雑誌とブログの関係 -編集者のプライドはどこに行ったのか


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また「フィギュアスケートプリンス」という雑誌が出版されて、羽生くん中心のブログ書いていた方が文章をぱくられた、Twitterで嘆いていらした。
前号で懲りずにまたやったのか、という感じだが、写真も多く、値段も手頃、ということで買う人も多いみたいだ。

しかし、楽しみにしていた雑誌が届いてワクワクしながらページを開いたら、自分のブログが登用されていたブロガーさんの気持ちは察するにあまりある。

コアなヲタなら、表紙に「4大陸選手権」と書いてあるのにも関わらず、羽生君が特集されてる、ということ自体に怪しげな気持ちを抱くんじゃなかろうかとも思う。
でも、彼が病に倒れ、見ることもできないでいるファンの気持ちとしては、写真だけでいい、以前の試合のものでもいいからという気持ちはわかる。

でも、それにつけ込むかのように、一般人のブログから文章をパクってきて本にしちゃう、というのはどんなもんだろう。素人だから、一般に知られてないからいい、ということなんだろうか。ファンだからこそ、思いを込めて書いている、というのがわからないのだろうか?

出版業界が不況なのはわかる。だからといって、どんな手を使ってもいい、ということはなかろう。フィギュアスケートという人気スポーツがあり、そこに一人のヒーローが現れた。
だからこそ彼を大切にしなければならないのであろうのに、こんなふうに切り売りをしていいものなのか。
いや、出版業界のみに限らない。マスメディア全てにこれは言える。言葉は悪いが、羽生結弦、そして彼のライバルたちは、メディアにとって金の卵を産む鳥なのだ。


そして、ここで私がこだわるのは、以前自分がやられたから、というのもあるけれど、出版社のプライドはどこに行ったんだ、ということだ。物書きとして恥ずかしくないんだろうか。昔、その世界に身をおいていたものとしては本当に恥ずかしい。それからもう一つ引っかかるのが、

ほとんど無料で読むことができる(アフリェイトかかるかもだけど)ブログを、自社の利益にしている、それも無断で、ということなのだ。多くのブログにはメールフォームやコメント欄があるから、「今度出す雑誌に引用させてください」とメール1本打てば、快く了解してくれる方がほとんどだろう。アフリェイトやってる方ならURL書いてください、というかもしれないが、だとしてもお互いの利益になるわけだし。
私の時は、もし問い合わせがあったとしたら喜んで応じたろう。
好きな選手がたくさんの人々に知ってもらえる、というのは本当に嬉しいことだ。


そして、モノを書いてるものとしては、文章自体に思い入れがあるから、「このくらいなら」とつままれても、すぐにピンとくるものなのだ。編集の仕事をしていて、それがわからないはずはない。物書きは、形容詞ひとつ選ぶにも頭をひねるし、インタの翻訳などであればなおさら言葉を選ぶものだ。

そして繰り返すが、ただで読めるサイトを自社の利益に変えようというのは余りにもセコイ。

これからもこういったことが度々起こったら、フィギュアファンは出版業界を見放すだろう。メールの1本で済んだことなのに。
そして、連盟も少しは考えるべきではなかろうか。



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再録】ジャッジパネルのスコット・デイヴィス -技術審判の存在感

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以前書いたものですが、また今回のGPFの男子技術審判でスコットが来てくれたので上げておきます。

GPF男子技術審判員


だいぶ前、、アンソニー・リュウが町田くんのコーチとしてリンクサイドに現れたとき、こんな記事を書きました。

キスクラに帰ってくる懐かしい顔 ―NHK杯のアンソニー

そしてまた、懐かしい顔が一人還ってきてくれました。
実は今年の4月に行われた国別対抗の技術審判として、スコット・デイヴィス(写真)が来ていたのでした。なんて懐かしい!

