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ことばの恐怖 ミハイル・コリャダーのコメント誤訳をめぐりISUが謝罪文


Screenshot-2017-12-9 えんたーぷらいず*セリョージャまらじぇっつ! on Twitter
(NHKニュース記事より)

華やかなグランプリファイナルの舞台裏で、起きてはならないことが起きてしまいました。男子SP後のインタビューで、ロシアのミハイル・コリャダーの発言に誤訳があったとして、ISUが謝罪・訂正文を出す、という事件が起きていたのです。(上の写真がその訂正文です)
皆さんご存知のとおり、ドーピング問題からロシアは平昌五輪に「ロシア」という国としての出場は禁止、国旗・国歌の使用もできない、ただし中立旗(五輪旗)のもとでの個人参加の道のみ残す、というIOCの裁定が下ったばかりでした。
当然、プレカンに出ていたロシアのコリャダーにはその質問が飛びました。そしてそれを、露日通訳が真反対の意味に誤訳してしまったのです。
彼の本来のIOCの処遇に対するコメントは

 「ロシア選手が出場できるのは正しい決断」  というものだったのですが、通訳が訳したのは
 「ロシアの犯したことを考えれば当然の処置」  となっていたのです。

これでは、コリャダーはプレカンで、自国の姿勢を真っ向から批判し、IOCの裁定を真実として受け入れる、という表明をしてしまったことになります。実際、これは文字になり、様々なメディアに載りました。昨日の私のエントリーで紹介したこの記事です。
男子フィギュア ロシア勢2人 五輪出場禁止処分も個人資格での出場に意欲「出たい」(12月7日付)

ロシア人記者の記事にあたっても、「ロシアの犯したことを考えれば当然の処置」もしくはこれに類する言葉はなかったので、リンクを貼るだけにとどめましたが、まさかこういう事が起こっていたとは。
7日に出たこれらの記事内容と、ISUの出した英文記事との違いを外部から指摘され、プレカンの動画にもう一度あたり、誤訳が判明して謝罪・訂正文を出す、という流れだったようです。
これは本当に重大かつ危険なことでした。なぜなら、この誤訳の発言は、彼のロシアンアスリートとしての立場を危うくもしかねない微妙な問題だからです。この誤訳記事の時点では、プーチンの「選手の個人出場は妨げない」という発言は表に出ておらず、またロシアの主だった数々の指導者たちもコメントを出してはいましたが、試合中だった彼はそれを知るすべはなかったでしょう。国の姿勢がはっきりしていないのに、「五輪に出たい」というのも相当勇気のいることだったと思うのに、自国批判、とも取れる誤訳をされてしまっては…。冷戦時代だったら、コリャダーのもとに刺客が飛んでいたかもしれません。いやマジで。

ただ、ロシアの報道サイト、R-スポルトのロシア人記者の方がプレカンにはいたはずなので、コリャダーの誤訳発言はロシア国内には間違って伝わってはいないとは思いますが、「中立旗のもとで出るのは恥」とまで言う人々がいる中、このままにしておいては彼の立場をも危うくしかねません。
即刻、ISUから(←ここ大事!)訂正文が出ている、というのがこの重大さを表しているでしょう。

これが謝罪・訂正文と彼のコメントに関するNHKニュースの記事です。
ロシア選手の発言誤訳で国際スケート連盟がおわび(12月8日付け)
かなり事の流れがよくわかる記事なので、成り行きはこちらでどうぞ。

そして、友人のロシア語使いのけいちかさんが、当該コメントの載っているR-スポルトの記事を訳してtwitterに上げてくださいました。許可を得てここに転載します。そして、この記事を書いたアナトーリィ・サモフヴァーロフ氏は、GPFの取材で名古屋に来ており、プレカンにも出席していたはずです。











