がってしまうことが予想されます。来期のGPS出場がどうなるかはわかりませんが、いつまでもベテランらしい厚みのある演技を見せてもらいたいものです。
2006年のジュニアワールドで彼を見つけて以来、こんなに長く応援してこれるとは夢にも思いませんでした。何度このままFOしてしまうのではないか、と思ったことか!

彼を見つめ続けることができて本当に幸せです。来期も楽しみにしています。




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セルゲイ・ヴォロノフ ベテランへの試練 ―ロシア選手権男子総括(1)


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(ライブストリーミングより)


さて、今回からは私個人の推しに焦点を当てて振り返ってゆきます。
まずはセリョージャ。
今回は、セリョージャ、アリョンカ、リーザと、男女ともにベテランには厳しい大会となりました。
特に今年のセリョージャは、インタ等読んでも公私等充実しているのが感じられ、GPSではロシア男子唯一の台乗りを果たし(CoC3位)、海外の解説者からも「やっと彼は自分の居場所を見つけた気がするね」とその充実ぶりを評価されていただけに…。
本当に、なんというか今年のセリョージャは「やってくれる感」が半端なくて(ファンの欲目かもしれませんが)台乗りは間違いないだろう、と思っていたのです。が・・・

ただ、セリョージャにとってナショナルの鍵はSPの3AとFSの2本目のクワドだろう、と思っていました。なぜなら、今までセリョージャはSPの3Aが抜けた年(2010-11シーズン、昨シーズン)、表彰台を逃しているからです。

しかしまさかこういう結果が待っているとは。まあでもそれがセリョージャだよなぁ、と長年応援してきたファンとしては思います(苦笑
でも、そんなジェットコースターみたいなアスリート人生送ってるセリョージャが、そんな中を生き抜いている彼が、好きで好きでたまらなくて、ここまで来たのですから。

まずSP。ロシア語解説で。
 4T-3T / 3A 3Lo

あまりジャンプの調子が良くなかったようですが、それでもしっかりと降り、ベテランらしくまとめてきました。終了時点でコリャダー、サマリンについで3位。
このSPプロ、私は正直すごく好きなのです。
けれども、なぜか何かが、そううまく言い表せないのですが、最後の1ピースが足りない、というか上手くはまっていない気がして…。それがはまれば本当にドカーンと人々を落とし込むような凄みのあるプログラムになっていたと思うのですが―。なんとも歯がゆい感じが最後までぬけませんでした。
セリョージャは、自分との戦いだったから、出来については満足している、ただ3Aに入るときは去年のこと(抜けてしまったことだと思います)を思い出してしまった、とコメントしていました。そして、GPSよりもナショナルの方がハードだ、とも述べていました。
確かにそれはわかります。GPSの方がはるかに強敵は多いでしょうが、失うものはあまりない。とにかく挑戦者としていけるでしょうが、ナショナルはISU選手権への道がかかっています。それを失う、ということは自らの将来にも直結してきます。ベテランであるが故に、それは重い。
セリョージャはそれを痛いほどわかっていたはずです。