Men - Short Program
 
Panel of Judges
 






















FunctionNameNation
RefereeMr. Alexander LAKERNIK
ISU
Technical ControllerMs. Hely ABBONDATI
ISU
Technical SpecialistMr. Scott DAVIS
ISU
Assistant Technical SpecialistMs. Claudia UNGER
ISU
   
Judge No.1Ms. Marta OLOZAGARRE
ESP
Judge No.2Ms. Noriko SHIROTA
JPN
Judge No.3Ms. Leslie KEEN
CAN
Judge No.4Ms. Jarmila PORTOVA
CZE
Judge No.5Mr. Franco BENINI
ITA
Judge No.6Ms. Alla SHEKHOVTSEVA
RUS
Judge No.7Ms. Anne CAMMETT
USA
Judge No.8Mr. Philippe MERIGUET
FRA
Judge No.9Mr. Yumin WANG
CHN
   
Data OperatorMs. Lisa JELINEK
ISU
Replay OperatorMr. Ted BARTON
ISU



 
ちょっとオジさんになってはいたものの、目元はあの頃のまま。

技術審判(テクニカルジャッジ)は新採点制度発足とともに作られた制度で、出来る人間も限られ(ナショナルクラスの選手経験者であること、試合によってクラスが決まっていて、それをクリアしていなければならないこと。そしてなにより難しい問題なのが、ジャッジングをするカテゴリーに自分の携わっている選手がいないこと、です。
若手の選手経験者のほとんどが、現在コーチとして活躍しており、選手を教えています。ウルマノフやペトレンコなどもジャッジパネルに入っていた時期もありましたが、残念ながらコーチとしての活動が忙しくなるとともに、彼らの姿は見えなくなりました。

それについて詳しいことはこちら→国際選手権でジャッジングをする、ということ - 天野真さん

スコット・デイヴィスはリレハンメル五輪の年、プロから復帰してきたボイタノを破って全米チャンピオンとなりアメリカ代表となりました。
高いジャンプとスピードのあるスケーティング、回転の速いスピン。そしてサンダーバードを思わせるようないかにもアメリカンな風貌。
五輪本番では、コンボの間にターンが入ったものの、3Aコンボを入れ、4位といい出だしだったのですが、FSでは残念ながらジャンプが崩れて総合8位。
しかし、この年代の彼に素晴らしく似合ったダイナミックでいいプロだったので、本当に残念に思ったのでした。が!このプロをほとんどノーミスで演じていた全米選手権の動画がありました。いやー、いい時代です。
「ウエストサイド・ストーリー」です。ちょっとまだスケーティングが荒いですがスピードと高さのあるジャンプを持った彼に良く似合ってます。実況が「ウエストサイド・ストーリー、シャーク団のトニーを演じます」

Scott Davis - 1994 U.S. Figure Skating Championships, Men's Free Skate


それから彼は持ち前のジャンプを活かしながらスケーティングと表現力を磨くために、ズミエフスカヤコーチのもとに行きます。
そして4年後の長野五輪のシーズン。彼はNHK杯に来日し、台乗りを果たします。覚えてらっしゃる方も多いかもしれません。ちょうどこの年のNHK杯は五輪を狙う選手たちの調整試合としてはいい位置にあったので、メンツがとても豪華でした。
冒頭に、イリヤやタケシも映ってます。
Scott Davis (USA) - 1997 NHK Trophy, Men's Free Skate

この日はちょうどコーチの誕生日。いいプレゼントになりましたね。
スピンやスケーティングのスピードはそのまま、しかし荒さが取れて、柔らかくしなやかな滑りもできるようになって、大人の表現ができるようになったのだなぁ、と感じました。

現在スコットは、カルガリーにあるクラブのディレクターをしているそうです。以前のインタでは、
「生徒たちが、年齢やレベルはどうあれ、人として、アスリートとして成長していくのを見るのがとても楽しみです。それによって私たちも教えられることも多いですし、スケートだけでなく、人生そのものを学んでいってほしい」
と述べていました。

