大切なのは曲に負けない存在感 ― ボーカル曲の認可


Debi.jpg


ISUの今年から大きなルールの変化に、ボーカル曲認可がある。しかしこれってある意味すごいチャレンジだと思う。

それこそ手を挙げるくらいでリンク全体を支配するくらいのオーラと表現力がないと完璧に曲に負けてBGM化する。

ショーならそれでまあご愛嬌、なのだけれど、表現力のあるなしがほんとあからさまになる。
そして、コンペなのだから、ミスをした場合にどうカバーするか(例えば曲に遅れないようにエレメンツを1つ抜いて別の箇所に移動させるとか)、といった工夫もきっちりしておかないと、曲とプログラムがバラバラになってしまってるのが素人目にもわかってしまう。

エンターテインメント性を高める、という意味でのボーカル認可なのかもしれないが、「言葉の怖さ」を分かっていないと、1つのミスでプログラムの世界観がガタガタになる。

昔、プロスケーターの選手権が行われていたが、その中では小道具やボーカル曲も認可されていた。その中からいくつかあげてみたい。(なるべくショーではなくコンペでのものを選びました)

まずはブライアン・ボイタノ 「誰も寝てはならぬ」
元々この人の滑りは男性の肉声に合うのだけれど、これはパヴァロッティに負けてないところがすごい。
Brian Boitano (USA) - 1991 World Challenge of Champions, Men's Event


ポール・ワイリー 「カルミナ・ブラーナ」
スケールの大きな滑りと細かい足さばきが素晴らしい。


デビ・トーマス「Oh! Darling!」(写真)
背中の線が美しいのでイーグルが栄えますね。そして、高いジャンプは健在です。


ヴィクトール・ペトレンコ「マラゲーニャ」
中盤のジャンプミスがもったいないですが、曲の世界はそのまま。

こちらはノーミスバージョン↓
Viktor Petrenko 1994 Challenge of Champions (佐野さんうるさい(笑)

ちょっと古いのが続いたので、(これも古いが)アマチュアのものを。今までもラテン語のような古語やスキャットは認可されていたのでこれです。
トッド・エルドリッジ「コンクエストオブパラダイス」


そして、歌、と音楽、と滑り、が一体化したエンターティメントといえばやっぱりこれは外せないでしょう。
カート・ブラウニング「雨に唄えば」
これは2012年のもの。当時彼は46歳。
Singing in the Rain - Kurt Browning - Medal Winners Open 2012


今回は動画集のようになりましたが・・。みなさんのお気に召すものが1つでもあれば幸いです。

そして、来シーズンも素晴らしい演技を沢山見ることができますように!

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国際選手権でジャッジングをする、ということ - 天野真さん

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技術審判の天野真さんが、欧州選手権の女子シングルに呼ばれたことについていろいろいう声がネットで上がっています。

特に多いのが、「なんで天野さんがやるのは女子シングルばかりなの?陰謀!」というものです。

欧州選手権女子SP技術審判

答えは簡単、天野真さんは、シニア男子のペーター・リーベルス
(独、写真)のコレオグラファーを勤めているからです。

天野さん振り付けのペーターの「シャーロック・ホームズ」これで彼はPBを大幅に更新しました。
ISU Mosca 2011 -10/27- MEN FP - Peter LIEBERS 28/04/2011


ちなみに今年のプロはこちら、行われたばかりの欧州選手権。最初のクワドを3Fにしてきましたが、それでも素晴らしかった。
ISU ZAGREB 2013 -7/23- MEN FP - Peter LIEBERS - 26.01.2013


ISUにジャッジ登録をしていても、コレオやコーチとして携わっている選手のいるカテゴリーの審判をすることはできません。たとえその選手が出場していなくとも、です。
WSに関わってきますからね。公平を期すための処置です。
ウルマノフやペトレンコ、といった元選手で技術審判の資格を持っている方たちがテクニカルパネルに入ることが少なくなったのも、五輪を控えてコーチとして携わる選手が増えたことが多くなったからともいえるでしょう。例えばウルマノフはジャン・ブッシュ(男子シングル)、ニコル・ゴズビアニ(女子シングル、ユーロ出場)といった選手を抱えています。


話は変わりますが、先日サッカーオタクの友人から、
「ワールドカップで日本人審判が笛を吹く、っていったらスゲー名誉なことでサカオタ大喜び、なのにフィギュアはそうじゃないわけ?」
と聞かれて非常に答えに困ったのですが(笑)
本来はとても名誉なことですし、喜ぶべきことだ、と思います。元選手だった人々がこうして年を経てもスケートに携わってくれている、というのはとてもありがたいことです。まして、ISU選手権クラスのジャッジングを務める、というのはそうそうできることじゃありません。

それなのになぜ叩いたり、陰謀論に結びつける人々がいるのか?とても残念なことです。

そして、技術審判の場合、文字通りシングル、ペア、ダンスとカテゴリーごとに「専門職」という感じになりがちです。(ダンスとシングル、では要求されるエレメンツが全く違う、ということからもわかりますよね)
特にワールドクラスの選手のステップのカウントを目視で一人で出来て、ぱっとレベル判定ができる、という人材は非常に貴重なのだそうです(ステップとターン、という感じで手分けをして見る場合も多いとか)
多くのジャッジ登録者の中から、ISU選手権、という最も格の高い大会に呼ばれる、ということは名誉でありこそすれ、叩かれることなど何もない、と思うのですが。