以上がロシア側の記事です。

まだまだロシアの平昌五輪関連は予断を許しません。プーチンのコメントが出たとはいえ、「中立旗のもとに行くのは恥」というかなり強硬な意見があることも確かなようです。ただ、フィギュアスケート関連では、タラソワ、ズーリン、ウルマノフ、プルシェンコと言った指導者たちは、どんな形であれ「五輪に行くべき」という意見は共通しているようです。
その中に、ソ連崩壊のため、アルベールヴィル五輪で五輪旗のもとに選手として出場したズーリン、ウルマノフ、といった2人が含まれている、この事実は重く受け止めなければいけないと思います。
ロシアスケート連盟の意向は12月12日に明らかになるようですが、とにかく選手たちが虚しい思いをしなくて済むような決定を望みたいと思います。


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テーマ : フィギュアスケート
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「リサイクル」プログラムの是非 羽生結弦、エルヴィス・ストイコ、そしてヴィクトール・ペトレンコ


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先日、羽生結弦選手のトロントでの公式練習が発表され、五輪シーズンのプログラムがSP「バラード一番」FSが「SEIMEI」であることが明らかにされました。それについて、いくつもの記事が出ました。その中で、今日ツィッターで回ってきたのが、彼の2つのプログラムを「リサイクル」と評した日本経済新聞の原真子氏の記事でした。
リサイクル、という言葉自体は最使用、再利用という意味もありますから確かに間違ってはいない。ただ、出来上がったものが前のものより質が落ちる、また“不要となったもの”を使う、という意味から、どちらかといえばネガティブな単語ではあります。
正直、フィギュアスケートにおいては、プログラムの最使用については「持ち越し」という言葉が定着していますし、なんでこの単語を使ったのだろう、言語センスないなあ、と思っていたのでした。

そして、前後を読んでみて驚きました。

『過去に2つとも“リサイクル”したプログラムで五輪を戦った選手はいないとされる』

えええええええええええ!

原さん、あなたそれでも「フィギュアスケート記者」とお名乗りになりますか!ぶっ飛びましたね。

ソルトレイクのエルヴィス・ストイコ、アルべールヴィルのヴィクトール・ペトレンコをお忘れですか!


ソルトレイクのエルヴィスは、長野五輪(2位)で滑ったSP、鼓童の「ライオン」をSPで、リレハンメル五輪(2位)で滑ったFS「ドラゴン ブルース・リー・ストーリー」をFSで滑っています。2つの五輪について動画を上げておきます。

長野五輪SP「ライオン」(注・この当時SPにおいてはクワドはまだ許可されていません)


ソルトレイク五輪SP「ライオン」(ライーヨー衣装が話題になりましたね)


リレハンメル五輪FS「ドラゴン」


ソルトレイク五輪FS「ドラゴン」


エルヴィスについては、羽生結弦選手の「SEIMEI」が発表された当時、特集を組みました。なぜ彼がこの2つのプログラムを“リサイクル”(←嫌味) してラスト五輪に挑んだのか、を詳しく書きました。お読みいただけると幸いです。
こちら→そして「SEIMEI」へ・・・。獅子は龍の道を拓いた ―エルヴィス・ストイコ

そして、アルベールヴィル五輪金、同年の世界選手権も金、の二冠を達成したヴィクトール・ペトレンコ。彼もまた、前期に使ったSP「カルメン」と、前期、前々期、と使ったFSを用いています。
ただ、彼の場合は五輪の時期がちょうどソ連崩壊とぶつかり、資金難や練習場所の不備で、新プログラムができなかった、というのも理由の一つであったようです。けれども、プロから復帰して参加したリレハンメル五輪でも、SPにやはりこの「カルメン」を用いているので、かなり思い入れのあったプログラムなのだろうと思われます。

1991年(五輪前年)世界選手権SP「カルメン」


アルベールヴィル五輪「カルメン」


リレハンメル五輪「カルメン」(直前の滑走者の靴のトラブルで滑走が遅れる、というハプニングがありました)


1991年世界選手権FS


アルベールヴィル五輪FS


ペトレンコについて詳しくはこちら→王子さまは波乱万丈 ―元祖・氷上の貴公子、ペトレンコの辿った道―

こうして見ると、一流選手が思い入れ強く滑り込んだプログラム、というのは名作である、ということがよくわかります。
しかしながら、同じものを繰り返す、ということに批判があるのも確かでしょう。ファン心理としては、限りある選手生活の中で、少しでもたくさんのプログラムを残してもらいたい、と思うのも当然だと思います。
けれども、「オリンピック」という4年に一度の特別な大会、選手生活の節目ともなる大会で、選手が思い入れのあるプログラムを更に高めて演じたい、と主張した時、誰がそれを止められるでしょうか?