彼のように、現役時代に高い技術を持っていた元選手がジャッジとして還ってくる、というのは本当にありがたいことです。それによって、

「自分が現役時代にできなかった技を判定できるのか」
といった言いがかりめいた批判も少しづつは減っていくでしょう。
エレメンツを成し遂げる能力とそれを判定する能力は別物とはいえ、なかなかそれを分からない人間が多いのは確かです。


拘束時間や労働量の割に報われないことの多いのが裏方、特にジャッジですが、競技の未来のためにも、一人でも多くこうして現場に戻ってきてくれる人が現れて欲しいものです。


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赤い衣装の「シンドラーのリスト」少女と女性の表現の差とは

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リプニツカヤの「シンドラーのリスト」で、思い出したプログラムがありましたのでご紹介。
1994年のプロフギュア選手権のカタリナ・ヴィットです。

ちなみにこの時のヴィットは28歳かな。サラィエヴォ五輪で金を取ったのがたしか18歳、と記憶してますので。

Katarina Witt (GER) - 1994 World Professionals, Ladies' Artistic Program


プロフィギュアの、それもアーティスティック部門なので、高難度のジャンプは入っていませんが、足元の素晴らしさと表現力はたっぷり堪能していただけると思います。
ラストのひと蹴りの伸びの凄さといったらもう!

ちなみに彼女はみどりさんと比較されて「芸術のヴィット」のイメージで語られがちですが、若い頃は「ジャンプのヴィット」で、同世代のビールマンとともに女子フィギュアの技術向上に凌ぎを削っていました。サラィエヴォ五輪ではフリーで2Lz-3Tを決めています。練習では3Lz-3Tも降りていたとか。
そんな彼女が大人の女性となって、の表現の形がこの「シンドラーのリスト」であり、「花はどこへ行った」であると言えるでしょう。


ちなみにリプニツカヤの「シンドラーのリスト」欧州選手権のものです。

Julia LIPNITSKAIA 2014 European


同じ赤い衣装をつかっても、ベテランにはベテランの、若手には若手の良さがあって、単純には比較できないなぁ、と正直思います。


あと、このヴィットと同年のプロフィギュアでは、ポール・ワイリーがやはりアーティスティック部門で「シンドラーのリスト」をやってました。これも名プロのひとつです、ご覧ください。

Paul Wylie (USA) - 1994 World Professionals, Men's Artistic Program


そして、もう一つ。バンクーバーシーズンのセリョージャのフリーがやはり「シンドラーのリスト」でした。本当にこれは神プロだった、と私的には思っているので五輪で見たかったです。
3年半ぶりにLzを入れ、復帰戦だった高橋君を抑えてフリーではトップを取ったフィンランディア杯のものです。

Finlandia Trophy 2009 Men FS 16 Sergei VORONOV


こうして見ると、同じ曲でもスケーターそれぞれに表現方法が違うのだということ、そして同じスケーターでも年齢によってその表現方法も変わってゆくのだ、ということがよくわかります。


リプニツカヤがヴィットの年齢になった時、果たしてどんなスケーティングを見せてくれるのか、はとても楽しみでもあります。年齢によっての衰えを補って余りあるようなベテランの魅力あるスケーターであってほしい、と思います。

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ネーベルホルン杯を終えて-カレンダーコンペ(B級大会)の存在意義


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今回のネーベルホルン杯で安藤さんは復帰を遂げ、日本はリード姉弟の活躍によって五輪団体の出場が濃厚となった。また今週末にはフィンランディア杯、オンドレイ・ネペラメモリアルとカレンダーコンペ(いわゆるB級大会)が目白押しだ。
特に、このネーベルホルン杯は五輪予選、ということで注目が集まったけれど、他のカレンダーコンペも、NHK杯に負けず劣らず歴史のあるものも多いし、参加選手のレベルの高いものもある。