カン様、として親しまれた神崎範之さんが全日本選手権でテクニカルパネルに入って名前が紹介された際、選手たちよりも大きな歓声が起こった、というのは最近のことです。
「いずれはカン様もISU選手権デビューするのかねぇ?」
「いやー、楽しみ!選手よりもカン様見にチケットとっちゃうかも!」
という会話が私と友人の間で交わされました(笑)

こちら現役時代の神崎範之さん 氷上のヨン様、と有名になったEXです


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「審判とも戦っている」―マウンドの精密機械と銀盤のダンディー

ワールドを控えて、テクニカルが発表され何か不穏な空気ですね。これは以前に書いたものですが・・



一流のアスリートは、誰であれ、自らの技術にプライドを持っています。しかし、それが必ずしも常に審判に本人の思うように評価される、とは限りません。ひらたくいえばジャッジも人間ですから、誤審もあれば癖もある。しかし、それをひっくるめて戦ってゆくのがアスリートというものだ、と私は思っています。

分野は全く違いますが、そんな、思い出深いアスリートを2人。

まずは、「20世紀最後の200勝投手」であり、カープの黄金時代に先発の一角を担っていた北別府学。
北別府学

彼のボールコントロールは「針の穴をも通す」といわれ、『マウンドの精密機械』と称されていました。ホームベースの三角形部分に置いた空き缶を3球で倒した(もちろんマウンドから投げて、です!)とか、コーチ時代にTV番組『筋肉番付』のストラックアウトでパーフェクトを達成したとか、制球力に関する話題は列挙に暇がありません。
この達川光男氏のブログに詳しい→野球殿堂入り 北別府 学投手の思い出

そんな彼が、いつだったか解説で
「最近のピッチャーはおとなしいですよね。僕らのころは審判とも戦っていましたよ」
といっていたことがあります。そう、抜群の制球力を誇り、それで勝負していた彼は、球審の判断の揺らぎ、にはものすごく厳しかった。厳しいコースへの判定に不服があると、平然ともう一度同じコースに投げ、審判を試すことすらしました。そして、判定にブレがあると、遠慮会釈なく判定にクレームをつけていました。当時のセ・リーグの審判部長を務めていらした田中俊幸さんが「他の投手が先発した試合の倍は疲れた」とインタビューでおっしゃっていたことがあります。
そしてこの北別府のものすごいところは、審判それぞれの癖を研究し、知り抜き、いざ、というときの勝負球にそこを使うことすらした、ということです。
あるシーズン後のTVインタビュー、印象に残った打席、という感じである強打者との対戦場面がリプレイされました。2ストライク後、北別府の放った球は膝元に食い込む変化球。センターカメラから見た球道は、どうみてもボールに見えました。しかし、一瞬の間をおいて球審の手が上がり、
「ストラックバッターアウト、チェンジ!」
呆然とする打者、それを一顧だにせずにスタスタとマウンドを降りる北別府。本当に印象的な場面でした。

「あれはボールだったでしょう・・」といいたげなインタビュアーに、
「いえ、あの球審のあのコースはストライクなんです。」と、平然と言ってのけた彼。
「じゃあ、それを知っていて、あの時あのコースを使ったんですか?」
「はい」

まさに、『マウンドの精密機械』の面目躍如でした。

ルールも、審判も、最初から選手の味方なわけではありません。それを研究し、対処方法を考え抜き、その技術を身に着けた者に対して初めて味方となるものです。ルールを研究し、それに沿っていかに自らに有利な戦略を練るか。勝負についてこれは本当に欠かせないことなのですが、日本人的な感覚だと、「ずるい」とか、「卑怯」とかいう人もいるのですね。
しかし、そんな努力を怠って、
「このルールは、審判はおかしい」
などといっても、それは負け惜しみに過ぎません。



そしてもう一人、「銀盤のダンディー」という言葉が彼以上に似合う人も少ないでしょう、いかに歳を経ても、彼こそが「永遠の王子」という人は多いと思います。「貴公子」と呼ばれだしたのは彼が最初ではなかったでしょうか、ヴィクトール・ペトレンコ。

そんな彼の忘れられない言葉があります。

「選手ならば誰しも、納得のいかない判定、というのは経験している。だからこそ、こんどこそは自らを認めさせよう、と必死に努力する。このスポーツは、そういうものだ」

これは雑誌のインタビューでの言葉だそうですが、おそらくこう述べた彼の脳裏には1990~1991年と、連続2位だったワールドがよぎっていたのではないでしょうか。
とくに1991年のワールド。当時カート・ブラウニングの大ファンだった私ですが、正直、「あ、負けたな」と思いました。それだけペトの演技はすばらしかった。
Viktor Petrenko (URS) - 1991 World Figure Skating Championships, Men's Free Skate