「リサイクル」などと、まるで選手の才能やアイデアが枯渇しつつあるような言葉を使うのは言語道断だと思います。そういう意味で使ったのではない、というのなら、原さん、あなたは言語センスが決定的に欠けている。
私なら、もう一度同じものを行うこと、なのですから、再演、再挑戦、でしょうか。外国語で書きたいならばリバイバルか、リメイク。 いくらなんでも リサイクル はないですよね。
私だったら 再挑戦 と書くかな。 

言葉というものには、それぞれ微妙な色合いがあります。本職の書き手であるならば、そこはしっかりと抑えてもらいたいものです。

この書き方ですと、羽生結弦選手の旧プログラム再挑戦を否定したいがあまりに、過去の情報(それはしっかりと間違っていたわけですが!)を引っ張り出してきたようにしか見えません。




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雑誌とブログの関係 -編集者のプライドはどこに行ったのか


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また「フィギュアスケートプリンス」という雑誌が出版されて、羽生くん中心のブログ書いていた方が文章をぱくられた、Twitterで嘆いていらした。
前号で懲りずにまたやったのか、という感じだが、写真も多く、値段も手頃、ということで買う人も多いみたいだ。

しかし、楽しみにしていた雑誌が届いてワクワクしながらページを開いたら、自分のブログが登用されていたブロガーさんの気持ちは察するにあまりある。

コアなヲタなら、表紙に「4大陸選手権」と書いてあるのにも関わらず、羽生君が特集されてる、ということ自体に怪しげな気持ちを抱くんじゃなかろうかとも思う。
でも、彼が病に倒れ、見ることもできないでいるファンの気持ちとしては、写真だけでいい、以前の試合のものでもいいからという気持ちはわかる。

でも、それにつけ込むかのように、一般人のブログから文章をパクってきて本にしちゃう、というのはどんなもんだろう。素人だから、一般に知られてないからいい、ということなんだろうか。ファンだからこそ、思いを込めて書いている、というのがわからないのだろうか?

出版業界が不況なのはわかる。だからといって、どんな手を使ってもいい、ということはなかろう。フィギュアスケートという人気スポーツがあり、そこに一人のヒーローが現れた。
だからこそ彼を大切にしなければならないのであろうのに、こんなふうに切り売りをしていいものなのか。
いや、出版業界のみに限らない。マスメディア全てにこれは言える。言葉は悪いが、羽生結弦、そして彼のライバルたちは、メディアにとって金の卵を産む鳥なのだ。


そして、ここで私がこだわるのは、以前自分がやられたから、というのもあるけれど、出版社のプライドはどこに行ったんだ、ということだ。物書きとして恥ずかしくないんだろうか。昔、その世界に身をおいていたものとしては本当に恥ずかしい。それからもう一つ引っかかるのが、

ほとんど無料で読むことができる(アフリェイトかかるかもだけど)ブログを、自社の利益にしている、それも無断で、ということなのだ。多くのブログにはメールフォームやコメント欄があるから、「今度出す雑誌に引用させてください」とメール1本打てば、快く了解してくれる方がほとんどだろう。アフリェイトやってる方ならURL書いてください、というかもしれないが、だとしてもお互いの利益になるわけだし。
私の時は、もし問い合わせがあったとしたら喜んで応じたろう。
好きな選手がたくさんの人々に知ってもらえる、というのは本当に嬉しいことだ。