B級大会、というけれど、いわゆるこういったカレンダーコンペの大切さがこれを機会にもっと知られるといいと思う。GPSや選手権だけが選手たちにとって意味を持つ試合じゃない。

実際、NHK杯もこういったカレンダーコンペの1つだったのだ。1996年シーズンから、有力選手のプロへの流出を防ぐためにCPS(チャンピオンシリーズ)としてISUの賞金大会として行われたのが現在のGPSの原型だ。
それからドイツのボフストロム杯がチャイナカップに変わり、フランス杯のスポンサーが変わり、となって現在に至っている。

週末に行われているフィンランディア杯、オンドレイ・ネペラ・メモリアルなどのカレンダーコンペは「B級」言われれることがあるように、GPSとは1段下がったもの、と思われがちだが、欧州などのGPS自国枠を持たない選手たちにとっては世界への登竜門であり、熾烈な競争の場なのだ。
少しでもポイントをとってWSを上げておけば選手権の滑走順が有利になるし、GPS出場も目指せる。
また、エントリーメンバーを見ればわかるが、男子ではクワド持ち、女子では3-3持ちがゴロゴロいて、欠員が出てしまったGPSよりはるかに見ごたえがあったりもする。

そして、枠を持っている国の選手でも、GPS出場権をかけて(国ごとにGPS出場人数は限られている)こういった大会に出かけてゆく。
日本で言えば以前の町田くん、無良くん。鈴木さんといったところがそうだったし、現在では佐々木彰生くん、中村健人君などがそうだろう。

オンドレイ・ネペラ・メモリアルのように、過去の名選手を冠したカレンダーコンペもある。また、大会によってはノービスクラスから全て揃っているものもある。昨年ヨナが復帰したNRW杯等もその例だ。ノービスっ子達が、五輪チャンプと同じ大会に出場しまた同じリンクで滑る、というのは意義のあることだと思う。
そして、各大会によって特徴もあり、フィンランディア杯ではシンクロナイズド・スケーティングのカテゴリーもある。

また、今回のネーベルホルンでは開催側が安藤美姫さんを招聘した、ということで「日本の連盟の頭越しの陰謀」みたいに言われたが、これは大会が興業でもある以上当たり前のことだ。
GPS発足前のNHK杯なんて、海外の有名選手を呼びまくっていた。
ナショナルチャンプがゴロゴロ、前年のワールド最終グループがほとんどいる、なんてことも稀じゃなかった。

海外のこういったカレンダーコンペは地元の自治体やクラブが中心となって行われることが多いが、有名選手を招聘のよって観客を集めることができ、また将来を担う所属選手たちに一流の演技を見せて刺激を与えることができ、観客が地元にお金を落としてくれ、地元選手もポイントやスコアをクリアするチャンスができ、(カレンダーコンペの点数はPBとはならないが、5位以内に入ればランキングポイントがもらえる)大きな大会に向けての調整や新プロのジャッジングの感触を試すこともできる。

いいことだらけではないか?

現実、トリノ五輪予選として行われたカレンダーコンペであるカールシェーファーメモリアル(オーストリア出身のカールシェーファー選手を冠したメモリアル大会)は、主催クラブの経営不振によって、2009年から行われていない。
こういった記念すべき大会が消えてしまうのはとても寂しいことだ。だからこそ著名な選手を呼び、観客を集めなければならない、という一面も存在する。

カールシェーファーがなくなったため、バンクーバーの五輪予選はこのネーベルホルンで行われた。
当時スイスは五輪枠を持っていなかったため、復帰を表明したランビエールが出場したから、覚えてらっしゃる方も多いかもしれない。
ベテランとは言え試合ではほとんどぶっつけ本番、ミスれば自らはもちろん自国の五輪もなくなる、というところでダントツの成績を出したのはやはりさすがだった。