すばらしい盛り上がりと歓声、会場を一体化させるオーラ・・・
本当にすばらしかった。ペトの表情からも、演技への満足、勝利への確信がうかがえます。
実際、翌日のEXでは、解説の杉田さんが「私もペトレンコの優勝だ、と放送の中で言ってしまうくらいすばらしかったですね」と述べておられます。
PETRENKO.V 1991EX

ちなみに同じEXのアンコールつきの方

こちらは優勝したカートの演技。
Kurt Browning (CAN) - 1991 World Figure Skating Championships, Men's Free Skate


冒頭に2人のプロフィールが入っているのも興味深いですが・・・

しいて言うなら、3Aのセカンドにトリプルをつけたカートに対しダブルだったペト、そして3Loが2フットになってしまったこと、それがわずかの差でのカートの優勝となったのだろう、と思います。確かにジャンプ構成からいけば、カートの方が上だったかもしれません。確かにカートの演技もすばらしい。

でも、やっぱりあのときの演技後の私の印象は
「うん、ペトの初優勝だな」でした。
しかし、改めて見比べると、本当にどちらが勝っていてもおかしくなかった。

カートのインタビューと表彰式です
Kurt Browning Interview + Medals Ceremony 1991 World Figure
http://www.youtube.com/watch?v=kdIxMTpoCUA&feature=related


表彰台で惜しみなく勝者であるカートを讃えるペトが印象的です。

「勝者を称えることのできない敗者はその時点で2度目の敗北を喫しているのだ」

という言葉がありますが、この表彰台上のペトレンコは、順位こそは2位でしたが、勝者でもあったのだ、と思わずにはいられません。当時の若手(!)であったトッドを迎える姿もひとつをとってもです。

そして翌年、ペトはアルベールヴィル五輪とワールドの2冠を達成します。ソ連崩壊で足元の揺らぐ中、「旧ソ連統一チーム」「独立国家共同体」代表としての出場でした。

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加筆)P・チャンは転倒しても何故PCSが下がらないのか

先日この日記を上げたのですが、どうもメンテナンス中だったせいかうまく反映されず、というわけで、少々の加筆も加えて再度アップしなおしました。コメントくださった方、お読みくださった方申し訳ありません。


さて、P・チャンは転倒しても何故PCSが下がらないのか・・・・?それはカナダの陰謀です(大爆笑)というのは冗談で・・・・
まあ、PちゃんのPCS(特にSS)については高すぎるだのなんだのよく言われますよね。

おそらく今年もシーズンが始まるとこういった意見の応酬が激しくなるだろうと思うので、今のうちに書いときます。(その頃にかいて地雷踏むのやだww)

毎度のことですが、長くなります、お許しを。

ちなみに、これは2008年スケートカナダ直後に某所にかいたもの。つまり、バンクーバー前の話です。

****
スケカナを終えて。。今シーズンの展望、そしてセリョージャは― (2008年11月03日22:36)


スケアメ、スケカナを終えて、まず思ったのが今年のジャッジメントの評価は、いかに正しくエッジを使い、いかに美しいスケートをするか、というところにあるのではないか、ということでした。そう、ある意味「コンパル時代への回帰」。スケートは、滑るものであるのだ、という原点に戻った,といえるのかもしれません。
それが、スケアメのキム・ヨナ選手や小塚崇彦選手、スケカナでのパトリック・チャン選手やショーン・ソーヤー選手、といった面々への高評価となってあらわれているのではないかと思われます。その反面、今まで見逃されがちだったジャンプの回転不足や、踏み切りの際のエッジ、そして、ジャンプ自体が以下に美しく流れているか、また、ステップの際のスピードやエッジワーク、そういったところにジャッジの眼が厳しく向けられているように思いました。

ですから、SP、FSともにクワドをいれ、 FSではクワドはもちろん、3アクセルも2本揃え、ジャンプコンビネーション3つ成功させたセリョージャよりも、きっちりとした美しいスケーティングスキルをもったチャン選手のほうが、総合的な評価は上だった、ということなのでしょう。


2つの大会を見ただけですから即断は不可であろうとも思いますが、ひょっとしたら今シーズンは(おそらくオリンピックも、ですが)クワドや3アクセルジャンプ、といった大技ではなく、ステップの際のターン一つ、スピン一回転、スパイラルの支持一秒、そんな細かい部分にまで神経を行き届かせ、正確に演じることのできる選手が勝利するのではないか、とも感じたのでした。
+++++


【完】2)セリョージャの演技、ウルの表情―スケカナ総括、FS編(2008年11月05日17:11)

セリョージャのFSは、去年と同じ、ピアソラのタンゴセレクション。
うーん、止めときゃいいのに・・・と思っていたんですが、意外にいけるかも、と。手先指先にだいぶ気を配れるようになってきていて、動きにも大人っぽさを感じました。イーグルのポジションもキレイになってきているし。
これで、もっと顔が作れればなー(笑)ジャッジの前、またはテレビでアップになる瞬間、妖しく、美しくアピールするように(笑)いや、まじで、顔も武器です。<演技>なんですから。
しかし正直言って、この演技でこの順位(SP5位,FS5位)なら、いっそのこと大自爆してくれるか、クワド入れずにもっと下ならあきらめもついたのに、というのがワタシの 印象(苦笑)です。
FSにはクワドを入れ、3アクセルも単発、コンボの2本しっかりと降り、コンビネーションジャンプも3つ(そのうち1つは3連)成功。確かにルッツは入っていないしフリップはダブルだったけれど・・・・。この構成でフリー5位なのか、と。
まあ、良くも悪くも、これからのジャッジの傾向がはっきりとでた大会ではありました。実際、クワド、3AなしでFSではセリョージャより上位だった選手もいたのですから。