そして、モノを書いてるものとしては、文章自体に思い入れがあるから、「このくらいなら」とつままれても、すぐにピンとくるものなのだ。編集の仕事をしていて、それがわからないはずはない。物書きは、形容詞ひとつ選ぶにも頭をひねるし、インタの翻訳などであればなおさら言葉を選ぶものだ。

そして繰り返すが、ただで読めるサイトを自社の利益に変えようというのは余りにもセコイ。

これからもこういったことが度々起こったら、フィギュアファンは出版業界を見放すだろう。メールの1本で済んだことなのに。
そして、連盟も少しは考えるべきではなかろうか。



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再録】ジャッジパネルのスコット・デイヴィス -技術審判の存在感

Davis_Scott.jpg


以前書いたものですが、また今回のGPFの男子技術審判でスコットが来てくれたので上げておきます。

GPF男子技術審判員


だいぶ前、、アンソニー・リュウが町田くんのコーチとしてリンクサイドに現れたとき、こんな記事を書きました。

キスクラに帰ってくる懐かしい顔 ―NHK杯のアンソニー

そしてまた、懐かしい顔が一人還ってきてくれました。
実は今年の4月に行われた国別対抗の技術審判として、スコット・デイヴィス(写真)が来ていたのでした。なんて懐かしい!

Men - Short Program
 
Panel of Judges
 






















FunctionNameNation
RefereeMr. Alexander LAKERNIK
ISU
Technical ControllerMs. Hely ABBONDATI
ISU
Technical SpecialistMr. Scott DAVIS
ISU
Assistant Technical SpecialistMs. Claudia UNGER
ISU
   
Judge No.1Ms. Marta OLOZAGARRE
ESP
Judge No.2Ms. Noriko SHIROTA
JPN
Judge No.3Ms. Leslie KEEN
CAN
Judge No.4Ms. Jarmila PORTOVA
CZE
Judge No.5Mr. Franco BENINI
ITA
Judge No.6Ms. Alla SHEKHOVTSEVA
RUS
Judge No.7Ms. Anne CAMMETT
USA
Judge No.8Mr. Philippe MERIGUET
FRA
Judge No.9Mr. Yumin WANG
CHN
   
Data OperatorMs. Lisa JELINEK
ISU
Replay OperatorMr. Ted BARTON
ISU



 
ちょっとオジさんになってはいたものの、目元はあの頃のまま。

技術審判(テクニカルジャッジ)は新採点制度発足とともに作られた制度で、出来る人間も限られ(ナショナルクラスの選手経験者であること、試合によってクラスが決まっていて、それをクリアしていなければならないこと。そしてなにより難しい問題なのが、ジャッジングをするカテゴリーに自分の携わっている選手がいないこと、です。
若手の選手経験者のほとんどが、現在コーチとして活躍しており、選手を教えています。ウルマノフやペトレンコなどもジャッジパネルに入っていた時期もありましたが、残念ながらコーチとしての活動が忙しくなるとともに、彼らの姿は見えなくなりました。

それについて詳しいことはこちら→国際選手権でジャッジングをする、ということ - 天野真さん

スコット・デイヴィスはリレハンメル五輪の年、プロから復帰してきたボイタノを破って全米チャンピオンとなりアメリカ代表となりました。
高いジャンプとスピードのあるスケーティング、回転の速いスピン。そしてサンダーバードを思わせるようないかにもアメリカンな風貌。
五輪本番では、コンボの間にターンが入ったものの、3Aコンボを入れ、4位といい出だしだったのですが、FSでは残念ながらジャンプが崩れて総合8位。
しかし、この年代の彼に素晴らしく似合ったダイナミックでいいプロだったので、本当に残念に思ったのでした。が!このプロをほとんどノーミスで演じていた全米選手権の動画がありました。いやー、いい時代です。
「ウエストサイド・ストーリー」です。ちょっとまだスケーティングが荒いですがスピードと高さのあるジャンプを持った彼に良く似合ってます。実況が「ウエストサイド・ストーリー、シャーク団のトニーを演じます」