今回の日本ではアイスダンスのリード姉弟、ペアの木原・高橋組が同じ立場となった。そして、彼らには五輪団体戦出場枠獲得の希望も託されていた。

リード姉弟ネーベルホルンFD


リーズや高橋・木原については後で別記事を持って触れたいと思うが、「五輪予選」ということがついていなくとも、カレンダーコンペは面白いものなんだ、ということを分かってもらいたい。
特に、GPSの出場人数が削減されてしまってからは
「毎回同じメンバーを見ている気がする」という声をよく聞く。
スポンサーや放映時間の関連もあるのだろうが、なんとか元の人数に戻すか、欠員ができたら予選繰り上げを行うなどして、新鮮なメンバーを見せて欲しい。


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安藤美姫さんの前途はどうなるのか

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美姫、特別扱いなく五輪条件クリア危機

この記事を読む限り、日本スケ連が一枚岩でないこと、また五輪選手選考のために危機感もまったく抱いていないこと、ISUの意向も汲み取れていないことがよく分かって、正直、組織として大丈夫なのかよ、と思うわけですが。

正直私が思うに、安藤さん義理堅すぎです。。。というか世渡りベタ?

昨年GPS(グランプリシリーズ)を辞退した際に、彼女は強化選手も辞退しました。これは強制ではなかったと聞いています。また、トヨタ自動車を退社したのも、会社自体は「ソチまで援助を続ける」という意向だったのに、中途半端な立場では・・という彼女の真っ正直さ、義理堅さからの選択でした。
(これは当時彼女がコメントとして出しています)

今季は休む、ということで強化選手の立場を確保しておくこともできたはず。実際、海外の選手でそのようにしている選手は珍しくありません。また、日本の他種目の選手でもいます。
しかし、立場と義務を返上した以上、権利だけ享受する、というのは彼女の良心が許さなかったのでしょう。結果としてそれが現在の状況を招いてしまったわけですが。

実際、海外では何シーズンか休みを取る選手は珍しくありません。バンクーバー五輪金のライサチェクやプルシェンコ(彼はトリノ五輪からバンクーバーまでほぼ3シーズン休んでました)やランビエールなど。

そして、この記事にある「特別扱い」というのにもちょっと語弊があります。

彼女は何も、ブロック大会をスキップしていきなり全日本から出せ、と言ってるわけではありません。実際東日本ブロック大会からの出場が決まっています。
昨年GPSと全日本を休んだ時点で、全日本のシード権がなくなり、ブロック大会から勝ち上がらなければならなくなったことは彼女が誰よりも承知していたはず。
実際、同様な立場の先達として、村主章枝さんがブロック大会から全日本を目指しています。
このように五輪に何度も出場し、ワールドのメダルも持っている選手ですら特別扱いはされていません。

ただ、ここで安藤さんが言っているのは、全日本出場のことではないのです。

ISU主催の選手権大会(4大陸選手権、欧州選手権、世界選手権)と、オリンピックに出るためには昨シーズン、もしくは今シーズン(7月から)中に、ISUの定める最低点(ミニマムスコア、といいます)をクリアしていなければなりません。これは予選がなくなったことで、選手権の格を保つために定められたものです。(陸上競技で言う参加標準記録、と考えていただくとわかりやすいです)

ただ、それを取るためにはISU公認の大会に出場しなければいけません。

そして、これはグランプリシリーズに限りません。
勿論安藤選手はGPSの出場条件をクリアしていますが(過去10季で世界選手権ないし五輪の表彰台に上がった選手はISUとしては出場可能)、日本スケ連はGPSに安藤さんを派遣しませんでした。

確かに安藤さんは「でられるものなら出たいが」とはいっていますが、GPSになんとしても出せ、と要求しているわけではありません。ミニマムスコアはISU公認の大会であれば承認されますので、他の大会に出て取ることもできるわけですから。
昨年、キム・ヨナ選手がドイツのNRW杯で優勝し、ミニマムスコアをクリアして世界選手権出場の足がかりにしたことは記憶に新しいところです。