(当時はこれにFSと、FSのキスクラの動画を添えておきました。今はFSの動画がなくなってしまっているのでSPを。)

Sergei VORONOV SP 2008. skate canada





++++++++

以上引用終わり


実際、バンクーバー五輪はそのように採点されましたし、ジャンプに関してはまだまだルールの試行錯誤がされている印象がありますが、とはいえ、この「コンパル回帰」的な信念は根強いものである気がします。

私が思うに、コンパル時代のスケーティングと、ソルト時代のジャンプとを併せ持ったスケーターの出現を待っている、ということなのかな、と。コンパル時代を経験した最後のスケーターはおそらくトッド・エルドリッジとエルヴィス・ストイコ(彼らの場合はジュニア時代、ですが)であろうと思いますが、彼らが長持ちしたのはコンパルによって、スケーティングの基礎の基礎が叩き込まれていたから、空中戦時代、ともいわれたジャンプ偏重の時代でも戦い抜くことが出来たのだろう、と思います。2人のラスト五輪となったソルトレイク、トッドは31歳、エルヴィスは29歳でした。

そして、見落とされがちなのですが、コンパルのあった最後の五輪、カルガリーのブライアン対決、このときのオーサーは27歳。ボイタノは25歳なのです。今に引き比べれば、本当にヴェテランの年齢です。高難度ジャンプが・・・という方もいるかもしれませんが、この当時三つ巴となってトップを争っていたオーサーもボイタノもファデーエフも、クワドを降りています。ファデーエフとボイタノにいたってはプロにも組み込んでいます、成功はしていませんが。
しっかりと基礎の出来ている選手は、選手寿命も長い、ということなのではないのでしょうか。


  <そして、ここからが本題です>   


よく、「P・チャンは転倒しても点数が落ちないではないか」と、彼がまるで不正をしているかのように語られますが、もちろん転倒があればDed、がつきますし、GOEもマイナスになります。
問題はPCSなのですね。これは確かに素人目にはわかりにくくて、ブラックボックス的な存在であり、だからこそ「不正?」「陰謀?」といった考えにも陥りがちなのですが、私にしてみれば答えは1つ。

「彼の、コンパルソリーに基づいたスケーティング技術(これは5コンポーネンツのSSとは別の意味)が高いから」です。

つなぎを入れるにしても、コレオや自らの意図に沿った表現を行うにしても、しっかりとした基礎にのっとった技術なくしてはできません。それは、以前こちらにも書きました。

白鳥とメフィストフェレス―表現は技術という礎あってこそ・アレクサンドル・ファデーエフ―


ここで触れたファデーエフは、新採点に移行する際、5コンポーネンツのSSとTRの「優れている」という指標とされた選手、ともいわれています。

この演技をみてください。カルガリー五輪のFSです。コンパル終了してトップだった彼はSPでコンボ転倒してしまい3位。上位にはライバルであるWブライアンがいました。

Aleksandr Fadeev (URS) - 1988 Calgary, Men's Long Program
http://www.youtube.com/watch?v=7UcfQUV3_90


着氷に厳しかった当時にすれば、転倒やステップアウトがあって最終順位は4位というのは驚くべきことです。じゃあなぜ、これだけミスの多かったサーシャの順位が落ちなかったのか?(ソ連の陰謀、順位仕分け、なんていわないでくださいよ(爆

それは、演技をご覧になってもわかるとおり、転倒やSOがありながらも最後まで複雑なエッジワークをこなし、軽やかなフットワークを保ち、でいてまったくスピードが落ちていない、ということです。これが、ジャッジに高く評価されたサーシャのスケーティングの技術なのだ、と思います。
以前、解説をなさっていた五十嵐文男さんは、
「転倒というのは選手の肉体にに大変なダメージを与えるものなんです」
とおっしゃっていたことがありました。実際、転倒直後にがたっとスピードが落ち、演技自体の質そのものが落ちてしまう選手は少なくありません。しかし、サーシャにはそれがない。氷の抵抗を一切感じさせないかのように、速度を保ったまま滑りきっています。

P・チャンにしても同じことがいえます。

スピードを出して演技を行うことができる、ということは、「スピードを制御する技術も持っている」、ということなのです。
自動車の運転を思い浮かべてください。スピードを出すだけなら簡単です、アクセルを踏み込めばよい。しかし、そのスピードに乗ってスムーズなシフトチェンジを行い、また、曲がる、止まる、後退する、などの方向転換も行わなければならない。それこそ、ラリー・ドライバーなみに自分の身体を操らなければならないのです。