そしてFS。4T 3A 4T<+REP 1A / 2Lz 3S 3Lo-2T-2Lo 2A-2T

4Tにセカンドをつけなかったのを見て、正直不吉な予感がしました。セカンドをつけられる質のクワドを2本目で跳べるだろうか・・・?
案の定、転倒。
体の痛みか、次のコレオシークエンスもなんとなくキレがいつもよりないように思われました。そして焦りが出たのか、アクセルはシングルに・・・・
もう私はこの時点で見ていられず顔を覆ってしまいました。そして次に画面を見た時には、「全く何をやってるんだ俺は」と言わんばかりに乾いた笑いを残してリンクをはけるセリョージャでした―
クワド1本にして、しっかり演技を固めてゆく、という道はなかったのかとも思われそうですが、ベテランに厳しい状況を知っているセリョージャとしては何としてでも2位を目指したかったでしょうし、3位となれば若手優先、となっていただろうことも否定できません。
そして彼は昨年の国内大会でサマリンに敗れていますから、サマリンの安定した強さをかなり意識していたでしょう。セリョージャとしてはクワド1本、というのは最初から選択肢に入っていなかったと思います。
そして彼はそれを選び、そして敗れ去った。
何度も繰り返し動画を見ていますが、致命傷となったのはクワドの転倒ではなく、それに続く3つのジャンプミスです。まさに「ヌケはコケより…」になってしまいました。そしてサルコウの得意な彼がそれでミスる、ということは相当な動揺、というか葛藤があったのだろうと思います。
クワドの転倒から、焦りを振り切って、萎える気力と必死に闘っているような彼の演技を見ると、涙なしではいられません。
残念ながら、後半はほとんど自分との戦い、という感じで、音楽に気を向ける余裕もなかったのでしょう、PCSの低さがそれを表しているような気もしました。

そして、セリョージャの13年連続のロシア選手権は今までの最低の成績(これまでは初出場、2回目の6位)となる7位という結果に終わりました。が、これだけ長くナショナルに連続して出場してきて、2桁順位が一度もない、というのもすごいことです。ちなみに今大会の最年少であるスキルダくんは13歳、セリョージャは彼が生まれたばかりの頃からずっとナショナルで戦い結果を残し続けている、ということなのですから。

今はとにかく、心身を休めて欲しいと思います。どん底に落ちたらそれは自分でしか這い上がれない、ということは彼が一番よく知っているでしょう。

来期、いや、できることなら2月のロシアンカップファイナルで彼の元気な姿を見たい・・・・。心からそれを願います。


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加筆・修正】セルゲイ・ヴォロノフ:「今日、僕は自らのできる限りのことをした」―スケートアメリカインタビュー

CvZICMbUIAIzqBqs
(スケートアメリカSPより)

スケアメ後のセリョージャのインタビューが上がっていました。聞き手はタチアナ・フレイドさん(前回のネペラ杯のインタと同じ方⇒ネペラ杯インタ)です。
今回も、ロシア語者の友人にお世話になりました。本当にありがとうございます。いくら感謝してもしきれません。m(_ _)m

++++++++++

<セルゲイ・ヴォロノフ:僕は今日、自らのできる限りのことをした>

グランプリシリーズ「スケートアメリカ」において4位に終わったセルゲイ・ヴォロノフは、この大会の自らの演技についてこのようにコメントした。

「“スケートアメリカ”はけして容易い競技会ではありませんでした。しかし、それについてくだくだしく述べるのはやめておきましょう。率直に言えば、強い選手が揃い、彼らは皆すべて、みんな実力に相応しい滑りをしました。 また、完全に崩れてしまった選手たちもいませんでした。
今日、僕は自分が出来ることをやり、良い状態でエレメントを見せることができました。 これは僕が色々と我慢を重ねている練習の結果です。練習では常に全てが上手くできるわけではなく、時によっては難しいことがあります。

そして、皆が頻繁に僕の年齢を思い出させてくれますよ。
けれど、それがなんだというんです!歩を踏み出して、先に進むんです。北京で会いましょう、そしてまた話しましょう。

もちろん僕は今日の演技には満足しています。どうしたら、不満足でいることができるんです?自分のために僕は多くの点数を獲得したというのに。
ええ、僕は4位です。残念ながら、上位3位内には入れませんでした。しかし、僕はそれが困難であることは分かっていました。確かに、SPでとても愚かなミスをしました。それがなければ、(上位3位内に入ることは)可能だったかもしれません。
が、結果として残るのはやったこと、それがあるだけです。

しかし、僕は数種類のクワドが跳べる世界選手権3位の選手より上に行くことができましたよ?それに関して、僕は誇りに思います。ボーヤンより上位であったことを誇りに思います。ええ、ボーヤンは確かに調子が良くありませんでした。僕も良い滑りをしたわけではありません。それに関しては反論はしません。しかし、これは事実です。