現在の安藤選手への扱いと対照的なのがアメリカのライサチェクに対する態度です。

ライサチェクはバンクーバー五輪後アマチュアのコンペに出場しておらず、選手活動は殆ど行っていませんが、アメリカはミニマムクリアのチャンスとしてスケートアメリカの自国枠をライサに与えています。
そしてそこでミニマムをクリアし、(できなければ他のカレンダーコンペでも可能)全米で勝ち上がれば彼は五輪の出場権が得られるわけです。いわば
「機会は与えた、結果を出すのは君次第だ」
という態度なわけですね。


けれども、日本スケ連は「強化選手ではないから国際試合に派遣しない」とミニマムをクリアする道を閉ざしているわけです。

ISUの公認大会、といえばこれだけあります
http://deep-edge.net/event.php?from=2013&to=2013&NAT=&ic=on&other=on&m=search

これらの大会には日本からも毎年かなり多くの選手が出場していて、昨シーズンは強化選手以外の選手も何人か派遣されていた、と記憶しています。


全日本の前で、尚且つブロック大会などにも日程がかぶらない大会、となると限られますが、かなりの選択肢があります。

強化費を出すことが云々、というのなら、「その気があるなら自費で行きなさい、連盟としてエントリーはするから」と言ってくれれば、ファンは大喜びでその費用を出すでしょう。

そして与えられた機会でスコアをクリアできるかどうかは彼女の頑張りいかんです。

また、今回は五輪選手派遣決定の条件として、全日本選手権参加が必須となっていて、その直前に怪我などをしてしまった、などという場合、それが五輪までに間に合うような軽いものであっても、実績を考慮、などという救済措置が取られていません。
このようなリスキーな決定事項を決めたからには、実力ある候補者は多ければ多いほどいいはずですし、選手側の負担も軽減されます。

ただ、ブロック大会の成績いかんでは強化指定の復活もありうる、ということなので、動向を見守ってゆきたい、と思います。

権利のあるもの、可能性のあるものに道を閉ざすのはけしていいこととは思えません。


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「Star Trek」とフィギュアスケート ―1枚の写真から

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シブタニズの隣にいる東洋人男性、誰だかわかります?「どこかで見たことあるなー」か、「うわー、老けたなー」と思うか・・?

実は彼は日系二世の俳優、ジョージ・タケイです。「ミスター・カトウ」もしくは「ミスター・スールー」といったほうがわかりやすいかな。スペースオペラ「スター・トレック」で日系人として初めてTVドラマにレギュラー出演し、映画化されても1~6まで(カーク船長達の出てくるTOSメンバーの作品)にすべて出演、ゲストとしてはヴォイジャー、DS9(ただし回想シーン)に出演しています。
おそらく、日系人俳優の中では最も有名な人物、と言えるでしょう。

彼は1937年に、ロサンゼルスで生まれますが、1941年の日米開戦とともに、強制収容所に送られることとなります。
自伝に記された

「私の最も古い記憶は鉄条網ごしに見たカリフォルニアの荒野だった」
というのは非常に印象的です。

昨年からこの日系人強制収容所の生活を描いた「尊厳の芸術展」が各地を回って行われています。

尊厳の藝術展―The Art of Gaman―
https://pid.nhk.or.jp/event/PPG0151561/index.html

アート・オブ・ガマン、と言われるように、収容所での生活の中で人々が合言葉のようにしていたのがこの「ガマン」の精神だった、とタケイは述べています。
単に服従するのでなく、諦めるのでなく、与えられた環境を粛々と受け止め、その中でできるだけのことをする。それが日本人の美質であると。
東日本大震災の際、暴動や略奪がほとんど起こらなかったことについて、各国から賞賛と驚きの声が上がりましたが、タケイは、この「ガマン」という言葉を引いて日本人の資質についてアメリカのTVインタビューで語っています。