そして、巧く氷に乗ってすべることができる、ということは疲労度も少ない。疲労は怪我を誘発しやすいですから、これは大変大事なことです。コンパルが廃止されて空中戦時代に突入し、競技者寿命が短くなる選手が増えました。
しかし、その中で長い選手寿命を誇ったのが、最初のほうにも書いたエルヴィス・ストイコとトッド・エルドリッジでした。彼らのJr.、ノービス時代はまだコンパルがありましたから、すべりの基礎の基礎を叩き込まれたことでしょう。それが、高難度ジャンプをこなしつつも長い選手寿命を保ちえた秘訣ではないかと思います。トッドはクワドこそコンスタントに降りることは出来ませんでしたが、1プロに3A2本を必ず安定して入れ(しかも1本は後半)、トリプル全種コンプリートして30歳近くなってもヤグプルと一緒にワールドの表彰台に立ってましたから。

Todd Eldredge 2001 Worlds FS (トッド29歳ワールド2位)


ISUとジャッジ団、そして指導者は
「スケートは滑るものである、そしてその技術を競うものである」
という原点に立ち返ろう、としているのではないでしょうか。評価の高い面々をみても、P・チャンしかり、小塚しかり、キム・ヨナしかり、コストナーしかり、です。


さて、コケてる動画だけではなんなので・・・。サーシャの1988年のEXです。

Alexander Fadeev 1986 Worlds EX
http://www.youtube.com/watch?v=4mGgJqlIczM


ここでアナウンサーが小川勝選手の言葉として伝えていること、

「(FSの)ファデーエフ選手はジャンプでずいぶん苦労して転びましたけど、プログラムの難しさから行ったらどの選手とも比較にならないはずですよ。あのプログラムは他の選手、誰も滑れないんじゃないでしょうか?」

それがまさに現在のジャッジや他の選手のP・チャン選手に対する評価と同じなのではないのでしょうか。

ちなみにこちらが上で述べられてたサーシャの1986年ワールドFS。
Aleksandr Fadeev (URS) - 1986 World Figure Skating Championships, Men's Long Program


約25年近く前のものですが、転倒とはいえクワド入ってますから、レベルに留意すれば現在でも通用する・・・?
確かにこのときのサーシャの出来自体は・・・・・ですが、この構成、今の一流選手にこれを再現してみろ、といったらそれこそ出来るのはPちゃんくらいかもですw ただ、セカンドループはどうかな・・?でもダブルならなんとかなるか。


2009年の国別の番宣の際、修造さんから
「チャン選手ってすごく地味に見えるんですけどそんなにうまいんですか?」と聞かれ、
「すごいです」
「あれは誰にもできないです」
「あんなステップ踏みながら直ジャンプ、なんてフツー無理です」
などといいながら、顔を見合わせて真剣な目で答えていた小塚くんと織田くんが忘れられません。

これが、同じリンクで戦い、また表彰台にも共に立ったことのある選手たちのPちゃんへの評価なのです。



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SPの存在意義 Jr.とSr ―羽生とドミトリエフの例に観る

以前から書こうと思っていたテーマなのですが、先日、興味深い事例ができたので。

フィギュアスケートに興味をもった方が、まず不思議に思うのはSPとFSの違いだと思います。ただ、時間が長いだけ?と思われがちなこの2つですが、実は採点の根本が違うのですね。

必須要素として7つの要素が定められ、それをミスなく「行わなくてはならない、かつやり直しは許されない」SPと、
要素数の上限が定めれてていて、それ「まで行なってよい」FS.

そして、定められた要素をいかに出来栄え良く行うことが出来るか、を競うのがショートプログラムです。ですから、2分50秒の中に、ジャンプ、ステップ、スピン、といったフィギュアスケートの原点とも言える技術が散りばめられています。そして、大きな特徴が
「合計点が同点ならば、技術点の高いほうが上位となる」
ということ。
そして、FSとは点数の付き方も違います。例えば、3A、あるいは2Aがすっぽぬけて1Aになってしまった場合、SPでは問答無用で要素抜けでGOE-3のケースがほとんどですが、FSでは、「1Aとして優れていたジャンプであるならば(入りの工夫がされている、など)」、加点がつくこともある。よく、ここをごっちゃにして「○○選手にはすっぽ抜けでも加点が付いた、陰謀だ」などという方がいますが、そういう違いがあるんです。

それから、Jr.の場合には、単発ジャンプに規定があるなど、さらに制約が多く、BVに差がつきにくくなっています。GOE加点、減点が勝負を分ける、と言ってもいいかもしれません。


この2つの演技を見比べていただきましょう。

CoCのSP,羽生君
Yuzuru HANYU JPN Cup of China 2011 Men SP
http://www.youtube.com/watch?v=6nSihTWuRMw&feature=fvst



そして、こちらがJGSのドミトリエフJr.
6 Artur DMITRIEV (RUS) - ISU JGP Trofeo W.Lombardi 2011 Junior Men Short Program
https://www.youtube.com/watch?v=V40tt7CcJzI


2人とも、最初のコンビネーションの着氷がいまいちだったためか、最後のステップからの単発ジャンプの方にセカンドをつけてリカバリーしています。

しかし、Jr.であるドミJr.の場合は、これが許されないんですね。
この大会のプロトコル
今年のJr.のSPのステップからの単発ジャンプは3Lz、と決まっていましたから、セカンドつけた時点でキックアウト。綺麗に決まったはずの3Lzコンボが0点。
シニアとジュニアの掛け持ちをしている彼ならでは、のルールの勘違いミスだったのだろうと思います。3Lzを降りてセカンドをつけようとトウを付いた瞬間、やめろー!と心の中で叫んだのは私だけではないでしょう。