フリープログラムは僕は感情をこめて滑りました。.僕はこの音楽を大変気に入っています。.
僕は、この「ミューズ」の曲で滑ったアシュリー・ワグナーの演技を、わざわざ見に行きました。これだけの滑りができるなんて!(訳注1)
女性はこのように滑らなくてはならない。 感情をこめて、音楽を感じて。
彼女がこのような気合をこめて滑るのを見て、僕は昨日考えたのです。そしてますます興味が沸いてワクワクしてきました。
僕は、この曲の自分のプログラムをどのように感じて滑るんだろうか?とね。
僕が既に述べたように、この曲は「分子に分解する」んです。そしてこの音楽ははとても僕の滑りを助けてくれます。

ブラチスラヴァの後、我々は特に変えることなく、通常通りの練習をしていました。
.僕はすでに経験のあるアスリートで、僕には僕の練習のシステムが確立されています。 .
ええ、インナ・ゲルマーノヴナ(ゴンチャレンコ)と僕は均等化するように、何かを変えようとしたりして努力はしていますが、あるがままになっているのが現状です。 しかし、もしもそれが良い方向に機能しているなら、いいじゃないですか。
良いプログラムを振付し、良い衣装を縫わなくてはなりませんでした。衣装はどれも大変気に入っています、特にSPの衣装が。
僕は衣装に「引っ張られるようにして」滑っています。(訳注2)

それから先は?練習すること。自分を愛すること。ちなみに、これは大変重要なことです。
そして、皆に感謝します。僕を信じてくれている、僕の家族、親しい人々皆に。」

(訳注1)Это уровень.言葉通りに訳せば“これは水準(level)です”ですが、ロシアの方に聞いたところ、ここは「こんなふうに滑ることが出来るなんて!」というような感嘆の表現なのだそうです。
(訳注2)これは凄く気に入ってる、という表現なのだそうです。超気持ちが良い、ということのようです。

=====ロシア語本文=====

+++++++++++

本当に、言葉の端々から充実した日々が過ごせていることが伺えて、ほっとしました。彼自身、スケートアメリカは2度目(一度目はシニアにあがったばかりの2006年)ですが、メンバーを見て、上位進出は困難、という自覚を持っていたようです。ただ、その中で現在の自分の力を出し切れた、それに関しては満足しているようですね。ジャンプ構成(特にエラーのあるフリップを入れている理由など)については語られていませんが、いずれ彼の口から明らかになるでしょう。
シーズンはまだ序盤ですが、良いスタートが切れてよかったです。

そしてプログラム、特にFSは評判が良いようで、PCSでも高い点が出ていました。次の中国杯が本当に楽しみです!


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セルゲイ・ヴォロノフ ベテランの再出発 ―スケートアメリカ


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(スケートアメリカFSより)
グランプリシリーズ第一戦となるスケートアメリカが終わりました。
<リンク>
スケートアメリカリザルトページ
男子SPジャッジスコア
男子FSジャッジスコア

結果は宇野君1位、ブラウン2位、リッポン3位、となりました。そして今年29歳(多分GPSメンバーでは最年長?)今シーズンからコーチを変えて再出発をはかるセリョージャことセルゲイ・ヴォロノフは4位でした。ネペラ杯の優勝といい、今大会の4位といい、シーズン初めとしてはなかなか良い滑り出しだったのではないかと思われます。
また、TV放映では、織田くんが彼の人間性について触れていたそうですが、宜しければ彼のインタを読んでくださると嬉しいです。
セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナの所でも、インナ・ゲルマーノヴナの所でも沢山の練習を積まねばならないことに変わりはない」