Scott Davis - 1994 U.S. Figure Skating Championships, Men's Free Skate


それから彼は持ち前のジャンプを活かしながらスケーティングと表現力を磨くために、ズミエフスカヤコーチのもとに行きます。
そして4年後の長野五輪のシーズン。彼はNHK杯に来日し、台乗りを果たします。覚えてらっしゃる方も多いかもしれません。ちょうどこの年のNHK杯は五輪を狙う選手たちの調整試合としてはいい位置にあったので、メンツがとても豪華でした。
冒頭に、イリヤやタケシも映ってます。
Scott Davis (USA) - 1997 NHK Trophy, Men's Free Skate

この日はちょうどコーチの誕生日。いいプレゼントになりましたね。
スピンやスケーティングのスピードはそのまま、しかし荒さが取れて、柔らかくしなやかな滑りもできるようになって、大人の表現ができるようになったのだなぁ、と感じました。

現在スコットは、カルガリーにあるクラブのディレクターをしているそうです。以前のインタでは、
「生徒たちが、年齢やレベルはどうあれ、人として、アスリートとして成長していくのを見るのがとても楽しみです。それによって私たちも教えられることも多いですし、スケートだけでなく、人生そのものを学んでいってほしい」
と述べていました。

彼のように、現役時代に高い技術を持っていた元選手がジャッジとして還ってくる、というのは本当にありがたいことです。それによって、

「自分が現役時代にできなかった技を判定できるのか」
といった言いがかりめいた批判も少しづつは減っていくでしょう。
エレメンツを成し遂げる能力とそれを判定する能力は別物とはいえ、なかなかそれを分からない人間が多いのは確かです。


拘束時間や労働量の割に報われないことの多いのが裏方、特にジャッジですが、競技の未来のためにも、一人でも多くこうして現場に戻ってきてくれる人が現れて欲しいものです。


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赤い衣装の「シンドラーのリスト」少女と女性の表現の差とは

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リプニツカヤの「シンドラーのリスト」で、思い出したプログラムがありましたのでご紹介。
1994年のプロフギュア選手権のカタリナ・ヴィットです。

ちなみにこの時のヴィットは28歳かな。サラィエヴォ五輪で金を取ったのがたしか18歳、と記憶してますので。

Katarina Witt (GER) - 1994 World Professionals, Ladies' Artistic Program


プロフィギュアの、それもアーティスティック部門なので、高難度のジャンプは入っていませんが、足元の素晴らしさと表現力はたっぷり堪能していただけると思います。
ラストのひと蹴りの伸びの凄さといったらもう!

ちなみに彼女はみどりさんと比較されて「芸術のヴィット」のイメージで語られがちですが、若い頃は「ジャンプのヴィット」で、同世代のビールマンとともに女子フィギュアの技術向上に凌ぎを削っていました。サラィエヴォ五輪ではフリーで2Lz-3Tを決めています。練習では3Lz-3Tも降りていたとか。
そんな彼女が大人の女性となって、の表現の形がこの「シンドラーのリスト」であり、「花はどこへ行った」であると言えるでしょう。


ちなみにリプニツカヤの「シンドラーのリスト」欧州選手権のものです。

Julia LIPNITSKAIA 2014 European


同じ赤い衣装をつかっても、ベテランにはベテランの、若手には若手の良さがあって、単純には比較できないなぁ、と正直思います。


あと、このヴィットと同年のプロフィギュアでは、ポール・ワイリーがやはりアーティスティック部門で「シンドラーのリスト」をやってました。これも名プロのひとつです、ご覧ください。

Paul Wylie (USA) - 1994 World Professionals, Men's Artistic Program


そして、もう一つ。バンクーバーシーズンのセリョージャのフリーがやはり「シンドラーのリスト」でした。本当にこれは神プロだった、と私的には思っているので五輪で見たかったです。
3年半ぶりにLzを入れ、復帰戦だった高橋君を抑えてフリーではトップを取ったフィンランディア杯のものです。