そして、こちらがロサンゼルスにある日系人博物館のヴィデオ。ここでタケイは案内役を務めています。
GEORGE TAKEI VISITS THE JAPANESE AMERICAN NATIONAL MUSEUM
https://www.youtube.com/watch?v=hImJh7_Ow1g


そして、なんとこの中で、1992年アルベールヴィル五輪で優勝したクリスティ・ヤマグチのスケート靴やコスチュームとともに、タケイが「Star Trek Ⅵ 未知の世界」で演じた戦艦エクセルシオール号艦長キャプテン・スールーの衣装が向かい合って展示されていました。

ソチ五輪を終えて、いや、ソチ後でもいい、いつかシブタニズの衣装がここに展示されることがあるでしょうか。
そのときを心から楽しみにに待ちたいと思います。

(これは、「ヴォイジャー 伝説のミスター・カトウ」から。)


「艦隊の規則は確かに大切だが、それよりももっと重んじなければならないものも時にはある」と言って、やっと手に入れた艦長の地位を失う覚悟でカークたちを救助しにエクセルシオール号を発進させるシーン。STでは艦長の「Engage!」(発進、と訳されます)が一種の決めゼリフです。)

   Harumi,Hideo,Good Luck and ENGAGE!!


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五輪のラフマニノフ2番 -ジンクスを破るものは現れるか-

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来年の五輪はロシアのソチ、おそらくそれにちなんでロシアの曲をプログラムに使う選手も多かろうと思います。フィギュアで多く使われる、というとチャイコフスキーやプロコフィエフといったバレエ音楽、あとはラフマニノフでしょうか。
ただ、このラフマニノフのピアノ協奏曲第2番、あまりよくないジンクスがあって・・
「プロ自体は素晴らしいものが出来上がるが、金メダルには届かない」というもの。
まあ、ジンクスは破られるためにあるのですから、今回のソチではラフマニノフの2番で金メダルを手にするスケーターが現れてほしい、と思います。

というわけで、五輪のラフマニノフ2番のプロを集めてみました。

まず、私が五輪でラフマニノフ、というとアルベールヴィルのミシドミことミシュクテノク&ドミトリエフです。
ゴルデーワ&グリンコフに僅差で破れ銀メダルでしたが、私の中では今でもミシドミが金です。そして、このペアの音楽アレンジは、後のラフマニ使いにも大きな影響を与えています。

Natalia Mishkutenok - Artur Dmitriev LP 1994 Lillehammer Olympics (2位)



そして、日本人で、というと伊藤みどりさん。五輪初のトリプルアクセルはこの時でした。
Midori Ito 1992 Albertville Olympics LP (WIDE SIZE) (2位)



ソルトレイクのアレクサンドル・アブト。ユーロでは優勝したヤグディンより素晴らしかった、という声も聞かれましたが、この五輪ではミスが出てしまい、残念な結果となりました。しかし彼の長い手足を活かした非常に優雅なプロとなっています。
2002 Men Alexander Abt FS



トリノ五輪の村主章枝さん。きれいな3Lzが2本、そしてスピードに乗った素晴らしい演技でした。会場の歓声がすごいです。本当に惜しい4位でした。
Fumie Suguri 2006 Olympic FS



トリノ五輪の高橋大輔さん。いやー、若いなーww 髪型とかで「チャラい」とか言われてた頃ですねw
Daisuke Takahashi - Torino Olympics 2006 FS (8位)



実は、2002年のソルトレイク女子で優勝しているサラ・ヒューズもシーズン中はラフマニノフの2番を入れていたんですが、全米の後少し曲アレンジを変えてきていました。縁起を担いだのか、後半の盛り上がりを大事にしたかったのかはわかりませんが・・

しかし、曲を変えて彼女は優勝した。

そんなことからも、いまだに「ラフマニノフ2番のジンクス」などと言われるのかもしれません。

五輪のサラ


GPFのサラ





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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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