SP「私の、生きる肌」サウンドトラック

冒頭の4Tで転倒するも、3Loにしっかりセカンド3Tをつけてリカバリー、最小限の減点にとどめました。スピンも丁寧で美しく、全てレベル4。
ただ、曲が重苦しく難解な感じがするので、一歩間違うとただの地味プロになってしまいそうですが、そこはベテラン、しっかりとした表現力で、PCSも出ました。
衣装も、ストーンの渋い輝きが印象的で、よかったんじゃないかな、と思うのですが、ちょっと下半身のもこもこっとした質感が気になりました。(なんか太く見える・・・・)


FS「エクソジェネシス第3章」

二本目のクワド(コンビネーション)のところ、タイミングが合わなかったのか3T-3Tにしてきましたが、結果としてはこれでよかったのでは、と思います。まだシーズン序盤でもあることですし、プログラムの概観をしっかりジャッジに見せておくためにも、ここはきっちりとまとめておくべきだと思うからです。
そして前年までとの大きな違いはプログラムに3Fを入れてきたこと。テストスケート、ネペラ杯、とずっと変わりありません。ただ、ネペラ杯でも今大会でも、エッジエラーを取られてしまい、今のところ目立った武器、とはなっていません。ただ、得意のサルコウを抜いてまでフリップを入れてきた、というところに彼の並々ならぬ意地、というか執念を感じます。セリョージャは足の古傷のため、ルッツとフリップにはずっと苦労してきました。この動画でも、3Lzを降りた瞬間に「ニヤリッ」という感じの笑みがこぼれたところにそれが現れています。そして、スケーティングもすごく良くなりました。また、その余裕のせいか、腕の動き一つ一つがとても丁寧で魅惑的です。
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(上手くキャプれませんでした・・・)
3Lz、3Fともに1プロで成功させることができたら、(私的にはエッジエラージャンプは成功とはいえません)彼自身シニア初となるのではないでしょうか。29歳にしての挑戦ですね。
この「エクソジェネシス」は今大会でもワグナーさんが使い、男子でも以前コフトゥンやアボットが使っていますが、それらとは全く異なった、「ヴォロノフのエクソジェネシス」となっている気がして、私はとても気に入りました。このまま行けば、私の中で彼のベストFSプロ、であった「シンドラーのリスト」を上回るのではないか、という気もしています。
いくつもの辛酸をなめてきたベテランにしか出せない、重みと重厚さを感じさせる演技でした。
ネペラの時は「渇望」って感じだったけど、スケアメの時は「希望」って感じがした。表情のせいかな。
ただ、この「第三章」の歌詞を考えると、今の彼にとってもあっているプロだと思う。このまま完成させて欲しい。
本当に、「これを滑るために今までの彼のスケート人生はあった」と言えるような名プロになる気がして、正直今からワクワクしています。神プロの予感、半端ないです!ありがとうモロゾフ!

今年はぜひISU選手権(ユーロ、ワールド)に出て、このプロを披露して欲しい、と思いました。



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セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナの所でも、インナ・ゲルマーノヴナの所でも沢山の練習を積まねばならないことに変わりはない」


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(オンドレイ・ネペラ・メモリアル表彰式・男子のみ優勝カップがあるのは、オンドレイ・ネペラ選手の記念大会であるからだと思われます)

セリョージャは、今シーズンの初戦となった、オンドレイ・ネペラ・メモリアルで優勝を飾りました。
シーズン始まったばかりのころのインタで、プログラムについては満足している、特にFSについては。と言っていましたが、まさにその通りでした。
特に腕の動きが柔らかで丁寧で、私は初めて彼の動きから“艶っぽさ”を感じました。
SPからは「静かなる狂気」、FSからは「静かなる渇望」といったものが感じられて、その「静か」さの表現がすごく上手く出来ていたように思います。これはベテランならではのものでしょうか。静かな低音がぐうーっと響き渡り、最後にみなぎり迸るように、とでも言ったらいいかな。

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(Joanna Grams さん撮影、ネペラ杯FS)