ドミJr.はジュニアカテで行くことが決まったのがナショナルチーム決定直前だったようなので、おそらくオフシーズンはシニア向けの練習を積んでいたんだと思われます。だから3Fに3Loが付けられなかった時点で、ラストのLzにきれいにセカンドを、というふうにスイッチ入っちゃったんでしょうね。安全策でチャーリーで、といった計算もしていたかもです。
なまじシニアの試合も経験しているが故のミス、というべきかもしれません。
しかし、彼の能力なら最初のあの3Fの後にたとえターンが入ったにしてもセカンド2Tならなんとか付けられたろう、と思うだけに余計に残念です。

そして、羽生君の演技でもわかるとおり、シニアならこのリカバリーでOKなんです。

ドミJr,後ろの3Lzコンボも綺麗に降りられていて、採点対象となっていたなら間違いなく加点がついていただろうと思うだけに、つくづくルールの勘違いミスが悔やまれますね。 とにかく、Jr.のうちはリカバリー考えるより、1つ1つの技術をしっかりと身に付けなさい、ということなんでしょうが・・・
3Lz自体はきっちり決まっていましたから、セカンドつけずに置いたほうが、点数自体は高くなりましたよね。僅差の試合でしたから、ルールの解釈ミスが勝敗を分けた、ということになりました。

けれども、このドミJr.のSP構成(3Fー3Lo、3A、3Lz)は、クワドが許可されないJr.としては最高の構成なんですね。前回のポーランド大会ではLzがダブってしまっていましたが、セカンド3ループは綺麗に降りていました。昨年のナショナルでは、3Lz-3Loを綺麗に降りていましたから、おそらくすべてのジャンプにセカンド3Loをつけられるんでしょう、男子では本当に稀有な選手です。

そして、彼の場合、FSでは「クワド、セカンドLoコンボ、セカンドTコンボ、3A2本、トリプル全種 in 1プロ」 の可能性が今年はあります。ジャンプとしては素晴らしいウェルバランスのプログラムです。なんとか実現して欲しいものです。

ドミ息子のFS.
22 Artur DMITRIEV (RUS) - ISU JGP Baltic Cup 2011 Junior Men Free Skating
https://www.youtube.com/watch?v=8sSEUzlDnY4


おそらく最初の3Tがクワドになるはずです。なんとか、シーズン中に成功させて欲しいものですが。


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花は何処へ行った byアレクセイ・ミーシン

 アレクセイ・ウルマノフを、アレクセイ・ヤグディンを、エフゲニー・プルシェンコを、そしてアルツゥール・ガチンスキーを育てたミーシン教授。
彼が新採点システムについてどう考えているのか。ちょっと古いインタですが引っ張り出してみました。(意訳入ってます。間違い等ございましたらご指摘ください)

:::::::

 かつてフィギュアスケーターは、図形を描くことで競い合っていた。それは花や、風景などだった。しかしこのような試合は長くは存在しなかった。

 審判にとって、バラとチューリップとではどちらが優れているのかを判定するのは非常に難しかったからだ。

 そこでスケーターたちは、チューリップとバラの代わりに円形に変更することになった。円を2つ、円を3つ…
全員がまったく同じことをやるのだ。それによって、審判は各選手の技術を引き比べて評価したり、勝者を決定しやすくなった。しかし、この試合形式も時とともに変わっていくだろう。見ていて退屈で、面白くないからだ。


 新採点システムで各選手が目指すのは、面白いものや美しいものではなく、レベル4を取れるスピンやステップやスパイラルだ。高いレベルを得ることへの要求はとても厳しい。
その結果、どのプログラムを見ても非常に似通った(言い換えれば高いレベルをとりやすい)エレメンツ構成になっている。

 しかも、こうして審判が各々の技術を比較しやすくなる方向へとし向けている。
だから今では、本当の花を見ることはとても困難になった。 
 
バラやチューリップは稀になってしまった。
そしてその周囲には、同じ白で、同じ品質の花びらを持つカモミールがたくさん群生している。

スケーターとコーチたちを、チューリップやバラを創り出すことではなく、選手自身の技術を同じような手段でデモンストレーションするように誘発しているのが現行ルールなのだ。
 そのため審判側には、フィギュアスケーターの技術を最大限に公正に比較し、評価できる(実際にはそうなっていないことも多いが)可能性が出てくる。

 確かに見方を変えれば、スピンは今では全体としてより多様になったし、単純でスピードのあるステップが幅を利かせていたステップは、より複雑かつ多彩になった。


後略)

++++++++

『オールスポーツ』(2009年1月17日付)