Finlandia Trophy 2009 Men FS 16 Sergei VORONOV


こうして見ると、同じ曲でもスケーターそれぞれに表現方法が違うのだということ、そして同じスケーターでも年齢によってその表現方法も変わってゆくのだ、ということがよくわかります。


リプニツカヤがヴィットの年齢になった時、果たしてどんなスケーティングを見せてくれるのか、はとても楽しみでもあります。年齢によっての衰えを補って余りあるようなベテランの魅力あるスケーターであってほしい、と思います。

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ネーベルホルン杯を終えて-カレンダーコンペ(B級大会)の存在意義


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今回のネーベルホルン杯で安藤さんは復帰を遂げ、日本はリード姉弟の活躍によって五輪団体の出場が濃厚となった。また今週末にはフィンランディア杯、オンドレイ・ネペラメモリアルとカレンダーコンペ(いわゆるB級大会)が目白押しだ。
特に、このネーベルホルン杯は五輪予選、ということで注目が集まったけれど、他のカレンダーコンペも、NHK杯に負けず劣らず歴史のあるものも多いし、参加選手のレベルの高いものもある。


B級大会、というけれど、いわゆるこういったカレンダーコンペの大切さがこれを機会にもっと知られるといいと思う。GPSや選手権だけが選手たちにとって意味を持つ試合じゃない。

実際、NHK杯もこういったカレンダーコンペの1つだったのだ。1996年シーズンから、有力選手のプロへの流出を防ぐためにCPS(チャンピオンシリーズ)としてISUの賞金大会として行われたのが現在のGPSの原型だ。
それからドイツのボフストロム杯がチャイナカップに変わり、フランス杯のスポンサーが変わり、となって現在に至っている。

週末に行われているフィンランディア杯、オンドレイ・ネペラ・メモリアルなどのカレンダーコンペは「B級」言われれることがあるように、GPSとは1段下がったもの、と思われがちだが、欧州などのGPS自国枠を持たない選手たちにとっては世界への登竜門であり、熾烈な競争の場なのだ。
少しでもポイントをとってWSを上げておけば選手権の滑走順が有利になるし、GPS出場も目指せる。
また、エントリーメンバーを見ればわかるが、男子ではクワド持ち、女子では3-3持ちがゴロゴロいて、欠員が出てしまったGPSよりはるかに見ごたえがあったりもする。

そして、枠を持っている国の選手でも、GPS出場権をかけて(国ごとにGPS出場人数は限られている)こういった大会に出かけてゆく。
日本で言えば以前の町田くん、無良くん。鈴木さんといったところがそうだったし、現在では佐々木彰生くん、中村健人君などがそうだろう。

オンドレイ・ネペラ・メモリアルのように、過去の名選手を冠したカレンダーコンペもある。また、大会によってはノービスクラスから全て揃っているものもある。昨年ヨナが復帰したNRW杯等もその例だ。ノービスっ子達が、五輪チャンプと同じ大会に出場しまた同じリンクで滑る、というのは意義のあることだと思う。
そして、各大会によって特徴もあり、フィンランディア杯ではシンクロナイズド・スケーティングのカテゴリーもある。

また、今回のネーベルホルンでは開催側が安藤美姫さんを招聘した、ということで「日本の連盟の頭越しの陰謀」みたいに言われたが、これは大会が興業でもある以上当たり前のことだ。
GPS発足前のNHK杯なんて、海外の有名選手を呼びまくっていた。
ナショナルチャンプがゴロゴロ、前年のワールド最終グループがほとんどいる、なんてことも稀じゃなかった。

海外のこういったカレンダーコンペは地元の自治体やクラブが中心となって行われることが多いが、有名選手を招聘のよって観客を集めることができ、また将来を担う所属選手たちに一流の演技を見せて刺激を与えることができ、観客が地元にお金を落としてくれ、地元選手もポイントやスコアをクリアするチャンスができ、(カレンダーコンペの点数はPBとはならないが、5位以内に入ればランキングポイントがもらえる)大きな大会に向けての調整や新プロのジャッジングの感触を試すこともできる。

いいことだらけではないか?