衣装は2014シーズンのFSのものを流用していましたが、私はこれでも良い、と思いました。曲に合っていると思いますし・・・・。
これは大会直後のインタビューです。
いつもと同様、ロシア語者の友人にチェックをお願いしました。本当にありがとうございます。m(_ _)m

インタビュアーはタチアナ・フレイドさんです。

++++++++++++++
セルゲイ・ヴォロノフ:「エテリ・ゲオルギーエヴナのところと同様にインナ・ゲルマーノヴナのところでもたくさんの練習を積まねばならない」
(訳注:エテリ・ゲオルギーエヴナはトゥトベリーゼ前コーチ、インナ・ゲルマーノヴナはゴンチャレンコ現コーチのこと。2人とも名前+父称(父称は父親の名前から発生した、XXの息子、XXの娘、とういう意味の言葉)呼びで、ロシアでは相手に敬意を払っている際にこの呼び方をします。)


欧州選手権のメダリストであるセルゲイ・ヴォロノフは、今シーズンの初戦となった国際大会である「オンドレイ・ネペラ・メモリアル」において、優勝を飾った。その後彼は、特派員のタチアナ・フレイドの質問に答えた。


F:セリョージャ、おめでとうございます。今シーズン最初のスタートですね。


V:ありがとうございます。しかし僕にとってこれはシーズン初戦ではありません。この前に、ロシアカップのサマーラ大会で既に戦っています。


F:最初の国際大会のスタートですね。


V:国際大会 ― そうですね。
僕は順位には満足しています、けれども出場することは大変でした。2つの国で大会が立て続けでした。僕はサマーラから戻った翌日にはここに飛んできました。そしてその翌日にはショートプログラム・・・
実際には2つの大会の間は1日しか空いていなかったのです。
しかしわかるでしょう、しんどい思いも次に役立ちますよ!おまけにコーチなしでこの大会に参加したんですから。

そしてまず、サーシャ・スミルノフの助けがあったことを強調したいです。彼は僕をとても助けてくれました。
それについて、心の底から彼に感謝しています。そしてなんといっても彼は僕をリンクに送り出してくれました。彼は僕を引っ張り出してくれたんですよ!
僕は、まだ現役の選手が、他の選手にこれほどまでに氷上でやる気を出させることが出来るとは思ってもいませんでした。
これは単なる褒め言葉ではなく、事実です。
もしも全てこのようにうまくいくなら、サーシャの行く末には輝かしいコーチとしてのキャリアが開けているでしょう。


F:では、サーシャは具体的にどんな助けになってくれたのですか?彼はなにか特別なことを言ったのかしら?


V:とても親切に助けてくれました。尊大な態度をとることもなくね。巧みに、男らしく、かつ真剣に。そしてジョークも交えながら。
演技スタート直前に彼が僕に言ってくれた必要なことを、僕はをしっかりと受け止めました。彼が口にした様々の言葉がどのように描き出されたのか、本当にクールでした。
彼は― 偉いです!(訳注1)


F:なぜ、あなたのコーチは来ることができなかったのでしょうか?


V:インナ・ゲルマーノヴナは、既に電話で僕にお祝いを言ってくれましたよ。我々は常に連絡を取り合っています。
彼女がここに来ることができないようにした人は、喜べばいいんですよ。そして何を喜んでいいかわからなくなってがっかりすればいいんです。僕は1位になったんですから。


F:1人きりであるということは、少々大変だったのですか?