<原文>
http://www.allsport.ru/index.php?id=22877

続きも訳して載せよう、と思ったのですが、リンクが切れてしまっていまして途中までになりました。とりあえず当時のURLを載せておきます。


現在のいわゆる「点取りプロ」に関しては、ロシアに限らず、古くからの指導者にはいまいち納得できないものであることは確かなようです。ミーシンは別のところで
「エレメンツを数値化することは選手の個性、ひいては技術の進化を削ぐ」
といったことも述べています。
実際、「点にならないから」といって試みられなくなってしまったエレメンツは本当に多い。
イーグルなどのMIF,バレエジャンプ、ジャンプシークエンス(これなどはルール違反になるケースも)、オープンアクセル、ウォーレイといった小技、そしてファデーエフが得意にしていたダブルアクセルシットスピン・・・

フリースケーティングがちっともフリーじゃない、ただSPの時間が長くなっただけ、っていう気もしないでもないです。

そういう意味で懐かしく思い出す演技を2つ。

ファデーエフのダブルアクセルシットスピン。他にも、繋ぎの濃さやスピードはさすがに新採点に移行する際SSの「優れている」という指標にされた、というだけあります。
これは1985年の代々木ワールド
Aleksandr Fadeev (URS) - 1985 World Figure Skating Championships, Men's Long Program


画質がちょっと悪いんですが・・同プロの佐野稔さん解説版


そして、ブライアン・オーサーの1987年のワールド優勝演技。確か、この年初めて男子で3A2本のチャンピオンが誕生したのだった、と思います。後半のエアリーなバレエジャンプ、リズムに乗ったジャンプシークエンスが素晴らしい。
Brian Orser (CAN) - 1987 World Figure Skating Championships, Men's Long Program



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ISU特別強化選手、大いに結構!

友人が紹介してくれたブログです。

パトリック・チャンとキム・ヨナは、まるでISU指定特別強化選手
http://plaza.rakuten.co.jp/mizumizu4329/diary/201105160000/

この方は当該選手への嫌味、として「アテクシってなんてしゃれたこと思いついたんでしょう!」と思ってらっしゃるんでしょうが(笑)、私が思うに、これは最高の褒め言葉だと思いますがw

Pちゃんが前コーチからコンパルを叩き込まれた、というのは有名ですが、ヨナも前コーチだったオーサーからスケーティングの基礎をがっつり教えられた、というのは想像に硬くありません。
オーサーの現役時代のコーチはダグラス・リー。ストイコやタケシのコーチでもあり、ジュニア時代のバトルのコーチであった人、といえば、スケーティングやジャンプの基礎を大事に教える人である、という想像はつくでしょう。
ソルトレイク五輪のタケシのキスクラでニコニコしてた丸顔のおっちゃん、と言えば覚えている方もいらっしゃるかも。
1664390_2750673524s.jpg
彼はリー・バーケル(織田君のコーチ)とともに、Jr.時代のバトルを教えていたこともありました。

そして、オーサーは現役時代、「ミスター・トリプルアクセル」と呼ばれ、大技持ちで華のあるスケーター、フリーの天才、といわれていました。エルヴィス・ストイコは現役時代、「憧れのスケーターは?」と聞かれると、必ずオーサーの名前を挙げていました。
Brian Orser 1999 That's Skating


ナショナルタイトル、ワールドタイトル、と数々の栄光を手にした彼がたったひとつ手にすることが出来なかったもの、それが五輪の金メダルでした。カルガリーのボイタノとの「ブライアン対決」は有名ですが、彼にとって忘れられないのはサライェヴォ五輪でもあったでしょう。SP、LPともトップでありながら、コンパルの出遅れでハミルトンに勝てなかった。(確かコンパル7位)
そのとき彼は、大舞台では基礎に裏打ちされた強さがいかに選手に自信を与えるか、を身にしみて感じたはずです。
そして、それをヨナに叩き込んだ。SPにおけるヨナの無類の強さはそんなところからきている、と思います。

では、ちょこちょこ突っ込みを。きりがないので目立つところを。


>「メダル仕分け」

→カップル競技なんかでは同国人の選手が同時に台のり、なんてしょっちゅうだし、シングルでもソルト、もっと最近なら2007年の女子シングル。安藤さんと浅田さんが一緒に台のりしましたよねぇ。(GPSなんかでもよくあるけど、どうも「限り、ワールド、五輪」といいたいみたいなのでww



>咋シーズン初めのジャパンオープンで、プルシェンコ選手のフリップにもいきなりEがついていた

→男子シングルを見ていない証拠。プルの復帰に当たって心配されていたのはシットスピンが腰高なことと、3Fのエッジでした。これは、スケオタなら知らないはずはありません。「いきなりeがついた」、なんて馬鹿なことはないw



>チャン選手はいきなり4回転を跳べるようになったわけではない。オリンピック前から「パトリック・チャンが4回転を決めたときの理想的な軌道」というビデオを作るなど、システマティックな強化に乗り出していたことは、すでに報道されている。日本はコーチの経験頼みで、結果が出ないと全部選手の「メンタルが弱い」で片付ける。

→これはブログ主がご存知ないだけ。東京五輪のころから、スポーツ医学は日本でも取り入れられ、総合大学では電気工学と医学、などが合同で研究室を作るなど、レベルの高い研究が行われています。確かにコーチの経験則や根性論がまだまた残っている、とも思いますが、トップクラスのスポーツ選手の強化は、それだけではありません。
また、クワドに関しては日本でも昔から地道な研究が行われています。これは長野五輪当時。
『研ぎ澄まされた瞬間』
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6761125