現実、トリノ五輪予選として行われたカレンダーコンペであるカールシェーファーメモリアル(オーストリア出身のカールシェーファー選手を冠したメモリアル大会)は、主催クラブの経営不振によって、2009年から行われていない。
こういった記念すべき大会が消えてしまうのはとても寂しいことだ。だからこそ著名な選手を呼び、観客を集めなければならない、という一面も存在する。

カールシェーファーがなくなったため、バンクーバーの五輪予選はこのネーベルホルンで行われた。
当時スイスは五輪枠を持っていなかったため、復帰を表明したランビエールが出場したから、覚えてらっしゃる方も多いかもしれない。
ベテランとは言え試合ではほとんどぶっつけ本番、ミスれば自らはもちろん自国の五輪もなくなる、というところでダントツの成績を出したのはやはりさすがだった。

今回の日本ではアイスダンスのリード姉弟、ペアの木原・高橋組が同じ立場となった。そして、彼らには五輪団体戦出場枠獲得の希望も託されていた。

リード姉弟ネーベルホルンFD


リーズや高橋・木原については後で別記事を持って触れたいと思うが、「五輪予選」ということがついていなくとも、カレンダーコンペは面白いものなんだ、ということを分かってもらいたい。
特に、GPSの出場人数が削減されてしまってからは
「毎回同じメンバーを見ている気がする」という声をよく聞く。
スポンサーや放映時間の関連もあるのだろうが、なんとか元の人数に戻すか、欠員ができたら予選繰り上げを行うなどして、新鮮なメンバーを見せて欲しい。


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安藤美姫さんの前途はどうなるのか

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美姫、特別扱いなく五輪条件クリア危機

この記事を読む限り、日本スケ連が一枚岩でないこと、また五輪選手選考のために危機感もまったく抱いていないこと、ISUの意向も汲み取れていないことがよく分かって、正直、組織として大丈夫なのかよ、と思うわけですが。

正直私が思うに、安藤さん義理堅すぎです。。。というか世渡りベタ?

昨年GPS(グランプリシリーズ)を辞退した際に、彼女は強化選手も辞退しました。これは強制ではなかったと聞いています。また、トヨタ自動車を退社したのも、会社自体は「ソチまで援助を続ける」という意向だったのに、中途半端な立場では・・という彼女の真っ正直さ、義理堅さからの選択でした。
(これは当時彼女がコメントとして出しています)

今季は休む、ということで強化選手の立場を確保しておくこともできたはず。実際、海外の選手でそのようにしている選手は珍しくありません。また、日本の他種目の選手でもいます。
しかし、立場と義務を返上した以上、権利だけ享受する、というのは彼女の良心が許さなかったのでしょう。結果としてそれが現在の状況を招いてしまったわけですが。

実際、海外では何シーズンか休みを取る選手は珍しくありません。バンクーバー五輪金のライサチェクやプルシェンコ(彼はトリノ五輪からバンクーバーまでほぼ3シーズン休んでました)やランビエールなど。

そして、この記事にある「特別扱い」というのにもちょっと語弊があります。

彼女は何も、ブロック大会をスキップしていきなり全日本から出せ、と言ってるわけではありません。実際東日本ブロック大会からの出場が決まっています。
昨年GPSと全日本を休んだ時点で、全日本のシード権がなくなり、ブロック大会から勝ち上がらなければならなくなったことは彼女が誰よりも承知していたはず。
実際、同様な立場の先達として、村主章枝さんがブロック大会から全日本を目指しています。
このように五輪に何度も出場し、ワールドのメダルも持っている選手ですら特別扱いはされていません。