V:もちろん、難しかったです。僕は少し前にインナ・ゲルマーノヴナのところに移ったばかりです。我々はサマーラに行ったばかりでしたから。どこに行くのもコーチと共にいました。ソチでのテストスケートでももちろんコーチと一緒でした。

それなのに・・・・何がここで起こったかといえば、僕は誰にも必要とされずにたった一人で放り出されたのです。
ええ、確かに僕は大人のアスリートです。しかし、全てのアスリートは支援、支えを必要としています。誰かが僕の何かを見つめていてくれ、助言を与え、ありふれたことでも言ってもらえる、それは重要なことなのです。決して欠かすことはできません。
しかし、ここに来て頼るべきコーチがいないことが明らかになりました。
1人のコーチは以前門下にいて滑っていた人(男性)でした。2人目も同様です。そして3人目は自分の用事でいっぱいでした。
けれども、結果は素晴らしいものでしたよ!
困難があるときにそれを乗り越えることができたということが、僕にとっては大事なことだったのです。
叩き出したポイントの多寡は問題ではありません。大切なのはいくつもの苦難を克服できたことでした。

僕はもう、だいぶ以前から消し去られようとしています。しかしながら、僕はまだ自分の出来ることをすべてやり尽くした、とは思っていないのです。


F:あなたがサーシャ・スミルノフにリンクサイドにいてくれるよう頼んだのですか?


V:ええ。練習の時に。彼が観客席に座っていたので、僕は行って事情を説明しました。彼は即座に答えて言いました。
「もちろん行くさ!水、ティッシュ、それから何が必要だい?」
僕が試合の時にに氷上に送り出してほしい、と頼むと、彼は愛想よく同意してくれました。
それは馴染みのない、珍しいことでした。 ― 名のある人が、ましてやまだ現役のアスリートが、他の選手を送り出すなんて。


F:それではあなたは、ブラチスラヴァでの演技についてはどう考えていますか?


V:肯定的に評価しています。まず一番には、複数のクワドをクリーンに決められたことですね。二番目は、これだけの困難な状況であったにもかかわらず、二つのプログラムを大禍なく通常のレベルで滑りきることができたことです。もちろん、これが限界であるということはありません。
しかし、緊張を解くことなく練習を続けなければなりません。皆が僕を助けてくれます。僕には素晴らしいコーチとよいグループがあります。


F:あなたは新しいコーチのもとに移籍しましたね。試合や練習に対する備えで何か変わったことはありますか?


V:インナ・ゲルマーノヴナとエテリ・ゲオルギーエヴナは、それぞれ独自のやり方を持っています。
エテリ・ゲオルギーエヴナのところでは、常に手足を絶え間なく動かし、練習に勤しまなければなりませんでした。しかしそれは、インナ・ゲルマーノヴナのところでも同じことです。
おそらく彼女たちは異なるアプローチの方法を持っていますが、実情はなんの秘密があるわけでもなく、いたってシンプルなのです。

一生懸命に練習をするなら、おそらくなんとか形になるでしょう、けれど、もしもコーチを変えて、それが悪かったとか、こんなはずじゃなかったとかいっていたとしたら、うまくいくことはないでしょう。
本当につい最近、僕はこういったことを悟りました。残念ながら、多くのことは年齢とともにわかってくるのです。
何をしなくてはならないのか、どのくらい、どこでどこまで自分を追い込まなくてはならないのか、へとへとになるまで練習しなくてはならないか、悩まなくてはならないか、どこで他の何かをやらなくてはならないのか、切り変えなくてはならないのか、などの理解が生れます・・・これが経験です。
経験は金銭で贖うことのできないものです。しかし、歳月とともに手に入るものです。


F:あなたは、マキシム・コフトゥンと一緒のグループで練習をしていますね。彼の存在はあなたへの刺激になっていますか?


V:僕の存在が彼の励みとなっているかどうかはわかりません。しかし、マックスは僕にとって、今まで夢に見ることしかできなかった、ロシアにおける最高で完璧なスパーリングパートナーです。皮肉抜きでね。
コフトゥンは全ての種類のジャンプが跳べ、練習でそれを見せています。


F:初戦は終わりましたね。次はなにを?


V:とにかく練習です。耐え忍び自分自身に打ち勝つために。次の試合はスケートアメリカになることを期待しています。


F:なぜ“期待”なのです?行かないわけではないですよね?