そして、男子オタからは「Pちゃんはクワドを跳べる尻してる、絶対いずれは跳んでくる」といわれてました。
そして、彼の発言「僕にはクワドは必要ない」。ですが、これはあくまで、その当時のPちゃんに関して、の話。
彼は、自分のできること、出来ないことの範囲をよく知っていた。そして、自らの進歩の段階を踏んでいただけ。このお方はPちゃんの年齢をご存じないんでしょうかww


>ロシアもここにきてようやく、国策として強化している。

→馬鹿言っちゃいけません、ソヴィエト時代の「ステート・アマチュア」制度をしらないんでしょうか?あれこそ国策による強化の最たるものです。例え国の形が変化しようとも、あの国は良くも悪くも変わってません。ただ単に、ソ連崩壊でによる資金難でそれが思うに任せなくなっただけにすぎません。そして、連邦各国の独立で、スケート人口も減りました。例えば、男子で言えばウクライナのコバレフスキー、カザフのテンちゃんやラキムガリエフはもしかしたらロシアから出ていたかもしれないのです。
しかし、ロシアの国策による選手強化は連綿と続いています。この方は女子シングルと、男子ではガチンスキーにしか触れてらっしゃいませんが、資金難や国情の変化にさらされながらも、ダンスとペアにさほどの戦力的な落ち込みが起こっていない、というところからしても、システマティックな強化策がずっと続けられていたことが伺えます。中国を見てもわかるとおり、国策として強化しなければカップル競技は強くなりません。


>日本だけが公平性にこだわり、選手をやたら試合に派遣して消耗させている。

→各選手のバイオ(特に欧州圏の選手)をご覧ください、としかいえませんね。シーズンに入ると、外国選手はほとんどツアーのように、GPSやB級マッチを転戦して回ります。
例えば昨年のメンショフのスケジュールは、ネーベルホルン杯→フィンランディア杯→ニース杯→サンクトペテルブルグ杯→ロステレコム杯→パニン・メモリアル→ロシアンナショナル→欧州選手権→カップオブロシアファイナル(国内の小さい試合は抜けているかも)といった感じでした。もちろん、怪我その他の状況を鑑みてエントリーをするわけですので、すべての選手が、というハードスケジュールを組むわけではありません。しかし、試合に出つつ、ジャッジの判断や試合勘をつかみながらプロを練り上げてゆく、というのが海外選手のやり方です。休養をとればよい、というものではありません。だから、ぶっつけ本番だったヨナが心配されたのです。



>審判の責任逃れになり、いい加減な判定と加点・減点を助長させるようなルールは作るべきではない。

これはまったく逆でしょう。新採点システムになり、「技術審判」というものが制定されました。技術審判は現役時代ナショナルクラスの選手でなければ資格はなく(ですから当然メダリストも多い)そういった人々が名前をさらして判定するわけですから、ロングエッジにしろURにしろ、DGにしろ、どこが責任逃れだといえるのでしょうか?私には理解不能です。
これは、2003年のラリック杯、高橋君の演技。新採点システムに移行したばかりだったせいか、採点に関しての解説が行われています(6:37位~から)
Daisuke Takahashi - 2003 Trophee Lalique LP


テクニカルパネルのアレクセイ・ウルマノフがクローズアップされ、「リレハンメル五輪金メダリスト」と紹介されています。


そして、これは今年のワールド男子シングルのプロトコル
今回は判定が厳しかった、と言われているとはいえ、4分の一前後の選手にeがついています。ワールド出場クラスの、一流選手の現状がこれなのです。連盟が危機感を抱くのも当然です。

今のルールでは、ジャンプの種類や回転数、エレメンツのレヴェルによって基礎点が違うのですから、正しいエレメンツがしっかりと行われているか、が追求されるのは当然のことです。
そして、ISUが要求しているのは、SS(スケーティングスキル)が高く、ジャンプを正しい跳び方で跳び(つまり、エッジエラーやUR,、DG、転倒なしで)、限られたエレメンツの中から最も高いものを完成度高く行いうる選手なのです。

選手たちの多くはそれを理解し行おうと努力しており、現時点でそれがもっとも成功しているのがパトリック・チャンであり、キム・ヨナなのです。

そして、韓国とISUの癒着、とやらにえんえんといちゃもんつけてる方が多いですが・・

アスリートがスポーツを続けていくためにはどうしても資金が必要です。
他にも似たケースで言えば、東京美装と八木祐四郎氏と日本スキー連盟、また、同じスケート部門でも富士急行と橋本聖子女史・・

そして、彼らが批判しているのと同じことが長野五輪の西武グループとISU,IOCにもいえるわけで・・・ご存じないんでしょうか。実際、西武グループが存在しなかったら、長野五輪は開催できなかった、と言っても過言ではありません。

どうしてPIWが出来たか、その辺調べてみるだけでも大分わかると思いますが。それとも、フィギュアに限ったことではないから興味がないのかな。

西武グループだけでアイスホッケーのチームを2つも持っていた(国土計画、西武鉄道)くらい、堤さんのウインタースポーツへの入れ込みようは半端じゃなかったんですけど。
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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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