ただ、ここで安藤さんが言っているのは、全日本出場のことではないのです。

ISU主催の選手権大会(4大陸選手権、欧州選手権、世界選手権)と、オリンピックに出るためには昨シーズン、もしくは今シーズン(7月から)中に、ISUの定める最低点(ミニマムスコア、といいます)をクリアしていなければなりません。これは予選がなくなったことで、選手権の格を保つために定められたものです。(陸上競技で言う参加標準記録、と考えていただくとわかりやすいです)

ただ、それを取るためにはISU公認の大会に出場しなければいけません。

そして、これはグランプリシリーズに限りません。
勿論安藤選手はGPSの出場条件をクリアしていますが(過去10季で世界選手権ないし五輪の表彰台に上がった選手はISUとしては出場可能)、日本スケ連はGPSに安藤さんを派遣しませんでした。

確かに安藤さんは「でられるものなら出たいが」とはいっていますが、GPSになんとしても出せ、と要求しているわけではありません。ミニマムスコアはISU公認の大会であれば承認されますので、他の大会に出て取ることもできるわけですから。
昨年、キム・ヨナ選手がドイツのNRW杯で優勝し、ミニマムスコアをクリアして世界選手権出場の足がかりにしたことは記憶に新しいところです。

現在の安藤選手への扱いと対照的なのがアメリカのライサチェクに対する態度です。

ライサチェクはバンクーバー五輪後アマチュアのコンペに出場しておらず、選手活動は殆ど行っていませんが、アメリカはミニマムクリアのチャンスとしてスケートアメリカの自国枠をライサに与えています。
そしてそこでミニマムをクリアし、(できなければ他のカレンダーコンペでも可能)全米で勝ち上がれば彼は五輪の出場権が得られるわけです。いわば
「機会は与えた、結果を出すのは君次第だ」
という態度なわけですね。


けれども、日本スケ連は「強化選手ではないから国際試合に派遣しない」とミニマムをクリアする道を閉ざしているわけです。

ISUの公認大会、といえばこれだけあります
http://deep-edge.net/event.php?from=2013&to=2013&NAT=&ic=on&other=on&m=search

これらの大会には日本からも毎年かなり多くの選手が出場していて、昨シーズンは強化選手以外の選手も何人か派遣されていた、と記憶しています。


全日本の前で、尚且つブロック大会などにも日程がかぶらない大会、となると限られますが、かなりの選択肢があります。

強化費を出すことが云々、というのなら、「その気があるなら自費で行きなさい、連盟としてエントリーはするから」と言ってくれれば、ファンは大喜びでその費用を出すでしょう。

そして与えられた機会でスコアをクリアできるかどうかは彼女の頑張りいかんです。

また、今回は五輪選手派遣決定の条件として、全日本選手権参加が必須となっていて、その直前に怪我などをしてしまった、などという場合、それが五輪までに間に合うような軽いものであっても、実績を考慮、などという救済措置が取られていません。
このようなリスキーな決定事項を決めたからには、実力ある候補者は多ければ多いほどいいはずですし、選手側の負担も軽減されます。

ただ、ブロック大会の成績いかんでは強化指定の復活もありうる、ということなので、動向を見守ってゆきたい、と思います。

権利のあるもの、可能性のあるものに道を閉ざすのはけしていいこととは思えません。


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プロフィール

Dora Quadski

Author:Dora Quadski
確かにフィギュアはジャンプだけじゃないですが・・・でも、やっぱりジャンパー・タイプのスケーターが好きです。
最近応援しているのは、ロシアのセルゲイ・ヴォロノフと、2009年に国別で来日した際に惚れ込んだコンスタンチン・メンショフです。
日本では小塚崇彦君、町田樹君を絶賛応援中!
 
他に、 『スター・トレック』(特にTOS 、TNG)も大好きです。
中でも、P・スチュワート扮するピカード艦長の大ファンです。もちろん、P・スチュワート自身も!
ただ、性格的にはヴァルカンに憧れるクリンゴンって感じかな(笑)ウォーフとサレックに惚れてますw。

そうです、わたしはトレッキー&シャーロッキアンなのです(笑)

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