V:つまり、リオ五輪前に起きた諸々のスキャンダルのことを考えると、ロシアのアスリートたちはまるで道化として扱われていたかのように僕には感じられます。何故このようなことになったのか、僕には理解できません。
政治は政治でしょう。クリミア半島がクリミア半島であり、シリアがシリアであるように。
しかし、それが何故スポーツに(影響があるのでしょうか)?なぜそこに、ホールで、トラックで、あるいはリンクで、またはフィールドで黙々と練習を積んできたアスリートたちが関係があるのですか?
禁じられた薬物を使用していた選手かいるというのなら ― その選手本人を罰すればいいのです。それならばわかります、けれどもそうはなりませんでした。そしてどうなったかといえば、ロシア人であるということだけで、ロシアのパスポートを持っているということで、アスリートたちはリオに行かなかったのです。
まったく、我々はいつの時代に戻ろうとしているのでしょう?どんな連帯保証ですか?
一人が罪を犯したら、全員が罪人になるなんて・・・


F:フィギュアスケート競技においてはしょっちゅう、そしてよくロシアの選手は好意的に取り扱われていましたね。


V:率直に言って、僕はジャーナリストたちがこのテーマについて、何らかの反駁をするかと思ってこの試合にやってきました。結局、これら全てのスキャンダルは、ロシアのスポーツ界に黒い染みを残しました。
僕が言っていることは正しくはないですか?


F:新しいプログラムについて話してください。


V:ショートプログラムは、アントニオ・バンデラス主演の映画『私が、生きる肌』(2011年公開のスペイン映画、内容については⇒こちら)の音楽を使いました。映画は心理的に複雑で、自身を襲った悲劇を乗り越えたある外科医が、その後少しづつ正気をなくしてゆく、というものです。僕はそれを表現しようと努力しています。
フリープログラムは、ミューズの『エクソジェネシス第3章』です。これは、だれかの受け売りなのですが“分子に分解する”音楽です。今のところ、それを最後まで解明するところまではいっていません。しかし、この曲は僕の内面にエネルギーを注ぎ込んでくれます。


F:本当に素晴らしい音楽ですね。


V:ええ、とても。
静かに始まります。ささやき声でここは滑ります。


F:古い衣装でしたが、変えるのですか?


V:ええ。これらの衣装は少々古びていて、擦り切れていましたけれど、よく耐え抜きました。
しかし、スケートアメリカでは晴れ着を着て滑りますよ。


=====ロシア語本文=====


(訳注1)この молодец! (マラジェッツ!)はフィギュアのロシア語中継でもおなじみの言葉。(タラソワさんがよく絶叫してますね)偉い、すごい、よくやった、などの意味です。He is a great! って感じでしょうか。セリョージャのスミルノフに対する最大級の賛辞ではないかと思われます。
また、ここで出ててくる「送り出す」というロシア語は、ただ単に見送る、キスクラで見守る、という意味ではなく、「引っ張り出す、(気が向かないものを)現場に連れ出す」というかなり能動的な意味を持った言葉だそうです。日本語で言うと「やる気を出させ、背中を押してくれた」という感じでしょうか。海外初戦で、コーチもいなくて、セリョージャ自身、どよ~んとした気分だったのかも。そんなところからも、スミルノフに対して強い感謝をしているのだと思われます。

++++++++++

とりあえず、初戦が満足なスタートが切れて、本当に良かったです。だいたいいつもの年は国内戦1試合、CS2試合してGPSに入ることが多いのですが、今年はGPSのスタートが初戦のスケートアメリカからなので、CSはこのネペラ杯1試合となりました。
メンショフが引退した今、GPSメンバーでは最年長の1人となりますが、ベテランらしさを出して頑張って欲しいものです。
引退を示唆する圧力も感じているようですが、「まだやりきっていない」という彼の強い言葉を信じたいです。
いいイメージでGPSに向かえそうで良かった。
衣装は是非とも黒かダークな赤系を希望!


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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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